10年ぶりのHCR~その先の景色~

集合時間は6時少し前。
レースならば、スタート時間の3時間前に起きて、
食事を済ませるところだけれど、
ロングライドのイベントは、そこまでストイックに
管理しなくていいのがいいところ。
それでも4時には起きて、準備をしたり
前の日に買い込んだバナナやおにぎりをほおばる。

まだ暗い中、5時20分にホテルを出て、
5分ほどでスタート地点のカピオラニ公園に到着。
10年前より参加者が少なくなったせいか、
まだそれほど多くの人は並んでいなかった。



6時。
セレモニーが始まり、アメリカ国歌が斉唱される。
アメリカ人の参加者たちは、ヘルメットを脱ぎ、
胸に手を当てて静かに目を閉じる。
この大会の好きなシーンのひとつだ。

スタートする頃には、空が白み始めた。
富士ヒルで、スタートゲートをくぐる前の落車で骨折したため、
緊張しながら、慎重に、前を大きく開けて進む。
後ろはダー様が押さえてくれている。

無事にスタートゲートをくぐり、流れに乗って走り出した。
しばらくは上ってくる朝日に向かって進むので、
眩しさに目を細めながら。
ダイヤモンドヘッドを過ぎ、ハイウェイに乗って16kmほど進むと、
ハートブレイクヒルが現れる。
このコース最大の坂で、距離は1kmほど。
初めて走った10年前は、歩く速度でなんとか乗り切ったけれど、
今は折れた脚でもすいすい上がれる。

エイドステーションは約20kmごとに設置されている。
最初のエイドステーションのSundy Beach Parkには
寄らないつもりだったけど、
トイレ休憩のために少しだけ立ち寄り、すぐにスタート。



ハートブレイクヒルほどの斜度はないけれど、
距離の長いマカプー岬への上りも難なく進むと、
目の前に広がるエメラルドの海。
足を停めて堪能したいところだけど、
景色は帰りに楽しむことにして、先を急ぐことに。

2つ目のエイドステーション、前回の折り返し地点の
Kailua Intermediate Schoolへは、
順調に進んで、1時間50分ほどで到着。
地元ボランティアの方達の用意してくれている
シェーブアイスを頂き、身体を冷ます。



1週間前、40km走ってへとへとだったのに、 まだまだいけそう。
ここから先は、未知の景色が待っている。
そう思うと、わくわくしてきた。

次は60km地点にあるエイドステーションの7Eleven。
ここを制限時間内に通過出来れば、
100マイルの折り返し地点、
Swanzy Beach Parkまで進むことができる。
時間的にはまだ十分余裕があるので、
トラブルさえ起きなければ大丈夫。

ペースをキープしたまま、7Elevenに到着。
朝は涼しかったけれど、一気に気温が上がり、
ボトルの水がすぐになくなるので、
エイドステーションで用意してくれている氷を入れ、
7Elevenで水を購入するため自転車を置いて歩く。

あれ?まっすぐ歩けてないな・・・

すぐに気付いたダー様が、 大丈夫?と心配顔。

特にどこかが痛いわけではなかったけれど、
右足の筋肉が強張っているような感じ。。
毎日固定ローラーは乗っていたけれど、
長時間走るのは久々なので、きっとそのせいだろう。
少しストレッチをしたりして、次に進むことにした。

ついに100マイルの折り返し地点まであと20kmほど。
少しのアップダウン区間を乗り切ると、すぐ右側には海。
波打ち際ぎりぎりを走るような道を進む。

ワイキキと違って、人工的な建造物がほぼ見当たらない
海岸線がずっと続いている。
自転車を投げ出して、飛び込みたいような美しさ。


人生初の骨折、入院、手術を経験し、
自転車に乗るどころか、自分の足で歩けるようになっているかも
分からなかった3か月前。
それが、今はこうしてハワイを走っていて、
しかも、10年前の自分より、楽に、速く、遠くまで走れていると思うと、
思わず目頭が熱くなってきた。

そしてついにSwanzy Beach Parkに到着。
ここまで80km。あっという間だった。




左は50肩で腕が上がらない人の図w

ついにここまで来た・・・

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