スズキのクオリティは段違い
スズキ自動車の鈴木修氏がお亡くなりになった。この方鈴木さんてくらいだから一代で築き上げたかと思いきや二代目の娘婿なんだ。旧姓は松田さん。かぶらなくて良かった。
昔の仕事場で数台軽のワンボックスがあって半分くらいがスズキのエブリイであとは他社だった。似たようなものだろうと思っていると大違いでエブリイが全てにおいて優れていた。という話。
〈車内の空間〉
同じ寸法の軽自動車規格でワンボックスとなれば最大に四角くてパッケージングの差なんて無さそうに思われそうだが奥が深い。
エンジン、タイヤの出っ張りがうまくデザインされていないと狭苦しくてしょうがなくなる。
エブリイは足元から頭上まで人間の邪魔をするものが無いので快適。これに慣れると他社のは追突した途端に足が挟まって逃げられなくなりそうな感じがして非常に窮屈。
〈合理的な内装〉
商用車なので乗用車みたいにトリムがなくても構わない。塗装されている金属むき出しでいいし、下手にプラスチックのカバーが付いていると荷物をぶつけたときに取れたり傷ついたり面倒だ。
運転してて目に付くダッシュボードまわりは適度に過剰でないデザインのが付いているといい。エブリイは絶妙にちょうどいい造りになっている。軽自動車なり、商用車なりのというのが本当に分かっている人がデザインしているんだろう。決して貧相ではないのがポイントだ。
ダメなメーカーのは普通車のをそのまま小さくした内装をあつらえている。ドアにもプラスチックでフルにトリムを付けてるから貴重な車内スペースが消費されて狭いこと狭いこと。
昔のクルマは5ナンバーでも広々乗ってたのは安全基準が今と違ってドアを薄くしてたから。
現代の軽自動車規格で強度面に何もプラスにならないプラスチックで厚みを足すなんてセンスが無い。
〈エンジン性能〉
高速を使って行く現場だとバネット使って行きなよと言われたがエブリイならいいですよと言っていた。段数の少ないATの軽自動車が普通に高速道路を走る。荷物を載せていようが走る。
同じ感覚で他社の軽自動車で走るとスピードが出ないしガラガラ言い出す。してはいけないことをしている感じ。エンジンに定評があるメーカーでもダメ。
〈荷物の積みやすさ〉
軽ワンボックスの荷室は結構広い。あまり調子に乗るとすぐ過積載になる。広い上に無駄な装飾がないエブリイは積みやすさでも一番だった。後ろのシートを倒すと一層広々する。倒す手順も簡単。
〈全てにおいてエブリイが一番!〉
本当にスズキという会社は軽自動車、商用車の造り方を分かっているというのが乗ってて伝わってきた。この部分はこうあってほしいという無数のポイントをちゃんと押さえてくれている。
他のメーカーがなんでダメダメなの?と理解が出来ないが、それはスズキが頭抜けているって事だ。
商用車に関しては仕事グルマなんで別に要らないというものが結構ある。エブリイは見事に要らないものについて省いてくれているのでコストも下がって購入者メーカーどちらにもメリットがある。
そういったデザインが出来るのは素晴らしい。
ダメなメーカーはすごくいいクルマが出来てもモデルチェンジで台無しにしてしまう。良いところ積み上げたらどんどん最高のクルマに近づくかと夢見るが悪くなる方が多い。同じクルマ作ってても儲からないからコスト削減してショボくなる。
だがエブリイは違った。長年のノウハウの蓄積をしてこそ出来ている良さがひしひしと感じられた。
クルマメーカーたるものこうであれという見本だ。
今起きているクルマメーカーのゴタゴタ。ランエボが良かったスカイラインが良かったインテグラが良かったなんてのは過去の話。現時点でクルマ造り以外のことでエネルギー使ってる人たちからクルマ買おうなんて思わないね。
スズキ自動車が今後も素晴らしいエブリイを造り続けることを願います。