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負けてたまるか。

最近、『ダンダダン』を読んでいる。
この漫画、とてつもなく面白い。
アクションホラーかと思っていたら、アクション、ギャグ、ストーリー、絵、感動、すべてのレベルが尋常ではない。
あまりに面白いので昼休みにも読んでいたところ、感動シーンが出てきて、あまりの完成度に泣いてしまった。最大の不意打ちだった。

そして、今も読んでいる。
その中で、登場キャラクターに、
●父親が死に、過重労働を会社に問えず、責任を認められず、
●弟は、貧乏を理由にいじめられ、大好きなものが飛ばされ、それを拾うために川に入り溺死。
●母は、唯一生き残ったこの人物と二人で遊園地に行き、欲しいものを食べさせ、良い思い出を作ったところで、電車投身自殺で心中しようとし、母親だけが目の前で死んでしまう。
こんな不運な人物がいる。

現実とすごく似ている。不運は、不運のあとにくる。

こんな境遇だから、世を憎み、社会を憎んだ。行動に出し、社会を壊そうとする。そんな人物の前に、同じように社会を憎んだ男に幼い子どもと妻を殺された人間があらわれる。
彼は、その人物の里親になり、導いていく。

彼は、犯人を殺そうと、今でも思っている。しかし、子どもの顔を思い出し、断念する。そして立ち上がり、歯を喰いしばる。
「こんなクソな社会に負けてたまるか」
と。

私も、自分の運命を恨んだ。嘘をつく人間を憎んだ。
すると、不幸が立て続けに起こることに腹を立てる。
しかし、絶対に負の感情に染まらない自分を信じていた。信じたくもなかったが。

それが、なぜかわかった。
たぶん、ダンダダンと一緒だ。
憎しみに染まって、復讐をしたかった。
しかし、
「こんな状況に負けてたまるか!!!」
と、深層で思っていたのだろう。
この反骨精神のおかげで、負の感情に染まらず、今ここに生きている。

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