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ストロングゼロを飲んでみた

ごきげんよう、皆様お酒は好きですか? 私は大好きです。
酒には色々な種類があるものの、ちょっと前に檸檬堂の鬼レモンというリキュールを飲んで酷く悪酔いしてから缶チューハイには手を出さないようにしていました。
ですが人間の好奇心というのは止められないものです、今回はストロング系チューハイの中でも代表的なストロングゼロを飲んで経過を見ようという趣旨の記事になります、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

【注意】
完全に主観による評価や感想になります。
また、ストロング系チューハイに対して極めて否定的な立場で当記事は執筆されています、予めご注意の程をお願いします。
飲酒は20歳になってから、程々にしましょう。

ストロング系チューハイとは?

そもそもストロング系チューハイとは一体なんぞやという点から掘り下げて見ていきましょう。
チューハイの定義は民間や業界によって様々で、何をもってしてチューハイとするかは提供、飲用者次第となっていますが主に以下の2つ

・蒸留酒をベースとしている
・アルコール含有率が低い(10度未満)

がチューハイと呼ばれているものらしいです。
この中でストロング系と呼ばれているものはアルコール度数9%のもので、度数10%未満の際は酒税が極めて安くなることから拡大傾向にある飲み物との事です。
今回はそんなストロング系チューハイの代名詞的なブランドであるサントリー・ストロングゼロを飲んでみようというものになります。

国が定める適度な飲酒量

厚生労働省の「健康日本21」によると、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g、女性で20gとしています。
20gのものは例えばビールであれば5%の缶1本(500ml)、日本酒であれば15%程のものが1合(180ml)、焼酎であれば25%のものが100ml(グラス1/2程度)、度数の高いウイスキー、テキーラ、ブランデー、ウォッカ等40%のもので60ml(ダブル、ワンショット2杯)までです。
さて本題のストロングゼロなのですが500mlの9%で純アルコール量36g、ロング缶一本飲むだけで男性の許容量ほぼ限界ギリギリです。
350ml缶でも25.2g
と許容量を軽々上回っています、女性で健康を考えるのならそもそも手を出してはならない代物でしょう。

いまいちピンと来ない量かもしれませんが、ストロングゼロのロング缶は1本でウォッカ3.75ショット(112.5ml)分あるという事です。

普段どれ位飲むのか?

私は普段日本酒を1合と焼酎を少々、多くても日本酒2合位までに留めています。
ウイスキーを飲む際は我が家にショットグラスは無いので湯飲みに目分量半分位で飲んでいます(測ったら大体60~80ml程でした)
どんな時にも心がけている事はチェイサー(この記事においては水)を必ず飲むようにしているという点と、空腹では飲まずおつまみを用意するという点です。
酔うためではなく酒やアルコールの味そのものが好きで、酔う事そのものを目的として飲む事は殆どありません。

今回飲む量と種類

ストロングゼロダブルレモン500ml1本だけにします。
前述した通り純アルコール量にすると結構あり、詳細に調べるまでは味見を兼ねて買った350mlの無糖(ドライ味)を加えて850ml飲むつもりでした。
正直ストロングゼロをナメてかかっていました、コンビニで酒とつまみを物色している際の自分は「まぁジュースとかなら2缶は軽く飲むし、2缶位なんてことないだろう」とか考えていたのですが、家に帰って改めてウォッカ換算で純アルコール量を計算したら驚愕、ちょっと認識が甘かったです。
ドライ味はまた別の方法で後日飲む事にします、二日酔いする事が分かり切っている量なので飲む気は起きません。

実際に飲んでみた

おつまみは見切れてしまっていますけどじゃがりこチーズ味、ポテロング、カルビーポテトチップスのコンソメWパンチ、全国のコンビニでどこでも手に入る代物をチョイスしました。
流石にこれだけで腹に流し込む勇気は無かったので夕食後に頂く事に、夕食は当たり障りの無い盛り蕎麦を頂いた後挑戦しました。

