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読書会初体験について1
冒頭からあれですが、最近使っている「~について」は、浅田次郎さんのエッセイ『勇気凛々シリーズ』のタイトルのマネです。エッセイの中では、このシリーズが一番理想なので。
一部、ブラックジョーク寄りに書いてみます。
先日初めての読書会に行ってきた。
私の仕事は、イメージとしては『天空の城のラピュタ』のパズーのパパのような人が働く労働環境。ガチガチのパワー系。本物の脳筋。
私は、力は最小限で、効果は最大限にできる仕事の動きをしてますが、それに難クセをつけてくる。いわく、
「仕事で100%を使わんのか!?なまけるな!!」
と言われたことがあるくらい、パフォーマンスなんてクソくらえの仕事である。もちろんアホくさいのでガン無視である。
そんな、ゴリラかクマかしかいない、武器といえばこん棒を想像させるような職場環境から、一転して「読書会」という、原始的な武器にペンで戦いを挑むような世界に入るのである。
人種が違う。久々の緊張であった。
動物に形容すると、やはり私もほぼゴリラかほぼクマと言われるので、仕事以外は紳士にふるまうように気をつけてはいる。しかし、性根はイノシシのような人間なので、素が出ないように気をつけようとして、緊張する。
この日の読書会は、偶然にも同日開催がもう一つあったので、ハシゴしている。
午前中は、スターバックスでの会であった。
私はスタバなんて人生で10回も行ったことないので、二重に緊張していた。
現地に着く。
皆さん、切った張ったの世界の住人ではないと、一目でわかるような、想像通りの穏やかな春を感じさせるような顔つきであり、ホッとした。
午前中の読書会の課題は自由。自分の好きな本を自由に紹介する。
一人ひとり紹介していくのだが、やはりうまい。もうすでに、タイトルから惹かれるような本が多くあった。私が一番惹かれた本のタイトルは、3連単コンボで、
『百年の孤独』
→『『百年の孤独』を代わりに読んで』
→『『『百年の孤独』を代わりに読んで』を代わりに読んで』
だった。数式のような書き方になったのは申し訳ない。
タイトルが本当に秀逸だと思った。
そして、次は私の番になった。
私は迷っていた。午後の読書会での課題が『少年と犬』であり、その感想文をこの日の朝に書いていた。
書き終わってすぐに出発したので、決まっていない。
普段読んでいる本は、時代小説ばかり。
時代小説が特段好きなわけではない。
私の好きな本は、私を教え諭してくれる師か友人になりうる本だ。
だからか、どうしても時代小説作家さんが多くなる。
だけど、時代小説は紹介したくない。
といって、紹介できるような普通の小説は、覚えていない。大して含蓄のない小説は記憶に残らない。
であって、時代小説も入れることに決めて、ここで私は二択になった。
『少年と犬』
か
『影武者徳川家康』隆慶一郎
か
『死ぬことと見つけたり』隆慶一郎
『少年と犬』幸い、午後の会に参加する人はいない。であるので、紹介はできるが、紹介するほど熱中はしなかった。
『影武者徳川家康』は、面白い。隆慶一郎の本はおしなべて面白い。読みやすい。含蓄もある。そして、この本の主題はタイトル通り、家康が影武者であったというところにある。関ケ原の時に本物の家康は討たれたという設定だが、「たしかにその通りかもしれない」と思わせるような事実がいくつかあるから、面白い。
これを読むと読まないで、この時代の小説を読むときの面白さが数段変わる。「もしかしたらこの家康は。。。」と考えるか否か、があるのは大きく違う。
『死ぬことと見つけたり』も面白い。佐賀の武士道「葉隠」の話。人によっては危険思想書物。これは、日本一の体育会系公務員での私の実体験も併せて説明できる強みがある。
頭をフル回転させて、『死ぬことと見つけたり』にした。
理由は至極単純に、こういう話を聞くことはあまりないだろう、と皆様を見渡して思ったからだ。想像のつくような本は面白くない。であれば、人の話もそうだ。
恐怖は消えたが、性欲も消えた話、笑顔も消えた話、イメージで殺気を放てた話、自殺できる場所に立っても何も感じなかった話などを面白おかしく本の紹介と混ぜ合わせて話した。
面白かったのは、私の前の人が紹介した本に「三島由紀夫」の本があったことだった。何の因果か(笑)
他人の好きな本を紹介される話、とても良かった。
音楽も、本も、映画も、趣味が合わないものを紹介されるのは、「面白いから経験してみろ」という強制の言葉にも聞こえるので、基本的にきらいだ。
しかし、この場は本当に面白かった。
ほとんどの本を読んでみようとも思った。
穏やかな空気もあり、聞こえる言葉も優しい言葉ばかり。いつもとは大きく違う(苦笑)
次回も楽しみだ。
午後はまた後日!