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「一は全、全は一」

「一は全、全は一」
この言葉を初めて知ったのは、漫画 鋼の錬金術師内のセリフでした。

鋼の錬金術師


ラッパー、シンガーのLUCKDAR(ラクダ)と申します。
YouTubeやApple Music、Spotifyをはじめとしたサブスクにて、音源やMusic Videoを配信しております。


先日、友人の勧めで評判の占い師の方に占っていただく機会がありました。
私の主観ですが、占い師は大きく分けて二種類に分類されると考えます。
ひとつは、霊視やアカシックリーディングなどのスピリチュアルに由来する占い。
そしてもうひとつは、手相や四柱推命、姓名判断など先人が残したデータベースに基づく占い。
私が先日占っていただいた方は後者でした。
歯に衣着せぬ物言いに、やや眉をひそめる場面もありましたが、驚く程に的確な指摘や分析に、感心したことを覚えています。
生年月日から導き出される答えは、私の生きてきた人生を表し、そしてこの先起こるであろうことも、詳細に伝えられました。
私は占いの正確性に感心すると共に、とある概念が頭をよぎりました。
それは「シミュレーション仮説」と呼ばれる理論です。
哲学者ニック・ボストロムが唱えた仮説であり、
我々が生きているこの世界はすべて、シミュレーションの中の出来事であるとする説であります。
私が大好きな映画、「マトリックス」を視聴されたことがある方は、イメージしやすい概念かと思います。

マトリックス(1999年)

この世界は見えないコードによって形作られ、
私たちが日々すれ違う人々、そして私やあなた自身も、そのコードによってパターン化された人生を生きている。
何年何月何日に生まれ、どのような名前を授かり誰として生きるか。
その全てが、誰かの書いたコードによって操られているのだとしたら、人生とは果たしてなんなのかと、途方もない問答に囚われてしまいそうです。
私は音楽活動を始める際、かつて生きてきたレールから"外れた"と自認しました。
安定、安寧を求めた20代前半から、変革、革新に燃えた音楽人生のスタート。
何者でもなかった私が「LUCKDAR」を名乗り、
先の見えない冒険の旅に出発した。
そう思い生きている私のこの人生さえも、誰かの気まぐれの結果なのだとしたら、未来は既に決まっていて、成し遂げたこと、重ねてきた失敗も、
予定調和の一部であったとしたら、生きる意味や目的を見失ってしまいそうです。
ですが、そこで私は別の仮説を立てました。
「この世界を構築するコードは、日々書き換わっている」ということです。
既に答えが決まっているのなら、未来が確定しているのなら、そもそもシミュレーションをする意味や必要がないはずだからです。
恐らくベースとなるコードは存在していて、時折り予測を超えた行動をする個体が、コードを書き換え因果に干渉しているのではないかと考えたのです。
映画マトリックスにおける主人公ネオのような、アノマリー(変則、例外、異例など)的な存在が、劇中同様に、"救世主"として、コードに干渉、書き換えを行っているのではないか。
果たして私はそのアノマリーなのか。
少なくとも現時点においては、そうではないと思います。
では何故私は音楽活動を始めることができ、退屈な人生を変えることができたのか。
それは「身近にアノマリーが存在したか、もしくは間接的にその影響を受けたから」ではないかと推測します。
私が音楽を始めるに至った経緯は、過去の記事にて言及しております。

身近な方々の影響を多分に受け、坂道を転がるかのように導きに従い、気づけば私はLUCKDARとなっておりました。
もし私の音楽に触れたことにより、誰かの人生が変わることがあるのだとしたら、その瞬間に私はアノマリーとなるのだと思います。
つまりアノマリーとは伝染、伝播するということ。
あなたも誰かにとっての救世主たりえるということなのです。
救世主ONE(マトリックスの主人公"NEO"はTHE "ONE"のアナグラム)はALLである。
One is all, all is one.
一は全、全は一。
あなたという存在、"一"はあなた以外の"全"に影響を受け、そしてあなたもまた誰かに影響を与える。
世界平和などと大それたことを言うつもりはないですが、私があなたの心を動かし、あなたも誰かを救う存在に。
こうした輪が拡がっていけば、きっとこの世界はもっと良いものになっていくのでは、と私は今日も考えるのでした。

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