ツインレイ〜30年のサイレントを超えて〜
1 胸の痛み
あの時の胸の痛みは、一体なんだったのだろう?
今まで感じたことがない、胸にナイフが突き刺さったような痛み。
もう30年以上も前のことなのに、
どうして私は、彼を忘れることができないのだろうか?
私は、ヨーロッパの田舎町で、
夫と子供達の4人家族で暮らしていました。
子供が成長して、家を出てしまい、
有り余る時間を弄び、
ネット配信の恋愛ドラマを見始め、夢中になりました。
50代の私が、30代ヒロインのラブストーリーに
胸がきゅんきゅんするなんて、
自分でもおかしいと思いつつも、
恋する気持ちこそ、生きる活力だと、
思う自分がいました。
私にはもう、あのドラマみたいに、
恋することなんてないのだろうなと思うと、
寂しさを覚えつつ、
恋愛ドラマを見れば見るほど、
脳は活性化されて、
私の脳はどんどん恋愛脳になっていきました。
そして私は、いつしか、
ずっと胸の奥に眠っている、
忘れられない彼のことを
思い出すようになりました。
その忘れられない彼のことを思い出しながら、
彼との思い出をブログに綴り始めました。
2 忘れられない彼
彼との出会いは、大学に入学した直後でした。
友達に誘われて入ったテニスサークルに、
彼がいました。
彼と彼の友達は、他の学部から参加していて、
ほとんど顔見知りの、
私の学部で作られたサークルでは、
彼と彼の友達はちょっと浮いた存在のように見えました。
2人ともシャイで、おとなしい感じ。
なんとか2人をみんなの輪の中に入れてあげたいという
お節介心が芽生えて、
私は2人に積極的に話しかけました。
どんどん打ち解けて、
仲良くなり、
彼を通じて、彼と同じ学部の人達と交流するのも、
おもしろそうだと思った私は、
彼の学部の友達を誘って、
私の学部の女友達と
交流会をしないかと、
彼に話しを持ちかけてみました。
交流会とはいえ、
大勢で出かけて、ワイワイガヤガヤ楽しもう!
というもので、
大学近くの巨大迷路に男女12人で
行くことが決まりました。
その頃の私は、今までの自分の殻を破り、
シャイな性格を変えて、
社交的な人間へと変化していきました。
3年間女子校に通った後、
1年浪人して、やっと迎えた春。
まさに青春の今を思いきり楽しみたい!
そういう気持ちが強く、
人との出会いが楽しくて、
積極的に人との出会いを求めていきました。
とにかく大人数なので、
日程や時間の調整のため、
連絡係の彼に何度も電話して、
やり取りをしていきました。
ほとんど業務連絡のように、
要件を伝えたら、
じゃあ、また、と
電話を切るのですが、
ある日、いつものように要件を言って、
電話を切ろうとすると、
ええ〜?もう電話を切っちゃうの?
本当は俺のことが好きなんでしょう?
俺のことが好きだから、電話してくるんでしょう?と彼。
シャイな性格かと思っていたのに、
キャラが違う?
動揺した私は、慌てて言い返しました。
違うよ…
本当に用事があって、
電話してるだけ…
心はドキドキ、胸バクバク。
何言ってるの?
勘違いされたのが悔しいやら、
キャラが違っていたショックやらで、
もう感情がごちゃごちゃ。
次に彼に会ったら、ちゃんと弁解しよう!
そう心に決めて、自分を落ち着かせました。
3 混乱する私
その後数週間、彼がサークルに姿を見せなかったので、
弁解するチャンスを逃してしまい、
そのまま時間が過ぎて、
サークルの夏合宿の日が近づいてきました。
彼と彼の友達もその合宿に参加するのがわかり、
その時に彼と話すチャンスがあることに期待しました。
その頃から、彼のことが気になりだしました。
頭の中でくりかえされるあの会話。
本当は俺のことが好きだから、電話してくるんでしょう?
その度に、違う、違うよって、
否定するのですが、
でも、それがいつしか、
彼から魔法をかけられたように、
え?そうだったの、私?と思うようになり、
彼のことが気になりだしました。
誰かを好きになる、という経験は、
小学生以来だっただろうか?
