【本気考察①】ちいかわは○○○から生まれた
漫画『ちいかわ』における数多の謎……
これらの"謎"を1つずつ、出来る限りの根拠を示しつつ考察していく。
今回は「ちいかわ族、出生の謎」について。
周知の通り、「ちいかわ」とは「なんか小さくてかわいいやつ」の略称である。
この種族は「うさぎ」「モモンガ」等の実在する生物がモチーフになっているケースが多いが、「栗まんじゅう」という人工の食物がモチーフになっているケースもある。
このことから読み取れるのは、この漫画における大きなテーマである「食」と「生」の連なりの強調である。
ちいかわ族の周囲には、もはや「不自然」と言えるほどに食物があふれかえっている。
そしてちいかわ族自身もまた、捕食されうる存在である。
このことを踏まえた上で、明らかに登場シーンが不自然であったキャラクターが一体いる。
※おそらく、この「カニ」が今回の考察のカギを握っている(記事後半に再度登場する)。
"こういうふうになってくらしたい"
彼らの暮らしぶりを見ると、人間に近いスタイルで生活する者と、自然の中で生活する者とに分けることができる。
「食」への関心は双方にさほど違いはないように見えるが、同種族でありながら「生活」のスタイルに大きな違いが見られる。
身体
ちいかわ族の身体は、その名の通り小さくてかわいい。
だが、最大の特徴として、ちいかわ族は何らかの要因により「キメラ化」してしまうことが判明している。
「キメラ化」については次回以降に解説するとして、その前にちいかわ族共通の特徴として挙げておきたいのが、「寄生」である。
寄生
ちいかわ族はキノコに寄生されやすいことが判明している。キノコは身体の栄養を吸い続け、やがてちいかわ族の身体よりも大きく成長してしまう。
"キノコに寄生されやすい身体"とは、なんとも自然的である。加えてその処理方法が原始的であることから、おそらくは鎧さん(人間)側の関与はないものと思われる。
このことから、全てのちいかわ族のルーツが自然にあるであろうことがうかがえる。当然といえば当然だが、それはつまり人間的な生活スタイルのちいかわ族よりも、自然に生きるちいかわ族が本質に近いことを意味する。
そして『ちいかわ』の世界において、キノコは異常に多く登場する。ちいかわ族とキノコは密接な関係にある可能性が高い。
キノコという名は、倒木や切り株などによく発生したことから「木の子」と呼ばれたことに由来する。キノコとは木の子供のことなのだ。
ちいかわ族の身体を欲していた山姥が持っていたのは……
ちいかわは木の子である
木の子供と聞いてまず思い浮かぶのは、木の実である。
そして『ちいかわ』に数多く登場する木の実の中でも印象的なのは「どんぐり」である。
うさぎが案内してくれた洞窟は、その狭さからして、鎧さんが通れない、関与できない場所であることがわかる。なおかつ、ここに入るには「どんぐり」の殻斗を「被る」必要がある。これは同族の証(すなわち「木の子供」)であることを強調させているのではないだろうか。
ちいかわ族にはそれぞれ異なるモチーフがあるが、「どんぐり」の殻斗を「被る」ことで「どんぐり」として認知される可能性がある。
モブのちいかわ族が、蟹の被り物を着けて初めて「カニ」と認識されたように。
それは同時に自身が「自然」に身をおく(おきたい)存在であること、人間社会と距離をおく(おきたい)ことをも示していると言える。
現にうさぎが案内した洞窟は、人間が立ち入ることができないため、「お酒」も飲み放題である。
「仲良くしすぎだ」と叱られながらも、ちいかわ族に優しく接する鎧さんのポシェットの中には……
何より、『ちいかわ』の世界は、「街」よりも「森」が占めているのだ。
ちいかわは「木の子」である。
たくさんのちいかわ族が住む世界は、まさに「木の子の山」である。
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