一口目の印象として思ったのは「思いの外アルコール感がある」でした。
ジュースみたいな感覚でゴクゴク飲めてしまうという前評判を聞いていたのでちょっと意外に思えましたね。
ただ、結論を先に言うのであれば控えめに言って美味しくなく、なんというか何もかもが中途半端。
「強果実感!」と書いてある割には果実感があまり無い、薄くレモンの風味と苦みが感じれるだけでフルーツリキュールのような果実感には遠く及ばない。
アルコール感はあるにはあるが醸された美味しさがある訳でも無いし、かといってウォッカのようにストレートなアルコールの味わいと刺激、爽快感がある訳でもない。
炭酸が入っているのはいいがそこまで強い訳でもなく、中途半端にアルコール感が強いせいでビールよろしく喉ごしに貢献している訳でもない。
人工甘味料と香料は口に含んでも鼻に抜けても悪い意味でケミカルな風味を感じさせ、思いっきり作り物の味の駄菓子やかき氷シロップのソレではない。
「器に注いだらまだマシになるだろ」と思って注いだらこれまた逆効果、炭酸が抜けるのが異様に早く、飲み口が広がった結果香料の臭いが鼻につく。
炭酸が抜けたストロングゼロはもう飲めたものではなく、多少なりとも炭酸は味に貢献できていたんだなぁと妙な実感が持てました。

「酔いが素早く回る」という前評判に関してはどうやら本当らしく、3分の1飲んでいない位で回ってきた感がありました。
ただし気持ち良く酔えている訳ではなく、ほろ酔い気分になれる訳でもない。
表現が少々難しいのですが、なんというか思考にモヤがかかる感じになり、「悪酔いした時の反応なんじゃないか?」と思えました。

ストロングゼロで有名なイラストだが、言うほど間違いではないのかもしれない

おつまみとの食い合わせに関しては最初こそ「おっ、意外とイケるんじゃないか?」と思えたものの、飲み進めていく内に酔いが回った結果なのか、或いは酒の味がそうさせているのか味が薄く感じてきてしまい、おつまみを引き立てる役にもなれないらしい。

そんなこんなで飲み始めてから2時間と45分後、試行錯誤を繰り返して完飲。
総評すると不味いと言って差し支えないでしょう、以前飲んで酷い目に会った同じく度数9%の檸檬堂はなんやかんや美味しかったんだなぁと思えました。
これがバッサリ不味いと言い切れる代物ならまだ良かったのですが、前述した通りどれも中途半端な感じなので人によってはまだ飲める味だというのが始末が悪いです。
聞いた所によるとフレーバーによっては美味しいだとか、季節限定は美味しいだとか、試したくはありませんが・・・

後日、体が浮腫んでいてちょっと頭が重い二日酔いになりました、純アルコール量換算では普段飲んでいる量と大して変わらないのに何故?
「ストロングゼロは翌日残る」という前評判に関してはどうやら本当らしいです。

飲んでみてから思う事

ストロングゼロを飲む前に「酒に貴賎なし」と能書きを垂れられましたけど、そんな言葉もこいつの前では無力なんだなぁと思えました。
VRChatで飲みながら色々感想を喋っていたのですが、どうやら私の飲み方は根本的に間違えているらしく、正しい飲み方があるとの事。
では正しい飲み方はどういった形かというと、開けたら10分以内に一気に飲んでエンジンをかけるといったもの。
度数の高い酒を一気飲みするのは言うまでもなく推奨できない事です、結果的に急性アルコール中毒になったり、依存症になったり、酩酊して暴走状態になったり記憶を飛ばしたりするんじゃないかと思えてなりません。

安酒にも詳しい飲兵衛曰く、ストロング系チューハイは味に関しては完全に度外視のそれらしく、兎に角安く酔えればいいらしい。
実際値段に関しては破格と言ってもいい程安く、記事執筆時現在コンビニでショート缶が162円、ロング缶が220円と炭酸飲料以上エナジードリンク以下の値段で買えます。
比較対象に出した檸檬堂の鬼檸檬はストロングゼロと比べ1本当たりコンビニ価格で11円程(安売りをしていた?)amazonでは41円程の差があるのですが、安く酔いたい連中曰くこの値段は許容できない水準らしいです(amazon換算ならロング24缶入っている1ケースだと1000円前後の差)

これはストロングゼロに限った話でもないのですが、缶で飲む時は空けたら最後、完全に飲み切らないといけません。
日本酒や焼酎、ウイスキーなんかは瓶ボトルなので飲み過ぎたと思ったら途中で切り上げる事ができるのですが、缶だとそうもいかない。
また、入っている成分が清涼飲料水のソレなので(炭酸、甘味料、酸味料、香料等)料理に使用する事がまずできません。
私は酒は沢山持っていますが半分以上が料理に使用する際の風味付けや臭い消し等に使ってしまいます、取り置きできない上に料理にも使えないとなると、もう飲むしかないです。
前述した通り炭酸が抜けるのが妙に早く、抜けた後なんて飲めたもんじゃない味になるので開けてすぐに飲むというのはある意味理に適ってはいるんだなぁと思えました、真似はしたくないですが。

