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Project LUCK 暗号資産探索〜ヘデラ(HBAR)編〜

はじめに

Project LUCKと書く人

Project LUCKメンバーの大橋です!Project LUCKというのは、株式会社マーキュリー(代表取締役:都木聡)の中で立ち上げたプロジェクトです。そのコアメンバーが日々、自分たちが学んだことや読者の皆さんとコミュニケーションをとりたいと思い、さまざまな記事を書いています。

今回のテーマ

今回は「Project LUCK 暗号資産探索〜ヘデラ(HBAR)編〜」と題して、HBARについて紹介していきます!


HBARって何?

ヘデラは、公平性・安全性・パフォーマンスの3つを強みに持つ分散型台帳技術(DLT)を採用しているプラットフォームで、ビットコイン、イーサリアムに続く、第3世代の公開台帳とも言われています。

そして、このネットワーク上で使用されている基軸通貨が「HBAR」であり、ネットワークと同様、ヘデラと呼ばれています。


HBARの特徴は?

送金が速い

ブロックチェーンとハッシュグラフのデータ構造

ヘデラでは、「ハッシュグラフ」と呼ばれる非同期ビザンチンフォールトトレラント(aBFT)のコンセンサスプロトコルを採用しており、ブロックチェーン等の既存の分散型台帳技術とデータ構造やコンセンサスアルゴリズムが異なります。

ビザンチンフォールトトレラント(BFT)とは
ビザンチン将軍問題に起因する障害への耐性のこと

ビザンチン将軍問題についてはこちらの記事でも解説しています。

ハッシュグラフコンセンサスでは、生成した情報をメンバー間でランダムに拡散し合い(ゴシッププロトコル)、当該情報をどのメンバーが保有しているのかを相互に把握して仮想投票を行うことで、過去のイベントの処理順を決定する仕組みを採用しています。

また、情報の共有にあたっては、DAG(Directed Acyclic Graph, 有向非巡回グラフ)を採用しています。

DAG(Directed Acyclic Graph, 有向非巡回グラフ)
グラフとは辺と頂点からなる」という特性に注目したグラフ理論がベースとなっている。DAGとは、辺に決められた向きがあり、ループしないグラフのこと。ヘデラの場合、頂点がノード、辺が通信路。

ヘデラはDAGを採用しているため、他のブロックチェーンと異なるデータ構造となっており、フォーク(チェーンの分岐)も発生しません。

これら仕組みによって、ヘデラは理論上1秒間に10,000件以上のトランザクションを処理可能で、3~5秒で取引を確定させることができます。


手数料が安く、固定

Payments and fees

ヘデラでは、ハッシュグラフコンセンサスにより、取引の際の手数料が約0.0001USDと大変安くなっています。
また、手数料が変動せず、固定されていることもヘデラの特徴です。


ステーキングが可能で、ロックアップがない

Staking and proxy staking

ヘデラでは、「プロキシステーキング(Proxy Staking)」と呼ばれるプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスメカニズムを採用しており、ステーキングが可能となっています。

このメカニズムにより、仮想投票の際に、ノードはHBARの保有量に応じて投票を行い、保有量が多いほど投票の決定力が強くなります。

ヘデラの場合、ステーキングに伴うロックアップ期間(暗号資産を移動できない期間)もないため、ノードはロックアップによる流動性の低下について心配をせずに済むというメリットもあります。


環境に優しい

エネルギー消費量比較

ヘデラのトランザクションあたりの平均エネルギー消費量は0.000003kWhとなっており、イーサリアムやBNB、ソラナやカルダノなど、他のネットワークと比較してもエネルギー消費量が低く、サステナブルなネットワークと言えるでしょう。

さらに、ヘデラは、自身が排出した温室効果ガスの排出量を相殺するために、四半期ごとにカーボンクレジットを購入することで、カーボンネガティブなパブリックネットワークになることを約束しています。

カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量から吸収量・除去量を差し引き、全体で実質ゼロにすること)を超えて、カーボンネガティブを目指しているということですね。

カーボンクレジットとは
温室効果ガスの排出削減量を売買できる仕組み。企業は環境活動によって生まれた温室効果ガスの削減量や吸収量を数値化し、クレジットとして認証された排出権を他の企業と取引することができ、他の企業は努力をしてもどうしても削減できない温室効果ガスの排出量を、カーボンクレジットを購入することで埋め合わせできる。なお、このように排出量を相殺する考えを「カーボン・オフセット」と呼びます。


HBARの将来

ヘデラ評議会のメンバー

ヘデラには評議会(Governing Council)という組織があり、評議会は世界的に有名な企業、Web3プロジェクト、大学等により構成されています。
具体的には、Google、IBM、TATAのほか、野村や日立など日本の企業も参加しています。

ヘデラは、分散型公開台帳なので透明性を確保しつつ、世界的な企業等により運営されているので、ネットワークの安定性や今後の拡大についても期待できそうですね。

もちろん、評議会により単一の企業、少人数の開発者グループ、またはノード オペレーターがネットワークに対して過度の影響力や制御を持たないよう、メンバーの任期は期限が設けられており、ネットワークとプラットフォームの決定については平等な投票権を持つようルールが設定されています。


また、ヘデラでは、世界最大級の電力生産者であり、欧州最大の再生可能エネルギー生産者でヘデラ評議会のメンバーでもあるフランス電力(EDF)により、再生可能エネルギー証明書 (REC) の管理を革新し自動化することを目指す概念実証が実施されている他、ヘデラの技術と統合して気候変動に関するClimateGPTがリリースされる等、環境を考えたプロジェクトが複数進められています。

日本でもESG投資という考え方が広まっていたり、有価証券報告書においてサステナビリティ情報の開示が求められるようになったことを考慮すると、環境への関心は今後ますます高まっていくことが予想されます。
サステナブルなネットワークであるヘデラの注目度も上がっていくかもしれませんね!


参考文献

https://files.hedera.com/hh_whitepaper_v2.2-20230918.pdf?

https://hedera.com/how-it-works

https://hedera.com/learning/distributed-ledger-technologies/dag-vs-blockchain


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