FF14 黄金のレガシー 楽しめた人間の感想



ストーリー感想:開始~王位継承

本作ストーリーの一番おいしい部分。
王位に興味のない1人の若い王族が旅を経て王族としての自覚を持ち、それに相応しく成長するシンプルな少年漫画展開でとても良かったなと思います。

王位争奪戦がストーリーの発端なのに、序盤ウクラマト組の王位への興味なさが良いなーと自分は思ってて、本人はイマイチ兄二人を降す気がないしヒカセンら傭兵組も黄金郷や家族の足取り目当てだったりで他3組と比べると露骨にヤル気ないな~~って感じ。
そんな彼女が自国民とその文化を知っていく度に自国の解決されていない問題を知り、王位の重要性を理解して大人になっていくのが堪りませんね。ヒカセンもソレに呼応するように後方腕組前作主人公ヅラが増していく。世界を救った英雄が余生を若者育成で過ごすの…いいですよね。

よく彼女が王族の割に自国事情に疎すぎるというツッコミを聞きますが、トラル大陸=アメリカ大陸級の広さの国事情を王位を得る事に興味&自信のないお姫様が把握してないってのは十分に納得できるかな。
そんな程度だった彼女が自国民と真剣に向かい合えるようになるのが良い。

ウクラマト以外のキャラに関しては以下に箇条書き。

・コーナ
キャラクターにもっとアクが欲しかったものの、サンクレッドとウリエンジェの人生経験から滲み出る男説教は味があって良きでした。

・バクージャジャ
ヴァリガルマンダは他三組が大事になる前に片づけてくれて、悪い奴に悲しき過去あり的な故郷の問題もウクラマト&コーナ組が解決してくれて改心して何やかんや良いポジションにつくという豪運の持ち主。もろもろ含めて黄金で一番デキがいいキャラクター。

・ゾラージャ
コミュ障鳩尾ワンパンおにいちゃん。

ストーリー感想:荒野散歩

荒野でのエレンヴィルとの二人旅……なのだが。
好きな人には申し訳ないけど、ここが一番つまらなかった。
その場限りのキャラ達による毒にも薬にもならない勧善懲悪ストーリー。
突然湧いたゴム弾概念。理由付けがあれば良かったが特にないのがひどい。
多分こどもキャラだったから表現に配慮したんだろうけど、それなら大人キャラ出せばいいんじゃないでしょうか…。
とってつけたようなエスティニアン登場。
新生のときのような没個性おつかいで味が無さ過ぎて1回寝落ちした。
多少のエレンヴィル深掘りと第一世界の面影があった以外は虚無。
あ、あと奥さんが原初世界でも亡くなる展開じゃなくてよかった。

ストーリー感想:トライヨラ襲撃~ゾラージャ討滅

そして、連王の名を継いだウクラマトとコーナに襲い来る試練。
ゾラージャによるトライヨラ襲撃。
これは良い展開でしょう。ストーリーのポジティブパワーが登り切ったところで叩き落す。没個性だけど新生~暁月まで散々使い倒されてきた物語構成でありFF14のお家芸です。

んで、グルージャジャがゾラージャによって殺害されてしまうんですが、ここはもうちょっと見せ方考えたほうが良かったのかなと思いましたね。
彼みたいな所謂メンター役って主人公をかばって死ぬだけで輝くんですけど、不意打ちとは言えゾラージャにただ負けて死ぬのはキャラがもったいないなぁと。ストーリーもコンテンツもテンプレート構成で良くも悪くも安打製造機なのが最近のFF14だったのに急に基本を外してくるからビックリしました。

どうあれ一連の出来事は明るくポジティブで二の足を踏まず行動できるウクラマトというキャラクターに必要な試練であり、しっかりとここでウクラマトは歩みを止めかけてしまいます。が、その背中を押す後方腕組ヒカセン。イイ…。
こうして王位を目指していた青年は、初めて王として行動を起こす。
成長したウクラマトの物語が始まったわけですね。

