島田秀平さんの不可解な怪談・広尾のキツネバー
島田秀平さんが語る不可解な怪談で興味深いのが、狐のお面が飾ってあるという「広尾の不可解なバー」の話です。これは島田さんが知り合いの女優さんから聞いた話しとされます。
「広尾の不可解なバー」の話
女優さんがお世話になっている演出家の男性が体験した話です。その演出家には仲の良い友達(男1人・女1人)がおりまして、ご年配の親友3人組で仲良くしていたそうです。
その男友達の一人が不治の病に罹り先は長く無いと医者から余命宣告をされました。「元気なうちに好きな事を色々やろう!「「(余命宣告された友達の)やりたいことをなるべく叶えてあげるから!何かしたいことはある?」などと3人で話していたそうです。
その話の流れで20年か30年前から気なっているバーがあると言うのです。じゃあそこに3人で行ってみよう!とその日の夜に東京広尾の明治通り沿いにあるという気になるバーに行ったそうです。
そのバーは簡素なお店で、4人掛けくらいのカウンターがあって、奥にはお酒がずらっと並んでいる。一つ変わっているのが、壁に狐のお面が一つ掛かっている点です。
カウンターにはスーツをびっしと着た綺麗な女性のバーテンダーが居て、3人はお酒を注文しました。
余命宣告された友人は死を前にして突如霊感に目覚めたそうで、その第六感的が働いたのかこのバーはなんだか気持ちが悪い感じがして、やばいから早く出ようと言ったそうです。演出家の方は何も感じなかったそうですが、霊感がある女友達もやばい、やばい、早く出ようと言い出しました。
そして何だか分からないけど霊感がある二人は狐に化かされている感覚がしたそうです。
決定的におかしかったのが、女性のバーテンダーがお酒を作るためにくるっと後ろを向いたときです。3人はびっくりしました。服を着ているのは体の前面のみで、後ろ姿は裸だったのです。
「おぼっちゃまくん」というマンガに出てくるびんぼっちゃまというキャラクターのように、布で隠されてるのは体の前の部分だけで、後ろはまったく隠れていないという状況です。
霊感がない演出家からすると、綺麗な女性の後ろ姿が裸で最高じゃん!と思ったそうですが、やばいやばいと二人が騒ぐのでそそくさと店を出たと言います。
後日、もう一度行ってみたいと思った演出家が狐のお面が飾られてある広尾のバーを訪れたところ、そこにはバーはなくあるのはボロボロの民家だけ。それも人が住んでいたそうです。
この話を聞いた島田さんもそのバーがあるいう場所を見に行ったところ、そこは地元で有名な廃屋にもみえる古民家があるだけでした。地元の人に聞き込みをすると、古民家はもうすぐ取り壊されて、次はバーができるという話だったそうです。
明治通り沿い、広尾にある古民家解体
広尾の不可解なバーがあったという場所は恵比寿新聞でも取り上げられ、最近取り壊された古民家ではないかと噂されます。
新聞記事によると古民家には石井さんという男性が姉と二人で住んでおり、以前は帽子屋を経営されていたそうで(二人は既に死去)。二人を気に掛けていた石川さんという方(新聞でインタビューに答えています)は、数十年前に古民家のお隣でバーを経営されていたそうです。
石川さんが経営されていたバーが島田秀平さんの怪談に出てくる不可解なバー、通称キツネバーの正体なのか、もしくは今後古民家の跡地にできるという未来のバーがキツネバーなのか謎が深まります。
石川さんが経営していたバーは2000年頃までは存在していたそうですから、演出家さんの友達が気に掛けていたバーである可能性は十分考えられます。
ただ話の内容的に狐に化かされた感がありますので、もしかするとタイムリープなどで3人は未来のバーに行ったのかも知れません。