埼玉県営の水上公園での水着撮影会中止騒動について。その14「県公園緑地協会への公文書開示請求で判明したこと。その1」
さて、水着撮影会の件についての続きです。
その12では「■■■の●●●●」さんのクレームメールや電話について、再度詳細に分析させていただきました。
5月下旬の「■■■の●●●●」さんのクレームメールに対して、指定管理者の県公園緑地協会は6/2(金)に返事のメールを送りました。
水着撮影会に対して「今後も指導監督して開催していく」という回答におかんむりの「■■■の●●●●」さんは、すぐさま翌日の6/3(土)に直接電話でクレームを入れたのはご承知の通りです。
そしてさらに翌日の6/4(日)には、電話で送ると述べていた「水着撮影会のハレンチ写真」資料13ページを添付したクレームメールを送っています。
このメールの末尾で「■■■の●●●●」さんは「本件に関心を持つメディア関係者や議員などににもお知らせして本件の問題について世論喚起をはかっていきたいと考えています」と大見得を切ったのはご存じの通りです。
実際に6/8(木)に共産党埼玉県議団が埼玉県庁で申入れを行い、また毎日新聞では太田啓子弁護士に見解を聞く「県営公園で『水着撮影会』何が問題?弁護士に聞く」という記事を6/11(日)の朝に書かせています。
このあたりの経緯については先にnoteの記事で書かせていただきました。
そして10月末が期限だった県公園緑地協会側の公文書開示請求によって開示された資料が出てきたので、今回はその資料を見ながら追加の精査をしてみたいと思います。
こちらは埼玉県営プールを管理する指定管理者を管轄する、埼玉県庁都市整備部公園スタジアム課からしらこばと公園管理事務所へと送られたメールです。タイムスタンプは6/5(月)20:28となっています。
【至急・依頼】と題されたメールには「突然の事」として「■県議から問い合わせがありました」と書かれています。
こちらが問い合わせの内容です。
ご覧の通り、第三者である県議を介しているにも関わらず、非常にこれまで何度も見た内容の問い合わせです。
そして17時で終業するはずの埼玉県庁から20時をすぎて送られたメールには「明日の朝一で御対応くださいますよう」と記されています。
もちろん「県議」という権力者からの問い合わせだから、というのも理由の一つでしょう。しかし県庁公務員として大きいのは、内容的に部の上長(この場合都市整備部部長)に報告し、上長は県知事(この場合知事室へか)に報告をしなければならない、という理由かと推察されます。
そしてこのメールで一番重要なのは、「■■■の●●●●」さんの実名が県議の口から登場しているという点です。
その12で私が「弁護士ではないか」と推察した「■■■の●●●●」さんと問い合わせた県議との関係が公文書で残っているという事になります。
つまり共産党埼玉県議団を権力濫用の不法行為で立件する際に重要な証拠の一つとなるものであるという事です。不法行為の成立要件の一つは「侵害行為と損害発生との間の因果関係」ですので、この「因果関係」を証する「処分庁(指定管理者)に県議が圧力を掛けた」証拠の一つになるものだという事です。「■■■の●●●●」さんが県会議員を使って圧力を掛けた、という。
近代麻雀水着祭の行われる予定であったしらこばと公園には6/5(月)に問い合わせのメールが送られていますが、川越水上公園と加須はなさき公園へは6/7(水)の朝9時台にご覧の内容で都市整備部公園スタジアム課からメールが送られています。
共産党埼玉県議団のリリースや報道等によると、県庁都市整備部長は「2日前(※註:6/6)に事態を把握した」と述べているので、おそらく部長への報告の為にしらこばとだけではなく、川越と加須の状況も把握する事となったと思われます。
こちらにも「■県議」の文字が。
現在(註:2023年11月)現在、埼玉県議会で一文字の姓の県議は4名います。3名が自民党、一人が立憲の県議で、うち一人は私の同級生の知人です。そして4名ともに特に水着撮影会やジェンダー関係についての発言等は無い人物ばかりですので、おそらくこのメールの「■県議」の「■」は苗字では無いと思われます。「某県議」とでも書かれていたのか、と推測されます。
また川越水上公園と加須はなさき公園へは「水着撮影会実施件数」というExcelファイルが添付されていて、それぞれ管理事務所へと回答を求めています。
ご覧の通り、ほとんど撮影会の無かった加須はなさき公園は当日11時ごろ、川越水上公園からも当日18時前には回答が返信されています。以下は川越公園の管理事務所からの回答で記載されたExcelファイルです。
