部活適性のない人の生存戦略を考える

 以前の記事では部活経験者は社会に出てからの予後が比較的良いことを論じた。それでは部活経験が無い場合は社会人として不適合・詰みなのだろうか。いや、そんなことはない。部活経験者の予後が良いからといって部活経験がない人がダメかというと、別にそんなことはない。必要条件と十分条件は異なるのである。

 とはいえ、部活がダメな人が生き抜くにはそれなりの工夫が必要だ。これに関しては社会に出てから苦悩の日々が続く筆者が語っても説得力が無いかもしれないが、どちらかと言うと一緒に考えていきたいという趣旨の記事である。今回は部活がダメな人の生存戦略を考えていきたい。

とりあえず何か「やる」

 社会人適性という観点で部活には劣るかもしれないが、それでも何もしないよりは何かした方が遥かに良い。就活を考えた時に、バンド活動にハマって一年留年した人と、ストレートだが何もしなかった人では、ぶっちゃけ前者のほうが印象は良い。

 趣味活動もそうだし、運動系のサークルでも良いのだが、やはり人と一緒に活動するというのはコミュ力を上げるし、何かと視野も広がると思う。対人スキルはやはり人と関わってこそだ。それになにかに打ち込む力というのは社会人としても評価の対象になるだろう。色々なコミュニティで積極的に活動したタイプが就職活動に失敗した例はほとんど見ない。

 ただし、打ち込む対象として全くオススメしないものがある。筆頭はゲームだ。ゲームは時間を食う割に話のネタになることが少なく、人と関わることもない。ゲームよりマシとはいえ、SNSも正直微妙である。サブカル系の場合は確かに人間との繋がりはできるのだが、「社会」においては正直扱いが微妙なので、効果が高くはない。

医師弁護士などの資格業に就く

 またかよ!と思うかもしれないが、部活適性がなくてもそこまで問題にならなそうなのが医師・弁護士などの独占資格業である。これらの業界も確かに体育会系カルチャーは強いのだが、業務の独立性が高く、働き方の自由度が高いため、なんとかなるケースが多い。「先生」と呼ばれるタイプの仕事は全般的に集団主義的な行動を要求されないことが多く、部活文化が苦手な人でも助かるだろう。

 サラリーマンでも医者弁護士に相当する待遇を得ている人はいるが、その場合は医者弁護士のような専門知識の代わりに高度な部活適性を求められることが多い。これらの専門職に就いている人から話を聞いても、あまりにも業務内容が違うと感じる。

理系就職する

 理系就職も一つの手である。独占資格には劣後するかもしれないが、やはり理系の需要というのは底堅い。しばしば理系就職を稼げないという点で否定する人が要るのだが、突き詰めれば人によると思う。金融やらコンサルといった分野に全く興味が持てない場合、理系就職は非常に有力な進路となる。

 理系も確かに人と協調する能力は必要とされるし、場合によっては体力的にも過酷かもしれないが、それでも元のカルチャーがあまり体育会系ではないので、部活経験がないことも必ずしもマイナスにはならないのではないかと思う。

オジサン耐性を付ける

 部活動に付き物の上下関係適性だが、ここまでハードでなくても、オジサン耐性があれば一気に楽になる。実のところ、この点は社会人の予後を分ける1つの分水嶺である。コミュ力というと基本的には同年代のスクールカーストがイメージされがちだが、より重要なのは同年代とのコミュニケーションではなく、年上とのコミュニケーションである。

 意識して身につくのかは分からないが、オジサンと付き合うのが得意な場合は明らかに有利なことが多い。筆者は高校時代に(これは文化部の話なので部活経験ではあるが)実は上級生とのコミュニケーションを取るのが得意であることに気が付き、それからというもの大事な情報収集や相談はなるべく上の人と行うことにしていた。こうしたスキルを身につけることは明らかに有利になると思う。

まとめ

 他にもやり方はあるのかもしれないが、筆者が考えついてたのはこの辺りである。他にもアイデアがあるという人もいるかもしれない。筆者は部活適正があまりない人間であり、現在もそういったハンデの克服方法を模索しているので、あまり偉そうなことは言えない。読者のみなさんも一緒に考えてほしい笑。

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