ジュブナイル 1
双子の弟は、柵の向こうに居る。その痩せた体はシャープと言えなくもなかった。フィクションの紙の月のように。軍隊風の生活に慣れ意外にも血色のよさそうな素顔は、衰えた雰囲気はない。こちらの平和をおしつけているのかも知れなかった。助けたいと少し思ったのも。無駄のなさは何かすこし殺伐とし荒涼とも、していた。受け入れた優しさと気弱さの併存。ちょっとの改善を求めている。うけいれる事には決めた。そう写る。規律を言うなら整ってはいた。その説得力には権威的な有無を言わせぬものすら、ある。
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