鴻巣市・旧笠原小学校での「制服・浴衣撮影会」の件についての分析と考察。その5。笠原小学校存続の住民運動に入り込んでいた(と思われる)「犬笛に踊る」人たちその3。
さて、鴻巣市の旧笠原小学校校舎(鴻巣市の市有施設)で近代麻雀主催の「制服・浴衣撮影会」についての検証記事の続きです。
その1(旧笠原小撮影会問題と水着撮影会問題の酷似について)はこちら。
その2(旧笠原小撮影会で「犬笛」に踊った市議について)はこちら。
その3(笠原小学校の廃校に至る経緯についてその1)はこちら。
その4(令和2年12月鴻巣市議会第95号議案と共産市議団ほか)はこちら。
さて、令和2年12月定例会11月30日の議請4号「笠原小学校の存続に関する請願書」についての質問と答弁です。
質問者は無所属の金子裕太市議(当時、2023年より自民埼玉県議)です。
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ご覧の通り金子市議、請願の「紹介議員」達に対して、請願の矛盾点を議会で追及しています。この質問に関して、部分一つ一つを追って見てみたいと思います。
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まず請願書の要旨に書かれた「地域の在り方に係わる学校の廃校を住民との意見交換会抜きで進めるのではなく」という文言についてです。
金子市議は、2015年(平成27年)より5年間で鴻巣市は30回程度の意見交換会を開催しておりその半分以上が笠原小学校に係わるものであることを指摘しています。
にも関わらず、「請願書」にはご覧の通り「住民との意見交換会抜きで」と書かれており、「事実と異なる記述」ではないかと疑問を呈しています。
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金子市議の質問に、答弁に立ったのは日本共産党の諏訪光津枝市議。「請願書」の紹介議員の筆頭に署名をした議員です。
諏訪市議からは「30回以上の意見交換会があったことは事実」と述べられ、しかしながら「住民の皆さんが十分な意見交換会ができたという所に至っていない」、すなわち「我々の納得する答えが出ていない」ので「住民との意見交換会抜き」であると解しているという答弁でした。
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対する金子市議は再質問で、(共産諏訪市議は)「全く(意見交換会が)抜きではない」と答弁していますが、ではなぜ「(学校の廃校を住民との意見交換会)抜き」と請願書に書いているのかを質しています。要するに「虚偽の内容を書いたのではないか」という話です。
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諏訪市議はこの再質問に「意見が十分に交換できない(中略)ということの表れ」が「(住民との意見交換会)抜き」という事だと述べました。
要は「笠原小廃校の撤回」という自分達の意見を聞かなければ「意見交換会」は行われていないに等しいと言っている訳です。請願書に「事実と違う表記」をしたのは「我々がそう解釈しているから書いた」と言う訳です。
次に金子市議の質問の2つ目の「防災拠点」の話についてです。
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「請願書」では「笠原小の廃校」によって「(防災拠点として)最も重要な施設が失われる」ことを意味する、と書かれています。
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金子市議の質問の当該部分を再度抜き出しますが、「紹介議員の皆さんも内容を承知している」11月14日の住民説明会で「笠原小学校の校舎をなくすわけではない」という鴻巣市の答弁があった事を知っているはずだ、と指摘。であるのになぜ「笠原小学校の建物が無くなってしまう」と解される「事実と異なる文言」を11月18日提出の請願書に書いたのか、と追及をしています。
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共産諏訪市議はこれに対して「市内の19校の小学校が指定避難場所と指定」されているので、「小学校でなくなる」笠原小学校は「指定避難場所ではなくなる」という意味だ、と答弁をしました。
つまり、廃校後も笠原小学校の校舎建物は残される、と鴻巣市より回答をもらっているにも関わらず、「避難場所が無くなってしまう」とミスリードを誘う表現を請願書に書き、追及されたら言葉遊びの詭弁で逃げた訳です。
続いて3点目、「守る会」が行った住民アンケートの回収率の話です。
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ご覧の通り「守る会」は請願書に、自らが行った住民アンケートで「回収率73%」「廃校反対82%」であったと記しています。