中学は私の暗黒時代で、ずっと地味に過ごし、
高校は女子校なので、男子と関わることのない3年間を過ごし、
予備校はもちろん、勉強一色でした。
錆びついた心が、ゆっくりと羽を広げようとしている、
そんな感覚に襲われました。
4 星の夜
サークルの夏合宿は、北軽井沢。
朝食の後、午前中はテニスの練習。
日中はとても暑くて、テニスどころではありません。
夕方まで木陰で涼み、
みんなで夕食のカレーを作った後、
飲み会が始まりました。
私のテーブルに彼と友達が現れました。
ところがすぐに、みんなで外に散歩に出ることになり、
私は玄関のドアを開いて、友達を先に通し、
彼が来るのを待ちました。
ちょっといたずら心が芽生えて、
彼の姿が見えたところで、
ドアを閉めて、
外側からドアを押さえつけました。
あれ?ドアが開かない。
彼の声が聞こえて、私はクスクス笑い、
押さえつけていたドアを離すと、
ドアを押さえていたのは、私よ〜と言わんばかりに、
ドアから出てきた彼に、
にんまり微笑みました。
ドアの横には明かりが灯されていたものの、
その先を見ると、暗闇が広がりました。
不意に空を見上げると、
瞬く美しい星が夜空一面に広がり、
思わず、私は、
わあ〜、星がきれい、と声にしました。
その声に彼が反応して、
彼も星を見上げました。
私はそれを確認すると、
先に歩く友達に追いつこうと
早足で歩き、
その後ろを友達と歩く、彼の話し声が聞こえました。
とても幸せに、感じました。
ハートが喜んでる。
彼という存在がいることが嬉しい。
それをはっきり感じた私は、
あ!私は彼が好きなんだ、と
確信したのでした。
4 三角関係
あの星の夜に、
彼が好きだと確信した私。
もうすぐ、交流会の日がやってくるのに、
どうしよう、彼の前で平静でいられるかな?
朝起きて、すぐに彼のことが頭に浮かびました。
今日、会えるかな?
胸がドキドキして、
踊り出すような気持ちを抑える自分が
おかしくもあり、
恋してる自分が可愛く思えました。
恋するって、こういうことなんだ。
心が浮き立って、そわそわして、
なんだか、落ち着かない。
落ち着け、私。
でも、いくら落ち着こうと思っても、
無駄な抵抗でした。
そんなある日。
仲のいい友達の一人が、
私、杉原くんのことが好き!と
女子グループの前で、告白。
私の頭の中は、真っ白になりました。
先を越されてしまった、というか、
私はそもそも人に言うつもりはなかったけれど、
友達がみんなの前で告白したので、
私はもう彼に、私の気持ちを伝えることが
できなくなってしまいました。
友達の気持ちを無視して、
彼に告白でもしたら、
他の友達から批判されて、
ひどい状況に自分が陥るのではないかという
恐怖を感じました。
その友達もサークルの後に、
彼と一緒に帰る仲間の一人なので、
そこで彼と話して、
彼のことが好きになったのかもしれません。
イケナイ三角形。
私は、どうすればいいの?
5 交流会
交流会の日になりました。
私が仕切り役なので、
交流会を成功させるために、
彼や友達のことは、ひとまず置いといて、
みんなから楽しかったと言われるように、
そのことだけに集中しました。
男子グループには、初めて顔を合わす人も
何人かいて、
そのうちの一人を、
私は最初見た時から苦手でした。
声が大きくて、自信過剰、
いわゆるオラオラ系の男子。
くじでペアを組んで、
どのペアが最初に巨大迷路を先に出るかを
競うことになりました。
どうか、
あのオラオラ系男子とペアを組みませんように。
彼とペアを組めますように。
そんな祈りは天に届かず、
私はそのオラオラ系男子とペアを組むことになり、
彼が誰とペアを組むのか、私はとても気になりました。
どうか、彼があの友達と組みませんように。
その願いだけは天に届いたようで、
ホッとしました。
競争心旺盛なオラオラ系男子に手を引っ張られて、
あっという間にゴール。
ぜんぜん、楽しめませんでした。
だいぶ間を置いてから、
次から次へとゴールするペア達の中、
彼の姿がまだ見当たりません。
どうしたんだろう?ソワソワする私。
やっと彼の姿が見えて、ホッとしました。
その後、バイトに行く人達がいたので、
その場で解散することに。
すると、例の友達が私に、
杉原くんは、今日、車で来てるんだって。
家まで送ってもらおうよ、と言ってきました。
私と方向が違うし、家が遠くて悪いから、
私は遠慮するね、と
断ったものの、
友達がかなり強引に勧めてきました。
なぜ、そこまで、
彼に車で送ってもらうことに
こだわるのだろう?と不思議に思っていたら、
ふと、ある素晴らしい考えがひらめきました。
友達を先に家に送れば、
その後、私と彼は二人きりになれる!
