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<MBTI>偏見で語る、N型の多い業界ランキング

 ここ最近、MBTI記事でS型N型の違いを書いているが、その延長線上である。筆者の人生経験と考察を元にN型の人間が多い業界について考えてみたいと思う。前回の記事で書いた職業選択の話とはまた別のものと考えてほしい。

 ここで言う職業はある程度一般的な職業として世間で認識されているものとする。作家・ユーチューバー・左翼活動家などは圧倒的にN型が多いかもしれないが、自由業の性質が強いため、取り上げない。それでは見ていこう。筆者の独自意見なので異論反論がある人もいるだろうが、その場合は是非コメント等で教えてほしい。

第1位 学者

 第1位は学者である。筆者はN型でない学者を見たことがない。割合として100%近いのではないだろうか。世間的にも学者はN型(というよりNT型)の進路として花形となっているのではないだろうか。INTPやINTJは人生のどこかで学者タイプと言われたことがあるかもしれない。

 学者は扱うテーマがほぼ100%N型に関する項目である。その上学者は経済的に不安定で、進路として多大なリスクが存在する。正直、よほど好きでなければ学者になろうとはしないだろう。S型にとっては儲からない上に特に興味も無いため、わざわざ学者になろうとはしないはずだ。S型の多くは学術とは大学受験でおさらばである(その割に学歴にこだわっているS型が意外に多いのは筆者としては不可解である)。

第2位 演劇関係

 第2位として挙げたのは演劇関係者である。役者のケースもあれば、脚本家や演出家のケースもあるだろう。

 演劇というコンテンツはかなりN型に偏った分野であると思う。現代においては映像技術が発達しているので、舞台の上で話しているだけの演劇はS型にとってはやや退屈なのではないか。一方でN型の知識人はやたらと演劇論について語ることが多い。創作性が高いというのもあるし、何かを演じるというのは想像上の自己像に没入するという作業であるから、N型の要素は強いと思う。

 あまり学歴は関係ないが、超進学校のOBなどには一定数演劇関係に進む人がいる。やはりN型の素養や興味と関係しているのだろう。

第3位 塾講師

 学者に比べればN型の割合は下がると思うが、第3位は塾講師である。これまた業務内容が直接N型に関わることなので、N型の人間が多く押し寄せてくることは間違いない。給料や社会的威信は微妙なので、S型はあまり塾講師に魅力を感じないだろう。

 塾講師は高学歴のN型にとって最後の砦といった存在で、何らかの理由で躓いた東大卒の受け入れ先ともなっている。第1位に挙げた学者になろうとして博士課程で躓いた場合、すでに新卒一括採用の対象から外れていることが多く、塾講師になるものは多い。下手にコールセンター等で働くよりは興味と能力が活かせるので高学歴のN型にとっては有力な進路となるのだろう。

第4位 有名進学校の教師

 第2位と比べて微妙であるが、進学校の教師は第4位にランク付けした。私立有名進学校の場合、教師は結構な割合でOBがいる。偏差値の高い学校であっても、一定数は出身校に戻ってくるのだ。私立進学校は採用は自由であるため、教師は自然とOBが多くなる。筆者の出身校に関してもOBの先生は多かった。博士課程でドロップアウトしたという人も多く、塾講師と被る面がある。ただし、公立や国立の場合は一般的な教員の世界の人間も異動してくることが多いので、この限りではないだろう。

 これは一般的な学校教師には成り立たないだろう。教育学部はそこまでN型に偏っていないし、教師はかなり一般的な就職先だからだ。社会経済上の実利が大きいほどS型の割合は増えていく傾向がある。

第5位 精神科医

 第4位と大きく隔絶するが、第5位には精神科医をランク付けした。この辺りになると社会経済上の理由で特にこだわりがない層も多数流入するのでS型の割合も高まってくる。

 精神科医は人間の心の動きについて深く切り込んでいく職業なので、N型の割合がかなり高いと思う。単純にN型の秀才タイプが外科医等に向かないという要素もあるかもしれない。医者で作家をやっている人物はやたらと精神科医の割合が高く、N型の多さを感じさせる。また、再受験生の割合が高いことも影響するだろう。ただし、単に楽だからという理由で精神科医になる人もいるだろうから、S型の割合も一定数存在すると思われる。

 精神科医の自殺率は一般人の6倍であると言われる。これは職務がしんどいという理由もあるかもしれないが、そもそも精神的な脆さを抱えたN型が精神科医になっているという相関関係もあるかもしれない。

第6位 キャリア官僚

 キャリア官僚のN型の割合(厳密にはNT型)の割合は高い。学歴面に注目するとよく分かる。キャリア官僚は筆者の時代は東大出身が半分弱、それ以外の大学(早慶宮廷以上がほとんど)が半分強という割合だった。

 キャリア官僚はゴリゴリの東大閥であることは以前から知られているので、そのような業界に飛び込んでいく早慶宮廷等の学生は間違いなく国のあり方や行政に貢献したいという意欲を持つ理想主義者だろう。こうした進路はN型が取りがちである。

 キャリア官僚は東大においては普通の進路なので、S型の人間も多数進んでいるだろう。ただし、東大自体がN型の割合が高い集団なので、一般的な就職先と比べるとN型の割合は優位に高いものと思われる。東大文系の学生は社会科的興味が強い人間が多く、彼らとしてはビジネスよりも行政に関心を持つのは自然だろう。東大卒の多くが(悪名高い)官僚になりたがるのは社会科的興味という要素が不可欠なのではないか。

