#21『ほんとにあった夢十夜②』
こんな夢を見た。
ある夏の日の夜のことである。気が付くと私は肝試しの準備をするために、真っ暗な土手の上を歩いていた。この場にいるのは私だけではない。農道と土手を結ぶコンクリートの階段を、帽子を被った幽霊達が昇り降りしている。どうやらこの肝試しのミッションは、この帽子幽霊に触ることらしい。
私が階段の下見をしていると、いつの間にか本番が始まってしまっていた。早く退かなくでは参加者に迷惑が掛かってしまう。私は急いで階段を降り、田畑の方へと向かった。その最中、すれ違う人々が皆