かぜの10代
上昇に伴う崩壊を彼は、捨てきれない。恐いようなそのスリルは、現実を痛烈に少なくとも思いださせた。下降は地面を与えると知っていても。その日彼は寿命を宣告され、奇妙な生き物になった心地がしていた。この決定をまさか他人に握られるわけは無い。リビドー?タナトス?精神医学を修めた彼にしても混乱の度は好戦的なまなざしまで、持たせた。臨死体験のビビッドな現実感は失いかけた視力より何か説得性を持って居た。認識、現前、把握という順番の唯識論だった。今日で終わりか。実感が湧かない。楽しかった様でもあり、当然の様でもあるし。まさにシンプルに彼は、いかれそうだった。頑張り切ったら終末というシステムには疑問しかない。答えというより同情を欲した程だ。おかしいこの世。普通な人間。それもおかしいと。徳がないのか。功徳が。それなら不徳寺という寺の建立にだって貢献するつもりが、あった。ここで真面目はあそこでバカだ。あそこで賢いはここの無能?なぜもうない秩序を頼ろうとするのだろ~。分からないらへんに彼の自信があった。合っていたら疑問には思わない。疑問なら既におかしく。おかしいなら終わっていた。ならば生きてることも間違いなく分からない。変てこりんな時に真面目な顔をするのも分からない。真剣にすればおかしさが際だった。おかしいのを真剣だなんてそれこそ冗談だろう。今笑わなくていつ笑うのだ??
いいなと思ったら応援しよう!
![Besuちゃん](https://assets.st-note.com/poc-image/manual/preset_user_image/production/ib306a59cc247.jpg?width=600&crop=1:1,smart)