軍師 張良
オヤジブログ怪気炎 vol.202
世界史気になるシリーズ 22
自民党総裁選が佳境を迎えている。一政党のリーダー選びとはいえ、事実上総理大臣を選んでいることと同じなのだから。マスメディアが立候補者のそれぞれの動向を連日報道している。そこでボクが思うのは、個人の資質能力は所詮限られているわけで、リーダーを支える人の力量がとても大切だと考えるのです。
さて、話は古代中国にジャンプ。漢帝国の始祖劉邦は、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」にも描かれているように、リーダーの資質能力としてはちょっと疑問が残る人であります。その後劉邦を支えたのが、張良・蕭何・韓信でした。
このうち韓信は北方の国々を次々に滅ぼして、自身が中国北部の王と言ってもよい存在だったのだから、敢えて劉邦の家臣でいなければならない必要がよくわからないほどの巨大な勢力だった。
劉邦が項羽との戦いに負けそうで援軍を要請しても韓信は現れない。激怒している劉邦の足を踏みつけながら、張良は韓信に土地を与えることを提案する。劉邦が張良の案に従い使者を送ると、韓信は兵を率いて現れ、項羽を滅ぼしてしまう。
張良は、細身で身体が弱く戦場を駆け回る武将向きではなかったかもしれない。しかし彼の数々の献策が漢帝国の成立に果たした役割は大きい。まさに名軍師なのだ。
後の世に曹操の元へ王佐の才と称えられた荀彧が来た時、「我が子房(張良)が来た!」と大喜びしているし、日本でも徳川秀忠が黒田官兵衛を「今世の張良なるべし」と評価している。
今の時代に張良のような知恵者はいないのか。AIが軍師ということでいいのでしょうかねぇ。総裁選を見ながら自分なりに張良を探してみたいと思います。
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