非整数次倍音と嗄声(させい
)オヤジブログ怪気炎 vol.130
ボクの琵琶の師匠板倉先生は、生前ボクの声について「それじゃぁ、立川清登みたいだなぁ」と話していた。名バリトン歌手に例えられることは、実は褒め言葉ではなくて嗄声の要素が足りないことや整数次倍音が多いことを評されていたのだと思う。
ところがボクは一方でコーラスを続けているので、整数次倍音が含まれていなければ、純正調の倍音は鳴らないという世界にいます。
美しいハーモニーを大ホールに響かせていますが、同時に整数次倍音は、クリアーでよく響くが故に、どこかクールな印象を聴き手に与えてしまうことも事実でしょう。
ですからもう一方で人々から親しまれている人気歌手の声の中に非整数次倍音が含まれていることが多いのでしょう。
同じ声の人は地球上に二人といないはずなので、自分の声の特性を見極めて、表現方法に活かしていく工夫ができればよいのだと思います。