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再び金子市議の質問の当該部分を抜き出しますが、「全世帯785世帯」で「572名の回答」を572÷785=73%という「単位の違う数字」で割るのはおかしい、と指摘。笠原地区の人口2821人で572名の回答ならおよそ20%の回答率なのではないか、と述べています。
要は「関係の無い数字」で計算する事で、さも「住民の大多数の意見であるかの様に装った数字」を書いたのではないか、議会で諮る請願で数字を盛っちゃダメでしょ?と聞いた訳です。
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共産諏訪市議はこの質問に「785世帯」に「1世帯1名」の回答で572枚回収したので「572世帯÷785世帯」で回収率73%で合っている、と主張しました。
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これに対して「請願書に日本語を間違えて書いたのか?」と質す金子市議。
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共産諏訪市議は「誤解を生じやすい」記述だった、と答弁をしています。
すなわち「事実と異なる解釈」がされやすい記述をした事を認めていますが、「住民の2割が反対」のアンケートを「住民の8割が反対」として公的な請願書に記すことはやはり出鱈目だと思います。
そして順番が前後しますが、先に請願書の末尾に書かれた「文科省や教育関係者からも『少人数学級・小規模校が行き届いた教育ができる』と、小規模校の存在も見直され」というくだりについてを見てみたいと思います。
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このくだりに対して金子市議は「文科省のソース見つけられなかったから教えてください」と質問します。
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対する共産諏訪市議の答弁。
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「いろんな所で言われてます(ソースは示さない)」という、まるでインターネット掲示板の様なレスポンスを返します。
。。。やっぱり資料無いんかい。
再び金子市議の質問に戻り、鴻巣市長の発言の件です。
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請願書でも2017年(平成29年)の笠原地区敬老会での話し合いで、鴻巣市長が「『私が市長在職中は笠原小学校は廃校にしない』と明言」と書かれています。
さきの当noteその4の記事(議案第95号)でも触れましたが、鴻巣市長はこの日(令和2年11月30日定例会)の答弁で、この発言は切り取り捏造であることを明らかにしています。
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「市長の発言」とされた「市長在職中は笠原小は廃校にしない」という文言は「誤りであった」と「笠原小を守り育てる会」の会長が認めた、と答弁があった訳ですが、金子市議は11月14日の住民説明会でもこの市長発言について「守る会の会長から謝罪」があった旨を述べています。
そして14日に会長の謝罪があった内容が、なぜ4日後の18日提出の請願書に「誤った内容のまま」記されているのか、について確認をしたいと質しています。
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共産諏訪市議は「私は納得がいかない」というお気持ち表明、答弁に関係の無い2017年3月定例会のエピソード、「全員の賛成が無いと市政はすすめられないのか」というお気持ち表明を答弁で述べました。
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まったく答えになっていない答弁だったので、金子市議は「答弁漏れ」を指摘します。
改めて共産諏訪市議は「『守る会の方』は確かに市長に謝罪をしていた」「後で聞いたら『私が市長である限りは笠原小を守る、と住民は理解した」と言っていた、と再答弁しました。
要は「住民は市長にあの場では謝ったけど、納得はしてないそうです」という話ですね。
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なので金子市議からも「謝ったけどやっぱり『ゴメンなさい』は無しで」という解釈でいいですか?と質します。
