7月に有明海にやってくるハマシギの謎
【娘とわたしの会話】
そういえば最近、干潟に鳥見に行かないんだね。
まあ、暑いし・・・
あと今はシギ・チドリたちはロシアとかアラスカとか、北の方で子育てしているからまだ日本にはきてないし、行ってもあんまり会えないんだよね・・・
あ、でも来週行くよ。一緒に来る?
え、今干潟に行っても鳥はいないんじゃなかったっけ?
そうそう。
ちょっと例外があってさ。知りたいこともあるし。
でもこれ話すと長くなるから割愛するわ。
話して話して。
そう?じゃ。ハマシギっていう鳥は知ってるよね。
有明海で一番多い種類のシギなんだけど、この鳥は世界的に亜種が多いことで知られてて、日本に来てるって言われてる亜種だけで4種くらいあるんよ。
亜種って分かる?
同じ種類のハマシギなんだけど、羽の色とか、胸の黒いしましま模様とか少しずつ違っていて、どうやら繁殖地ごとに少しずつ同じハマシギなんだけど違うらしいのよ。
そういうのが亜種ね。
そして、日本にやってくるハマシギで確実に来てるって言われているのが、
亜種「キタアラスカハマシギ」って言って、アラスカで繁殖するやつなの。
なんでわかるかというと、繁殖地のアラスカで研究者がハマシギの足にリングやフラッグをつけて話す活動をしているの知ってるよね。
ほら、私がいっつもシギの足に付けているプラスチックの旗を探しながら見てるでしょ。
あれよ。
アラスカから来たハマシギにはそれが付いていることがあるの。
アラスカから来たハマシギとは今まで有明海で3回会ったことがあるよ。
そして、ハマシギって普通は、繁殖を終えた後の
8月のお盆のころからぼちぼち日本にやってくることが多くて、
全国的に見ると9月に大きな山があるんよ。
ところがですよ。
有明海では7月の20日くらいにピンポイントにハマシギが500羽くらい来るんよ。
その7月の群れが、どうやらアラスカの亜種「キタアラスカハマシギ」とは別の亜種なんじゃないかという意見があって。
そしてさ、見分けるのはとても難しいんだけど、
ハマシギってほら、冬になると全体的にグレーな冬羽になっちゃうやん。
そうなるともう違いなんて分かんないんだよね。
夏羽ならなんとか亜種の違いが分かるかもしれない。
だから7月、つまり来週あたりに干潟に行くってわけ。
分かった?