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NT型女性、生きやすくなっている説

 MBTIネタにはまり込んでいるタイプは何等かの点で生きづらさを感じている人間が多いような気がする。その程度は人によるが、何らかの人間関係に関する悩みが昇華し、考察にまで発展した人が多いのではないだろうか。

 さて、MBTI別の社会適合度は個人の能力や家庭環境によるものが大きいものの、やはり適応しやすい性格タイプというものは存在する。ESTPやESTJのようなタイプは大体の環境でうまくやれるだろう。

 一方、性格タイプと社会的役割が噛み合っていない場合は生きづらさを感じることが多いと思う。女性の場合はNT型がおそらく最もジェンダーロールに合っていないだろう。しかし、NT型女性の生きづらさはここ最近改善されているのではないか?と個人的には思っている。今回はNT型女性を取り巻く環境の変化について考えてみよう。

NT型と女性の地位

 N型はそもそも論として社会的役割に順応するのがあまり得意ではない。N型は考えるのが好きなので、与えられた環境を自明のものとするのが苦手なのである。これはN型の体育会系適性の低さと結びついている。

 その上、NT型は女性のジェンダーロールとの相性はかなり悪いと思われる。この点は以前の記事でも論じている。

 女性は伝統的に男性を立てることが求められ、サポート役として裏方に徹することが普通であった。NT型は特に女性に求められがちなケア労働との相性が悪く、そのような役割を押し付けられるのは大変な苦痛だろう。

 その上、女社会という難題がある。女社会では横の同調圧力が非常に強いことが多く、NT型の発想が持ち込めるような状況にはない。男性の場合は個人主義なので結果さえ出していればどうにかなることが多いが、女性の場合はそうもいかないのだ。

 というわけで、NT型の女性はジェンダーロールにあっておらず、男性INFPと似た生きづらさを抱えているのではないかと思われる。生きづらさを表現しているのはINFPが多いが、彼女らにはなぜかはわからないが理解のある彼くんが存在することが多い。実際に女性性を嫌っているのはNT型である。これは過激なフェミニストの主張を見ればよく分かるだろう。完全に思考回路がNT型である。NT型は女性特有の役割めいたものがあまり好きではないし、男性に比べて社会的達成で劣ることにも腹が立つだろう。ツイフェミの過激な主張にはあまり賛同できないが、NT型の女性があのような思考に至る原因はもっともなのだ。

 しかし、そうした生きづらさも実は社会の変化で改善されていっているのかもしれない。

1.女性の社会進出

 女性の社会進出は1980年代からじわじわ進んでいたが、2010年代の安倍政権下で一気に加速している。現在もはや専業主婦は若い世代では絶滅危惧種であり、キャリアの男女格差は政策的に消滅しつつある。これは少子高齢化という日本の経済的インセンティブと密接に関わっており、当分の間続くだろう。

 こうなると、女性は男性と同様に社会的達成や仕事人としての有能さが重視されてくることになる。こうなると元々上昇志向の強いNT型は有利である。以前の日本では高学歴ハイキャリアの女性は忌避されていたのだが、最近はこのような女性は婚活市場でも人気になりつつある。

 余談だが、女性の就労が一般的になる以前も社会で活躍する女性は存在した。女性のキャリア志向が加速したのは現在の40代より下の世代だが、それより上の世代に女性の有名人が存在しないかと言えばそんなことはない。おそらく、そういった時代に社会進出した女性の多くはNT型だったのだろう。

 一方で会社員はS型の要素が強いため、女性とは相性が悪かった。大手企業で女性が普通に活躍できるようになったのは、女性の社会進出が太宗を占める2010年代になってからだ。社会的トレンドを無視するN型と、社会的トレンドを作り出すS型という違いを感じるところである。

2.男女比の不均衡

 女性の社会進出と矛盾しているようだが、まだまだ女性の進出が進んでいない業界というものも存在する。例えば理系分野がそうだ。これらの業界は圧倒的多数を占めるSF型の女性が興味を持ちにくいのではないかと思う。