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対する共産諏訪市議、クドクドと当時の状況説明を述べますが、「守る会の役員が謝った」以外の情報が一切入っていません。
結局「守る会」側が市長発言の件を「誤りだった」と謝ったのに、なぜ「誤った謝罪前の主張」のまま請願書に書いたのか、についての明確な回答は諏訪市議はできませんでした。
「市長の発言」の件の部分では、金子市議の再質問には以下の様なくだりもありました。
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9月の鴻巣市議会でさんざん質疑を行っていたベテラン議員たちは、これまで質問した様な内容は「知っていた」はずだ、と金子市議は述べています。
であるのに「事実と異なる内容」をチェックもせずに請願書を素通りで提出してしまうのは「紹介議員」としていかがなのか、と質問をしました。
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共産諏訪市議はこの問いに対して「住民の思いなのです」とお気持ち論を述べます。金子市議が質問した「紹介議員が(請願内容を)チェックせず誤りのまま出すのは不誠実」という問いには一切答えていません。
ここまで金子裕太市議の質問と共産諏訪三津枝市議の答弁を内容ごとに並べてきました。その結果浮き彫りとなったのは「笠原小学校の存続に関する請願書」に書かれていた内容のほぼ全てに「事実とは異なる主張」が盛り込まれていた事実です。
金子市議がこの請願に関する審議で質問をしたのは、こういった不誠実な内容で扇動をすることを糺したかったのだろうと思います。
その金子市議の再質問の部分では、この一連の質疑応答を総括するような内容の質問が成されています。
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この通り、「笠原小学校の保護者の話」として、学校存続の住民運動に「途中から議員がやたらと」「あることないこと騒ぎ立てる」という相談があった事を金子市議は明らかにしています。
共産諏訪市議はこの質問には再答弁では答えず。金子市議より「答弁漏れ」の指摘が入り再質問されます。
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笠原住民の話では、「守る会」の活動に途中から「それまで関係が無かった」人たちが「議員の立場」で押し寄せ騒ぎ立てた、という指摘を受けた旨が金子市議から質問されます。
共産諏訪市議は「騒ぎ立てていない」「正当な理由で傍聴」と主張しますが、正直これは共産諏訪市議の主観の話でしょう。
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金子市議は再々質問で「納得できていないと、事実と異なることを堂々と載せてしまってもいいのか」と問い質します。「紹介議員」として内容を住民と話し合ったり指摘したりはしないのか、という真っ当な疑問です。
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共産諏訪市議は答弁で「私は思っております」を連発。金子市議の質問とは関係が全く無いお気持ちを延々を連ねました。
ここまで鴻巣市議会での、金子裕太市議と日本共産党諏訪三津枝市議との攻防を分析してきました。
ここまで読んでお分かりでしょうが、金子市議の指摘に対して共産諏訪市議は「お気持ち論」全開で、具体的なエビデンスの類はほぼ用いませんでした。
市議会という「嘘を付きづらい場所」での答弁だけに、さすがに不用意な発言はできません。そういった中での金子市議の「請願書の内容が『虚偽』なのではないか」という質問に対して、共産諏訪市議は明確な反論がありませんでした。
そして「笠原小を守り育てる会」という住民運動に「見た事の無い議員がどどどと押し寄せ、ある事無い事騒ぎ立てる」という実態が住民から指摘された訳です。
左翼には「加入戦術」というものがあり、勢力がマイノリティで同志を増やせない場合に「他の団体の内部に構成員を入会させ、次第に内部で勢力を広げ最終的にその組織を乗っ取る」という手法があります。
住民団体や住民運動に対しての「加入戦術」はむしろポピュラーとも言えるもので、住民運動がいつのまにか左翼活動家の巣窟になる例は枚挙にいとまがありません。
この鴻巣市議会令和2年12月定例会11月30日議請4号「笠原小学校の存続に関する請願書」についてはその6まで記事を続けたいと思います。
旧笠原小学校校舎での「近代麻雀撮影会」をキャンセルに動いた勢力が、過去にも「虚偽と誇張」に溢れた「事実無根」の主張で運動を扇動していた姿を引き続き検証したいと思います。
では。
(※文中の鴻巣市議会議事録については「鴻巣市議会令和2年12月定例会第6日議事録」よりの引用です。)