そして、なんやかんやあってスフェーンが登場しゾラージャのことやらドーム内は30年経っているやら後半の基本設定が明かされます。
このスフェーンというキャラ、かなり思わせぶりな言動を取るので「絶対黒幕だ!」だの「一周回ってヒロインだ!」だの友人とワチャワチャしたんですけど想像を遥かに下回るくらいストーリーに対する影響力のないキャラでガッカリさせられました。ゾラージャと自分で連王だと名乗る割に権限はゾラージャに集中しており、本人ができるのは弱々しく懇願する程度…。
スフェーンからゾラージャに力を与えただろうに全部乗っ取られたのか?と考えいずれ経緯の説明があると待っていたんですが、特になく。
また、ゾラージャが一般兵に妙に慕われている描写があったので親父を殺し兄弟には嫉妬まみれだけど部下の前では王の器なのかな?と思いきや、自分の負けを認められず部下を殺して装備をかっぱらう小物っぷり……。
とにかく後半は全体的に説明というか描写が足りなかったです。
脳内で補完できますけどそれは結局ユーザーの妄想なのでストーリーのなかできちんと描いてほしかった。

というかゾラージャの小物っぷりの加速がすごい!
・小馬鹿にしていたウクラマトに負けて蘇生システムが壊れると逃げる。
・30年もの時間があったのに他人の科学技術でしか強くなった形跡がない。
・破れかぶれになって自国民の魂を奪いまくり強化されたのに簡単に負ける。
序盤のバクージャジャ以下だよお前!!!!!!!!!!!!!!!!
闘いの才能ないよお前!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
お前の才能は争いじゃなくてアルパカ手懐けることだよ!!!!!!!
牧畜業を営んで平和に暮らす道を選ぶ努力しろよ!!!!!!!!!!

ゾラージャは本当に生まれに恵まれただけのコミュ障無敵の人って感じだった。そういう卑屈なキャラは個人的には好きなんですけど、それゆえにもっと描写があればなぁと思います……。
魂パワーで双頭もどきになっても片方の頭足りてないのとか、討滅戦時の技名がコンプレックス丸出しだとか好きな部分は本当に多いです。残念。

グルージャに関しては母親が登場しないこと&アルパカに好かれるゾラージャは本来は気弱で優しい性格だったのでは?という部分から彼のクローンだと思っておりますがこちらも碌な描写がないのでただの妄想です。

ストーリー感想:~エンディング

リビングメモリーでのウクラマトの戦うという判断は王として責任感のある行動だったと思います。ここでウクラマトが甘ちゃんなことを言い出して、いつまでも対話を求め解決方法が他にもあるはずだと言い出さなくて本当によかった。
ギリギリまで対話を持ち掛けるものの、相手が応じず自国民ないし他に被害を出すと言うのであれば対応できる状況にある王が責任をもって戦うべきでしょう。たとえ多くの犠牲が出るとしてもね。

スフェーンは人格を模してるだけで主機能は永久人たちを維持するAIだと受け取ったので特にかわいそうだとか感想はありません。エターナルクイーン状態での機械的な言動が本性でしょう。なので、そういう装置を皆で止めたくらいの感覚です。
また永久人たちも死人の記憶から人格を再現しているだけに見えていたので、これといった感想は持てませんでした。

総合評価

7/10点
友人らと三日かけて「○○は○○だろ!なぁ!?」など推測しながらキャッキャ遊んだこともあり世のヒカセン達よりも評価高めになってます。
本当に前半はかなり好きで楽しめましたが、後半は微妙でした。
とにかく語るべきなのに語らないことが多すぎるかなという印象。
とくにゾラージャ周り。本作唯一の意志ある悪役なのに深掘りなさすぎです。

ストーリー以外の面では音楽もグラフィックも満足のいく出来でした。
7.Xも楽しみです。


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