「水着撮影会の実施件数」の欄の他に「うち■■(註:近代麻雀)」「■■(註:近代麻雀)の利用料」の欄が設けられていました。
近代麻雀の個別の数字を抽出させたのは「■■■の●●●●」さんがピンポイントで近代麻雀に対してクレームで言及していたからで、この段階では「水着撮影会」全体ではなく、「近代麻雀のイベントに対してのクレーム」という捉え方であった様子が伺えます。
以下は今回10月末に開示した公文書により判明した事項を加えて、顛末を時系列に整理したものです。
共産党の申入れから即日で県庁都市整備部は指定管理者(県公園緑地協会)へ指導、指定管理者も当日のうちに6主催者に「水着撮影会の中止」処分を打診し承諾させたのはご存じの通りです。
このドタキャンについてはSNSなどを通じて拡散され炎上する事となります。以下は申入れの翌日から3日間に指定管理者(県公園緑地協会)の本部と3プールへ寄せられた苦情数の一覧表の公文書です。
県庁都市整備部の部長は6/6(火)に「事態を把握」し6/8(木)に共産党の申入れを受けました。
申入れの翌日の6/9(金)の夕方には公園管理担当から指定管理者へ以下の確認のメールが送られています。このメールで注目したいのは「水着撮影会の件」で「幹部から聞かれておりまして」とする確認事項が「6つのイベントについて」となっている点です。
共産党申入れの前までは「近代麻雀」のイベントが主に問題とされていたはずで、他の主催者の水着撮影会については「県庁都市整備部(指定管理者の管轄部署)」内では問題視されていなかったはずです。
近代麻雀の開催地であるしらこばと公園管理事務所の所長は6/8申入れ前までは一貫して「指導を徹底して開催」の姿勢でしたから、申入れを経て
①都市整備部長の関与により「水着撮影会全部」が対象となった
②指導を受けた指定管理者の本部側の判断で
「水着撮影会全部」を中止対象とした
のどちらかであるという事になります。
また2通目の問い合わせメールでは「(埼玉県)知事室長からの確認事項」として「主催者中止判断の状況」「補償をもとめられているか」について確認をするExcelファイルが添付されています。
こちらが「知事室長確認事項」として公園スタジアム課から県公園緑地協会へと添付で送られたExcelファイル。問い合わせから1時間半後の6/9(金)18時半に一旦返信され、同日21時過ぎに一部訂正された回答が以下のファイルです。
このファイルは県公園緑地協会(指定管理者)が行った「プール使用申請」の許可処分について知事室長(イコール知事)が処分状況の確認を求めた、という事、つまり「確認しないと分からない(知らない)」という事です。
そしてこちらが県公園緑地協会側から報告の為に別途で作成され6/9(金)20時前くらいに送られた「公スタ確認事項」と題されたExcelファイルです。
指定管理者側は知事室長(知事直轄)の質問に対してご覧の通り「詳細が分かる表」を自ら作って補足の報告をしているのです。
こちらは6/9(金)20時ころに投稿された大野埼玉県知事のtweetです。
水着撮影会のドタキャンに関して世論が盛り上がる中での最初の投稿ですが、この投稿は知事室長が上の報告を受け取った時間とほぼ同時刻であったことが分かります。
前後の状況を見ても、この時点での大野知事はTweetの内容が「水着撮影会に関して把握している事項」のほぼ全てであったと思われます。
6主催者への取消し処分についても、県庁都市整備部(知事の補助機関)の指導によって指定管理者が「使用許可取消処分」「使用不許可処分」を下したものですが、知事室長がこれらの処分について問い合わせで確認を行っていることから、知事へは事後報告であったことが分かります。
当時共産党の申入れで撮影会がドタキャンされた事から「大野知事は一期目の選挙で共産党の推薦を受けていたからグルだ」などと吹聴する輩が少なからず居ましたが、これは事実無根であったことが公文書から類推できます。
埼玉県民の私はご覧の通り、当時「共産党とデマ」説は否定していましたが、吹聴していた人々はやはり聞く耳を持ちませんでした。
当時エビデンスも無くデマを吹聴した人は反省をすべきでしょう。
さて、公文書は320枚開示されましたので、まだまだ内容は続きます。
私は記事を書くことが一番の状況整理の方法なので、今後の追及の為の整理分析にもう少しお付き合い下さい。
ではその2へと続きます。
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