内山 多様な関係の創造 1994年および1998年の東北農家の勉強会の記録
1994年および1998年の東北農家の勉強会の記録
農民とは、そうした地域の全自然体系を上手に利用する技をもった人のことでもあり、この自然体系を活用するなかに一年の労働体系をつくりだしていた多職の民であったのです。
日本の伝統的な家には 「居住空間」、「仕事空間」、「接客空間」の三つの空間がそろっていた。居間、土間そして客間である。現在の家は「個」の生活を閉じ込めるだけの場所であり家としての空間を持っていない。
自然価値思想から「富」と「地域社会」を考える
貨幣量で測られる経済的価値でなく、農業がつくりだすような使用価値(人間の暮らしにとって有用な価値)。この使用価値をつくる労働を支えていく地域的な、あるいは都市と農山村との結びつきをつくだいしていくことの重要性。
農民的な精神の習慣の回復
地域の自然体系を上手に利用していく営みとともにある精神のことであり、生活、労働、接客が一体となった存在とともにある精神でもあり、自然も地域社会も永遠に継承され、循環していく流れを大事にしていく人間のあり方とともにある精神でもあります。
1. 勤勉が富と名声に結びつく19世紀アメリカ社会の自由
2. ヨーロッパ社会を成立させている3つの階級
3. 修業と貢献 日本における労働に対する精神の習慣
広義の労働 その行為を通してなにかを作りだされ、その基礎では何かを作り出すための関係が創造・再生産されていくような労働
今日では狭義の労働が労働として捉えられている。その結果、生活、労働、接客の一体性が失われたし、非労働世界がうまれた。
「理想の秩序」の議論でなく、「多様な関係の創造」を
ヨーロッパ思想とアジア思想 根源的に取り巻く自然が異なることを認識すべき
私はこれからは、農業に限らず、どんな分野でも、商品を半商品に変えていく関係づくりをしていった方が面白いと思っています。そのことによって、暴力的な力を持っている今日の市場経済を、内部から空洞化させていくことが出来たら、私たちは今日の市場経済の支配から大分自由になることができるでしょう。
日本という観念を庶民がもつようになったのは明治以降。自然としう言葉は明治30年代。
時間の消費者から時間の創造者へ
歴史に発展という概念は成立しない
近代的な思想的合意を捨て、新しい思想の形成を
身体だ、精神だ、統一性だという思考のしかた自体が、欧米ローカルの発想であり、それ以上のものではないと私は思っています。
思想は「場所」とともの展開する、本質的にローカルなものだ。
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