それでは、
送ってもらおうかな?と友達に伝えると、
友達は大喜びして、
彼に家まで送ってもらえるように
頼みました。
彼から、オーケーと言われ、
3ドアの彼の車に乗り込む前に、
私を送ってもらうのは後でいいから、
お先にどうぞ、と友達を後部座席を勧めたら、
友達は、
私は後でいいから、先に乗ってと、
後部座席に座るように言われてしまいました。
私の作戦が失敗に終わり、
友達は嬉しそうに助手席に座りました。
車の中で、表には出せませんでしたが、
心の中は絶望感いっぱいで、
黙りこくりました。
そして、不安に襲われました。
私が降りた後、
彼と友達は二人きりになってしまい、
もしかしたら、
友達が彼に告白して、
付き合うことになってしまうかも?
そんなの絶対に嫌。
でも、どうすることもできません。
今、ここで降りて、
電車で家まで帰りたい。
心の中でひどく動揺して、葛藤して、
沈黙してる私に気づいた友達が、
助手席から私に顔を向け、
静かだけど、大丈夫?と話しかけました。
(大丈夫じゃないけれど)大丈夫。
ちょっと緊張してるのかもと
私はそっけなく答えました。
彼は運転に集中していて、
ほとんど話すことはなく、
友達がたまに彼に話しかけたり
していました。
私の家に着き、車から降りた私は、
車の中にいる彼の横に立ち、
お礼を言い、
友達には、
家に着いたら、
(心配だから)電話してねと言って、
じゃあ、気をつけてねと
二人を見送りました。
家に帰ると時計ばかりが気になり、
もう、30分。今、どの辺だろう?
1時間たった。もうすぐ家かな?
1時間半が過ぎて、
まだ友達から電話が来ない。
イライラ、ソワソワしながら、
忍耐強く待ってると、
もうすぐ2時間というところで、
友達から無事に着いたという電話をもらいました。
杉原くんがもう道に迷っちゃって、
なかなか私の家を探せなかったの。
1時間くらいウロウロして、
今やっと家に辿り着いたの〜。
はあ〜、そうだったのね。
でも、友達は疲れのせいか、
いつもよりも口数が少ないことが、
気になりました。
もしかしたら、二人の間に
何かあったのかも?
その夜、頭の中がぐるぐると回り、
眠れぬ夜を過ごしました。
6 冷たい態度
彼とはその後も、交流会の連絡という名目で、
電話をかけて、話しをしました。
彼のことが知りたい。
前カノの事やバイト、日常生活のことまで、
私はランダムに彼に質問していきました。
彼の方もまんざらでないようで、
どんなくだらない質問でも、
まじめに答えてくれました。
彼は、不思議な人で、
初めて会った時からなぜか、
男子に免疫のない私のガードを外す、
安心できる人。
私の心に、スッと入ってこれる特別な存在。
彼を好きになってから、
彼こそが私の理想のタイプそのもので、
彼は完璧な存在でした。
ある日、彼と彼の友達の会話が聞こえてきました。
ある女の子の名前が出てきて、
彼の友達が彼を冷やかしてる感じです。
もしかしたら、好きな人ができたの?
彼女でもできたの?
何度も繰り返される女子の名前。
私は、きっとそうなのだと思い、
心が苦しくなり、
私の恋の終わりを感じました。
それから何度も電話で彼と話していくうちに、
沈黙が続き、
彼の態度が変わったことに気がつきました。
私から電話されるのが、嫌なのだろうか?
私とはもう、話したくないのだろうか?