あと、多分これが一番マズいんじゃないかと思うのですが、缶チューハイを飲んでいる時はチェイサー(水)を飲もうという気がほぼ起きません。
焼酎にせよウイスキーにせよ、割る割らないに関わらず必ず水をしっかり飲むのですが、缶で飲んでいると感覚がソフトドリンクのソレになるのか水を飲もうと思えないんですよね。
家飲みですらこう思えてしまうので、外出時コンビニで買い物をしている時にチェイサーとして水を買おうとはまぁ思わないです。
安く酔いたいのであれば尚の事選択肢から外れます。

どうしてストロング系が生まれたのか?

この異様な味と酔い方をする酒が生まれたのには、どうやら時代的な背景がある模様です。
詳しくはwikipediaの発泡酒第三のビールに載っていますが、1990年代から2000年代にかけてビールに対しての酒税を高くし過ぎた結果、対策としてメーカーは麦芽の使用率を下げた発泡酒を出し税率を低くしつつ売り上げを伸ばしていたそうです。
その発泡酒も2003年に増税され、結果更に対策をして麦や麦芽以外の原材料(主に豆類やコーンスターチ等)を使用し、場合によっては麦焼酎なんかを混ぜたビールもどきとも呼べる「第三のビール」が開発され、売れ行きを伸ばしていたそうです。
まだ酒が飲めなかった未成年の頃、発泡酒や第三のビールのCMをしょっちゅうやっていた記憶があります、正直ビールと発泡酒と第三のビールはラベルだけ見たらどれが何やら分かりません。
そんな形で税収不足になった結果2006年の酒税改正でこの第三のビールも増税となり、追い詰められたメーカーが出した答えがこのストロング系と呼ばれる代物のようです(ちなみにこの発泡性リキュールは別名「第四のビール」と呼ばれているとかなんとか)

例えるのであれば、昔は居酒屋に行って「ビールでキューッと!」ができなくなり、代わりに発泡酒の売れ行きが伸びて「発泡酒と晩餐で楽しんで」の形になったが、それもできなくなって「第三のビールでなんとか・・・」という所、更にそれも締め出された結果「ストロング系でバカ酔い!」みたいな形になったみたいです。

なんというべきか時代が生み出してしまった悲しき怪物なんだなぁと思えてしまいます。
記事執筆時現在ビール350mlに対して77円の酒税がかかる一方、ストロング系に関しては度数が高いのに28円、しかも清涼飲料水と同じノウハウが通用するとなればメーカーとしては売りに出さざる得ないのでしょう。
「若者のビール離れ」だとか「若者の酒離れ」と世間は騒いでいるんでしょうけど、そりゃこんな顛末があるのでは離れるのも無理はないと思います。

2026年の10月1日からはビール、発泡酒、第三のビールの税率は一本化され、同年にはチューハイも増税されるので、その内鳴りを潜めて消えていく代物なのかもしれません。

終わりに

最後まで読んで頂きありがとうございます。
「飲む福祉」だとか「ビール離れの行きつく先」だとか妙な噂が名高いストロングゼロ、実の所しっかり飲んだ事が無かったので今回飲んでみようと思い立ったのが記事を書く切っ掛けになりました。
あと、成人の日が過ぎて20歳になり、これから酒を飲もうという人に対して警鐘を鳴らすために飲んで執筆しようと思ったのもあります、こんなものを飲んだら酒そのものが嫌いになるのも無理はないでしょう。
というかコンビニで酒を買おうという発想そのものが間違いです、初めて酒を飲むなら酒に詳しいバーテンさんが居るBARなんかで教えてもらいながら飲むのが一番オススメです。
もし酒を買うのなら酒屋、せめてスーパーで買いましょうね。

しかしなんというべきか、こんなに危ない酒を全国24時間開いているコンビニで激安価格にて売っているというのは狂気を感じざる得ません。
手に入れやすさに関しても、一応身分証明書は持って行ったのですが当然のように機能していないと思います。
レジの画面に現れる「20歳以上ですか?」に対してOKボタンを押すだけで良く、店側としては売れればそれで良いという感じでモラルも何もあったもんじゃないなというのが感想です。
もうちょっと酒と健康に対して真剣に考えるべきなんだろうなと、飲んでみてから思う所が凄くあります。

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