🔴資本主義の解体へ 〜プラットフォーム型社会主義という提案①〜
プラットフォーム型社会主義とは
プラットフォーム型社会主義とは、現代のデジタル技術などを活用した中間的組織に、様々な「共有・贈与・交換」のネットワークを構築しそれを利用者自身が民主的に運営することによって、社会主義の理念を実現しようという概念だ。
これまでメジャーな社会主義思想の多くが、生産手段の社会的所有のために既存社会の所有制度の変革と打倒を必要としていたのに対し、プラットフォーム型社会主義はそれを必要とせずに、資本主義的社会構造の漸進的変革を目指すものである。
資本主義社会では、資本主義以外が駆逐されてしまったのか
資本主義的社会構造というのは、産業革命以降に生まれた、市場経済と私有財産が強調され、有産階級によって無産階級への支配が行われている社会の構造。
ようするに「持てる者」であるか、「持てない者」であるか、で両者の関係の間に階層が構築される、いわば“単純化された社会”だ。
しかしながら、資本主義社会の構造と実際の私たちの暮らしというものを比べてみたときに、別に「支配されている」だとか「階級がある」など意識したことはないだろう。
資本主義社会では資本主義経済や市場経済だけでなく、
“薄れつつはあるが”原始的な非市場の経済が行われている。
このような形で、市場以外にも経済や人々のモノとモノのやり取りはなされている。
先ほど、「”薄れつつではあるが”原始的な非市場の経済が〜」と言ったが、
これは市場経済下、はたまた、福祉国家主義の中で、交換や再分配ばかりが注目され互酬というものが軽視されてきたということである。
「いわば“単純化された社会”。」これらの原因は
交換のような即時的な人と人の関係が薄れたもの、
再分配のような人と人の水平的繋がりすらないもの。
これらにこそあるではないだろうか。
もちろん、互酬のみが最も優れた経済体系であると言いたいわけではない。私が言いたいのは、経済が単一のモデルに固執することなく、多様な経済体系や価値観がその利益を最大限に発揮することのできる柔軟なアプローチが必要だということだ。
プラットフォーム型社会主義は、
経済を単なる物的利益追求の場に留めるのではなく、デジタル技術の活用などを通じて、人と人を結びつけるプラットフォームを創ることにより、国家や暴力的手段を介さずに、社会構造の変革を促すという構想のものだ。
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