彼に電話するたびに、
私の胸が苦しくなっていき、
何度も迷いながら、
また電話して、
でも、彼からの迷惑だと思う気持ちが
なんだか伝わってきて、
ある日、電話をすることをやめて、
交流会も終わらせることに決めました。
こんなに心が苦しくて、
自分が惨めで、情けなくて、
最低な自分をどうすればいいのか
わからず、
だいぶ長い時間悩み苦しんだ後、
彼から想われなくても、
私は、これからも彼をずっと、
想い続けることに
決めました。
その後、いくつかの出会いがあり、
数人から告白もされましたが、
私のハートがまったく動きませんでした。
結局、大学4年間、
彼を想い続けました。
7 彼からの卒業
大学卒業が近づき、
大学4年間中、
まともに彼と会えたのは、
最初の1年間くらいで、
その後、彼とほとんど会うことが
なかったものの、
大学に行けば、
大学構内で、いつか会えるのでないか?という
かすかな期待がありましたが、
でも、卒業した後、
彼との繋がりは永遠に消えてしまい、
もう二度と彼に会うことがなくなると
思うと、
もうこの長い片思いに
区切りをつけなくてはいけないという思いが
強くなりました。
そんな矢先、
大学卒業前に、
バイト先の、別の大学に通う人から、
告白されました。
もう、先に進まなければいけない。
そう自分に言い聞かせて、
彼から卒業するために、
彼を忘れるために、
他の人と付き合うことにしました。
卒業式で、数年ぶりに再会した彼。
久しぶりに見た彼。
あまり目で追ってはいけないと思いつつ、
どうしても、目線の先に見える彼が、
とても愛おしくて、でも、とても遠い存在で、
でも心の中で、自分に言い聞かせました。
彼と会うのは、今日で最後。
さあ、4年間の片思いにさよならして。
勇気を出して、
最後に彼と一緒に写真を撮ってきなさい。
自分で自分の背中を押す形で、
彼に歩み寄りました。
記念に一緒に写真を撮ってもいい?
一度だけ、どうしても
彼に電話したくなって、
電話したことがありました。
あれは、大学3年生の時だったか、
今ではよく思い出せませんが、
彼から、はっきりと
専門学校に通う、
彼女の存在を聞いたことがありました。
その前にも、
彼から、好きな子がいるという話しを
聞いたことがあったと思うのですが、
きっと受け入れられなくて、
忘れたのだと思います。
最後の電話で、
彼女の存在を知った時、
彼の態度が今までになく、
冷たく感じられて、
だから、前にも話したよね?
彼女がいるって。
どこの学校?
専門学校に通ってる子。
専門学校に通う子なんて、
どこがいいの?
思わず、動揺してしまい、
口に出して、
すぐに反省しました。
その後、会話にならなくて、
私が一方的に電話を切ったことを
かすかに覚えています。
バツの悪い会話の終わり方でした。
それから疎遠状態が続き、
彼と卒業式で久しぶりに顔を合わせて、
記念写真をお願いするのは、
けっこう勇気がいることでした。
一緒に写真を撮ってもらい、
彼にお礼を言いました。
これで、あなたをあきらめる。
私には彼氏がいて、
あなたには彼女がいる。
学生時代が終わり、
私と彼はそれぞれ新しい道へ向かう今、
彼とのことはもう、
終わったことだと
受け入れるしかありませんでした。
8 出会いと別れを繰り返して
彼と最後に会った、
大学の卒業式から、
30年近い年月が過ぎました。
その間、3人の人との出会いがありました。
どんな時でも彼のことを一度も忘れたことはなく、
出会いがある度に、
彼と比べてしまう私がいました。
そして、彼以上の人に出会うことは
ありませんでした。
彼を忘れるために付き合った、
最初の彼氏は、
いつもお金の問題を抱えていて、
私も巻き込まれて、
精神的に追いつめられました。
そこで、生まれて初めて、
お金の苦労を味わいました。
お金の苦労以外にも、
嘘とギャンブル癖にも苦しめられました。
自分の弱さである、
情に流されるところを
嫌というほど思い知らされ、
断ち切るのに、