 女性が興味を持ちにくい分野に興味を持つのは多くがNT型だろう。したがってNT型女性は進んだ分野で「少数派」になれることが多いということだ。

 オタサーの姫といえば聞こえは悪いが、NT型女性は男性の多い環境で過ごすとやっぱりちやほやされることが多い。NT型女性のジェンダーロールの弱さは男女比の不均衡の前にかき消される。女性の登用が中途半端に進んでいる現代の日本はかなりチャンスなのだ。

3.同調圧力の減少

 これは女性の限ったことではないが、現代社会は昭和のような同調圧力が減少していると考えて良い。これは婚姻率の減少にも反映されているだろう。N型は同調圧力の類を嫌っていることが多いので、現代社会ではやや有利ではないかと思われる。

 特にNT型女性の場合、女性登用が中途半端に進んでいることにより、従来型の女社会の同調圧力にさらされることが少なくなった。例えばPTAがいい例である。昔は専業主婦が多かったので、PTAの同調圧力は強烈だったが、最近は仕事を持っている女性が多いので、PTAのような横の同調圧力は少なくなっている。NT女性の場合は密な同性間コミュニケーションを必要とされる機会が減少しているので、比較的生きづらさを感じにくいのではないかと思われる。

現代社会とジェンダー

 基本的に世相を作り出すのはS型である。N型はどの時代でも好き勝手に色々な生き方を歩んでいる。社会にとってあれこれと論じるのもN型だが、実際に決定権があるのはS型である。大多数のS型に伝わって初めて社会的潮流は根付いたと言えるだろう。

 ジェンダーに関してもそうだ。昔から社会に出たがる女性はいたし、フェミニストも多かった。しかし、彼女らはN型であることが多かった。S型の女性はジェンダーロールにしたがって普通に行きていたのである。しかし、2010年代の女性登用の流れでついにS型もハイキャリアを歩むようになった。ここにジェンダーロールは一気に変容したと言えるだろう。

 こうした流れで得をするのは間違いなくNT型女性である。一方で相対的に不利になるのはSF型女性かもしれない。あまり決めつけは良くないかもしれないが、SF型は従来の女性的なジェンダーロールとの相性が良かったため、「望まぬ出世」を余儀なくされるかもしれないからだ。INFPやINFJはそこまで変わらないのではないかと思う。ここらへんの人たちは常に世相を無視してグルグル考えている。ただし、INFP女性は会社員との相性はあまり良くないだろうから、やはり生きづらさは感じるかもしれない。

タイプ別雑記

 タイプ別に見るとどう考えられるか。

 ENTJ女性は外資系のダイバーシティを訴えるパンフレットで自信満々で映っている印象である。このタイプの女性は人数としては多くないが、かなり目立つに違いない。社会適応に特に難はないだろう。the・キャリアウーマンである。

 INTJ女性は以前はかなり生きづらさを感じていそうだが、最近の流れでかなり生きやすくなっているのではないかと思われる。INTJ女性は男性顔負けのシビアな世界観を持っていることが多く、本当に個人主義である。いわゆる女社会にどうやって馴染んでいたのか想像も付かない。

 ENTP女性なのだが、これまたどうやって生きてきたのか謎である。いかなる役割にも染まらない気がするので、本当に想像がつかない。ただし基本的には陽キャだと思うので、なんとか周囲に合わせていたのだろうか。ハイキャリア志向ではあるだろうが、組織人にそこまでこだわるタイプにも見えない。謎のスモールビジネスをやっている印象である。

 INTP女性に至ってはジェンダーロールとの相性は最悪である。ただし、男趣味であることが多いことから、それなりに囲われている印象だ。INTPだからモテないとも限らないのである。

まとめ

 NT型の女性は基本的にジェンダーロールや女社会との相性は良くないと思われる。フェミニストの類は揃いも揃ってNT型ばかりだ。しかし、最近は女性登用が進み、ジェンダーロールが弱体化しているため、NT型の女性にとっては生きやすい状態なのではないか。

 一方、NT女性の生きづらさを対を成すNF男性の生きづらさに関しては、あまり改善されているイメージがない。ただし、最近は個人主義の時代なので、以前よりはマシだろうか。最近の日本社会は異様なまでにINFP化しているため、ある意味でトレンドを行く人達である。

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