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周から始まった歴史用語

オヤジブログ怪気炎 vol.197
世界史気になるシリーズ 19

中国史を学ぶと夏・殷に続いて、周王朝が登場します。夏はまだ実証が十分でないので、殷から始めているテキストも多いでしょう。
さて、周王朝からできた制度や発想で、その後の歴史にも現れる言葉を三つ紹介します。
一つ目は封建制。封土を与える代わりに、貢納と軍役を義務付けました。日本では鎌倉幕府の御恩と奉公から封建制が始まりますし、ヨーロッパ中世の封建制も王と諸侯・騎士の関係にカトリック教会が加わりますが、同じような関係性でしょう。周王朝の場合は、特に血縁関係が重視してされていたようです。
もう一つの言葉は「尊王攘夷」。中国中原を支配した王朝が、常に悩まされていたのが、北からの異民族侵入でした。日本では明治維新前に討幕のスローガンとして叫ばれますが、元祖は中国なのですね。尊王の王は周王のこと。攘夷は文字通り、北から侵入する夷狄を討つことで、覇王と呼ばれた有力諸侯によって、やがて春秋戦国時代を迎えるのです。
さらに三つ目。republicの訳語として、共和制と言う言葉が定着していますが、これも周王朝が起源です。暴君か反乱によって出奔した後、十四年間王が置かれなかった時期があり、その間は二人の大臣が政務を司った。B.C.841年、王に代わって共和の政が開始されていた。
日本は文字や様々な制度を中国から取り入れて、歴史を刻んできました。文化面では、ひらがなやカタカナの発明など、原型を元にアレンジを施して日本独自の文化をつくりました。最近ではラーメンにその傾向を感じています。
けれども政治体制や法、儒学など、お堅い分野ほど元祖である中国の影響が色濃く残っているように感じます。

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