7年かかりました。
とても辛い経験でした。
そして、次に出会った人は、
お互いの孤独や寂しさを埋め合うだけの
相手だったので、
1年未満の短いお付き合いで終わりました。
3人目の彼氏であり、結婚して夫となった人は、
私が海外に留学中に出会いました。
夫から一目惚れされて、
付き合うことになり、
出会ってから結婚まで、
1年というスピード婚でした。
結婚して子供をすぐに授かり、
そこから私は、母として、そして妻としての人生を
一生懸命に歩んできました。
夫とは良い子育てのパートナーでしたが、
子育てが一段落してしまうと、
夫との未来が見えなくなりました。
今まで我慢していた夫や夫の家族への不満や
海外暮らしで抱えてきたストレスが、
湧き上がってきて、
内に収めることができなくなって
しまいました。
それと同時に、
海外で、外国人として生きてきて、
自己をなくした自分に気がつきました。
このままで人生を終わりたくない。
これからの人生は、
自分ファーストとして、
自分の思いのままに生きていきたい。
そう奮い立った私は、
20年続いた結婚生活を終わりにして、
日本へ帰ることを決心しました。
10 彼との思い出が蘇る
自分を取り戻すために、
離婚を決めた後、
過去の自分を振り返るブログを
書き始めました。
そして、
ブログには、
彼との思い出を、綴りました。
彼との出会いを書き始めたら、
心が躍り、
あの頃の自分の恋心を思い出しました。
あれほど好きだった彼。
ブログに彼とのことを綴っていくうちに、
彼から電話で冷たくされたことを
まるで昨日のことのように
思い出してしまい、
胸に鋭い痛みを覚えました。
激しい痛みやショックで体が動かなくなり、
もうこれ以上は辛すぎて書けない、と
うずくまりました。
もう30年前のことなのに、
どうして、今でもこうなの?
なぜ、私は変わらないの?
こんな気持ちはもう嫌だ。
もう終わりにしたい。
自分の心が悲鳴をあげています。
一体どうすれば、忘れられるの?
私の執念なのだろうか?
私の執念ならば、
私ってなんてしつこい女なのだろう?
私って、最低の人間。
私は自分を嫌い、
どこかへ消えてしまいたくなりました。
しばらく苦しい時間が流れ、
これではいけない、と考え直し、
私は、彼との関係性をはっきりさせようと
思いました。
私と彼とは、前世で何か繋がってるはず。
私の執念なんかじゃない。
それを証明させたい。(って誰に?)
11 ツインレイって?
その頃、エンジェルナンバーというゾロ目を
よく見るようになり、
ネットでその数字からのメッセージが
何なのかを調べてると、
ツインレイという文字に目が止まりました。
なんだろう?
初めて聞いたけれど、なんだか素敵な響き。
ツインレイについて、
調べていくうちに、
ツインレイが、魂の片割れということがわかりました。
初めて会った時に、懐かしい気持ちがするとか、
忘れられない相手とか、
いろいろと項目がある中で、
忘れられない相手がツインレイならば、
もしかしたら、彼がツインレイなのかもしれない、
嬉しさで、心が躍るような胸の高まりを感じましたが、
ツインレイについて、
調べれば調べるほどに、
彼がツインレイだという確証が遠のいていきました。
なぜならば、ツインレイとは、
お互いに気持ちが通い合った後、
サイレントという分離期間があり、
その分離期間に、
お互いにそれぞれ与えられた
学びをすることになり、
その学びが終わると、
再び出会って、
無償の愛という学びを一緒にしていくと、
何かに書かれていました。
彼とは、お互いに気持ちが通じ合うこともなく、
私の一方的な片思いだったから、
彼がツインレイのはずはないなと
がくりと肩を落としました。
ネットの無料ツインレイ鑑定で、
お互いの生年月日と血液型を入力して、
ツインレイ度がどのくらいかを
鑑定することができるサイトを見つけ、
やってみると、
彼とのツインレイ度が93%でした。
もしかしたら、やっぱりその可能性もあるの?
