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ヴェストファーレン条約の今
世界史気になるシリーズ58
オヤジブログ怪気炎 vol.276
1648年ドイツでヴェストファーレン条約が結ばれた。ウエストファリア条約と覚えた人も多いでしょう。この条約をもって三十年戦争は終結し、神聖ローマ帝国傘下の諸侯は国家として独立した。神聖ローマ帝国は解体されたのであります。オランダ、スイスが独立し、宗教面はカトリックとプロテスタントの深刻な対立が回避されました。
ただし主権国家とはいえ、それぞれの国は絶対王政体制のもと、王が支配していたので民主的な国民国家ということになれば、フランス革命を待たなければなりません。
それからすでに376年。冗談半分にせよ次期アメリカ大統領がカナダの首相を州知事呼ばわりしたり、ロシアが北朝鮮から兵を動員してウクライナと戦ったり、空白状態のシリアにイスラエルが進軍したりと国家相互のパワーバランスは、独立した主権国家像がもはや建前論に過ぎないような状況を見せています。
けれども、だからこそヴェストファーレン条約で誓った国家主権とは何かをもう一度確認したいと思います。相互の独立性、内政不干渉。当たり前な筈のことがなし崩しになってきてはいないかと。