ファーザー&カルマ
徒歩でむだぼねを折りながら、高尚な哲学を考える事は、その人にとって、決してきどりすぎではなかった
かれが思うそれはじゃがいもがにくずれた姿それを印象わるく「文学くずれだ。」と形容しても、なにかじゃがいものあいらしさがある、そういうふうに憧れの崩れないありかただった
地下に眠る命が根の呪縛を離れて、思うさまフレッシュな酸素を、すいこむイベントだった
魔の手でひきもどされず、愛を、故郷を離れること
それは一種の現象としても甘美で、宝石の色彩を持っていた
傷つく下降の重力を翼がついにうちたおす事
上昇が天国まで行くことに男はなんらの躊躇いもしりぞけて感じなかった
バベル
高く高く悲劇の塔を登っても、つゆ一滴うしろは、見ない
そうし、頂点までひたむきに手がかりをもぎとる事
たった一つの花をつかむ為に苦痛や受難のよう痛みにまみれていても、その苦悶は、涙で緊張がとぎれるのをいとう
彼なりの始末におえない努力のルーティーンだった
みのりがほんのちょっぴりにプレッシャーがはなにつきそうなばかでかさ
けれども愛するものはいつも向こうまで手を伸ばさなければとどくはずがなかった
ザイル
それを人との絆よりグリップするのは
愛情より握りしめるのは
かれの父もそうだった
はるかな高みに生活は問題にならず、上だけを見ることが、しびれたしびれた夢と憧憬と理想を見せる事
苦痛のただなかにさえ、それをみいだし続けた
周辺は上をめざす時、誰の問題にもならない
信念はそれにしてたのだ
ガラスは潔くしか割れない
一筋の乱反射する希望は、生きている間を赫奕と照らし少し幻に似た夢が完全燃焼するのだった
夢と、つれだち生まれ、現実に染まらず、ぱちぱち夢は一気にもえあがった日輪の泡沫、眼が刺激で覚めると、浜にうちあげられた、その人は、はねおきて、午後の激しすぎる光を、浴びた
ファミリーの姿を探し小屋に、戻るとにぎやかな子ども達の黄色い声が待ち受ける歓声の光景
ぎこちなくだがしっかり笑うと熟睡した翌日朝、少年の容貌がミラーに写りまだねむたいねむたい心はそれを受けいれた
頬をつねってみた
現実はいつもダブルミーニングだなという感慨によって数日はうけながした少年だがわかがえっているのだった