そんな気持ちが抑えきれず、
お金を払って、ちゃんと鑑定してもらうことに
決めました。
ネットでいくつか探しましたが、
料金が安いと信憑性も低そうだし、
自分が絶対に納得できる人に頼みたいと思い、
探してみました。
ツインレイをテーマにしたユーチューブがあり、
ある一人のユーチュバーの言葉が
私の心を揺るがし、
あ!この人に鑑定してもらおうと直感で決めて、
すぐに鑑定を申し込みました。
12 奇跡の鑑定結果
私はただ、
彼との前世においての関係性を知りたくて、
自分の執念ではないことを証明したくて、
ツインレイかどうかは、どうでもよく、
むしろ、知りたくないと思っていました。
まず、前世での関係を見てもらいました。
やはり彼とは、前世で出会ってました。
身分の違いから、
叶わぬ恋で終わった二人だったと
聞かされた時は、
彼への想いが、
自分の執念ではなかったことが確認できて、
その安心した気持ちから、
体全体の力が抜けてしまいました。
頭の中が空っぽで、ぼーっとしていると、
鑑定士から、彼がツインレイかどうかも
知りたいですよね?と聞かれました。
ああ、そうだった。
そっちがメインだったけど、
あまり知りたくないなというのが
正直な気持ちでした。
彼があなたのツインレイだと思いますか?と聞かれ、
私が思ってることについて、
率直に鑑定士に話しました。
私は、最初は彼が忘れられない相手だから、
彼がツインレイかと思いましたが、
ツインレイについて調べていくうちに、
違うことがわかりましたと
続けて、
ツインレイなら、両思いで始まるけれど、
私の一方的な片思いだったので、
彼がツインレイではないと
自分でもわかっていますと
答えました。
すると、鑑定士から、
彼はあなたのツインレイですよ、と
信じられない奇跡のような言葉を
聞きました。
え?でも、私の片思いだったのですよ、と
鑑定士の言葉を聞き入れることができません。
彼は、あなたを最初に見た時から、
あなたのことが好きでした。
彼の魂は、あなたのことを深く愛してます。
もっと信じられない言葉が、
次から次へと私の耳に入ってきます。
私は突然、涙が溢れ出てきました。
どうしようもなく、涙が溢れ出てきて、
止まりません。
やっと鑑定士の言葉を受け入れられた時、
私の人生って、そういうことだったんだ、と
納得する自分がいて、
肩の力が抜け落ち、
なんとも言えない脱力感。
13 彼との再会を前に
結婚生活を終わらせて、
日本へ帰り、
自分を取り戻すことを
決めた矢先に、
天からご褒美が降りてきました。
でも、その前に、
私にはまだやり残したことが、いくつかありました。
自己を見つめ、自分の弱さを知り、
克服することや
エゴを手放し、
今までの怒りや不満を浄化させ、
感謝の気持ちに切り替えること。
そして、それらを終えた時に、
私は結婚生活を終えて、
日本へ帰ることになりました。
彼がツインレイだとわかり、
日本へ帰るまでの期間は、
魂の学びの相手である夫を通して、
たくさん学んだことを思い出し、
自己を見つめ、
時には、
毎日が修行のようで、
とてもつらくて、
精神的にもかなり参りましたが、
日本に帰れば彼が待っているという
モチベーションだけを頼りに、
なんとか乗り越えることができました。
19 彼との再会
日本へ帰る1か月前に、
彼から連絡がありました。
30年ぶりです。
本当に彼が、
私のツインレイだと
実感しました。
30年間という長い空白が
まるでなかったかのように、
自然に会話が始まり、
私達は毎日のように連絡を取り合い、
お互いの状況を語り合いました。
不思議なことに、
私の人生は、海外に移り住んだりして、
波乱万丈だったけど、
彼の人生はうまくいってると思い込んでいました。
例の彼女と結婚して、子供が生まれて、
幸せに暮らしてるのだろうと、思っていました。
ところが、
彼もあの後、
何度も出会いと別れを繰り返し、
幸せとは言えない状況の中、
学生時代を思い出して、
SNSで私を見つけて、
私に連絡してきたのでした。
私が辛くて苦しい時に、
彼も似たような経験をしていて、
笑ってしまうほど、共通点が多すぎて、
お互いこそが、
世界で唯一分かり合える相手だと、
納得してしまうのでした。
彼と再会する前に、
彼に会ったら絶対に伝えようと思ってることが
ありました。
それは、
どんなあなたでも、
私は逃げずに側にいて、
あなたを必ず受け止めて、
受け入れるから、
あなたも、
どんな私でも、
逃げずに、
私の側にいて、
私を受け止めて、
受け入れてほしい。
そして、
私と彼は、
長い30年間のサイレントを終えて、
再会を果たし、
今度は二人で共に、
無償の愛を学ぶ世界へと
飛び立つのでした。
終わり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?