20枚目。いくつになっても。
脳トレのプリントと 外ばかり見てる俺
4人部屋の上の空 届かない夢を見てる
やり場のない 気持ちの 扉やぶりたい
居室の裏 菓子を渡して 見つかれば逃げ場もない
車イスでかたまり 背を向けながら
心のひとつも解りあえない 職員たちをにらむ
そして利用者たちは今夜 家出の計画を立てる
とにかくもう この施設には帰りたくない
自分の存在が 何なのかさえ 解らずふるえている
95の夜
盗んだ車イスで 走り出す
行き先も わからぬまま
暗い夜のフロアの中へ
誰にも縛られ たくないと
逃げこんだ この夜に
自由になれた 気がした
95の夜
毎日 介護は忙しいけれど、
できるだけの事をしようと思います。私は。