第7位 出版社

 第6位にランク付けしたのは出版社である。書物を出版するという性質上、本好きが応募しがちであるし、離れたところの人間の心を動かすという出版の意義を考えると、N型の要素はそこそこ生きるのだろう。また、珍しくNT型よりもNF型の方が目立つ業界でもある。

 ただし、出版社はあくまで一般企業であるため、N型ばかりを採用しているわけには行かない。人事・総務・経理のような内部管理の仕事や版権管理や営業のような部門も必要である。むしろ編集者などを除けば文系総合職的な業務の方が重要かもしれない。N型の人間から出版社はかなり人気があるが、かなりの激戦である。

第8位 コンサル

 そこそこN型が多いと思うのはコンサルである。演劇や塾講師のような「濃くて泥臭い」N型の要素は存在しないが、もっとビジネス寄りのカジュアルなN型の要素は存在するだろう。N型というよりEN型の進路という感じである。

 コンサルは高収入が期待でき、社会的なステータスも最近はかなり高いため、S型も多く参入してくることは間違いないだろう。コンサルという曖昧な概念はなんとなく頭が良さそうなので、自己有能感を感じたいENTPやENTJにとっては絶好の就職先であることは間違いない。巷にあふれる「コンサルの入社試験」系の本を読んでも、NT型の得意とする抽象的な思考能力が求められているようだ。

 最近は東大生の進路で花形とされるのがコンサルらしい。確かに高収入で頭が良さそうな響きがするとなれば、多くの人間が魅力を感じるのは最もだろう。ジョブ型であることもN型(特にENTPとENTJ)との相性を高めているだろう。この2タイプは本当にコンサルに進んだ人間が多い。

第9位 ITエンジニア

 ITエンジニアは優位にN型の割合が高い気がする。重厚長大系に関してはS型も結構いそうだが、ITエンジニアはやはりN型が多いように思える。IT業界のカラーが比較的N型に親和性が高いという要因が考えられるだろう。情報科学は現在ホットな分野であるし、IT業界は常にイノベーションが起こることから、新規のものへの興味が欠かせないだろう。

 また、メーカーやインフラとの違いとして、現業労働者を抱えにくいことや、大規模な事業体にそこまで拘る必要がないという要素もあるに違いない。メーカーやインフラはどうしても大規模になるため、その分保守化官僚化しがちである。

 筆者はIT音痴であり、この分野に関して明確に疎いので、あまり解像度が高くない。だが明らかに保守的エリート的気質が薄いことは間違いない。ITエンジニアのN型は比較的幸福度が高そうである。

第10位 マスメディア

 これまたN型というよりもEN型の進路という感じである。上記の進路に比べればN型の割合はぐっと下がる。

 テレビ局や新聞社は最近斜陽とは言え一昔前までは高収入で人気の就職先であった。ただし、IN型のようなオタク的な人物はそこまで相性が良くないような気がする。民放に関しては少なくともS型の素養も不可欠である。マスメディアも基本は営利企業なので、N型ばかりで固めるわけにはいかないのだ。特に番組制作は肉体労働であるため、下請けの番組制作会社に投げる事が多く、本社は版権管理と不動産運用だけという方向に向かっている。

 女子アナに関しては明らかにS型の要素が求められていると思われる。メンツ的にthe・陽キャの集まりだ。見た目のセンスの良さや役割意識への当てはめやすさを考えるとS型の方が優れているのだろう。この点は芸能人の方がN型の要素が強いだろう。

 なお、NHKの場合は他に例を見ないレベルでN型の性質が強い。これは民放と違って公営企業(国営ではない)であることが原因であると思われる。興味深いことに、お上に従順な傾向はむしろ民放の方が強い。N型は市場経済との相性がそこまで良くないので公的セクターに関する業界に進む事が多いのだが、皮肉なことにそういった業界の人間(学者や教師など)はお上にも批判的なのである。

他の業界はどうか

 有名大学の就職先に偏った話になってしまうが、他の就職先はどうだろうか。

 地方公務員や大学職員といったホワイト系の就職先は中程度である。N型の人間が特に興味を持つような要素は少ないが、一方で特に排除するような要素も存在しないからだろう。

 金融機関も中程度である。仕事内容としてはS型の方が親和性が高いと思うのだが、学歴信仰が強いことと上位大学の優秀なS型の学生は総合商社等に行ってしまうことから、N型の人間はかなりの数、金融業界に進んでいる。東大の場合は中間層で特に就職先のこだわりのないN型の進路という感じだった。また、証券や保険もS型との親和性が高そうだが、東大の場合は就活に強くないN型が学歴パワーで就職するというパターンが結構多かったので、N型の割合はそこまで低くはない。

 総合商社やデベロッパーといったいかにも景気の良さそうな業界はS型の方が明らかに多かった。ビジネス色が強く、N型の興味を引くようなものがあまりないからである。一方で給料の高さやキラキラ感からS型はこういった業界を好む傾向がある。重厚長大系の文系総合職に関してもS型が露骨に好まれる傾向があった。重厚長大系は大規模な事業体であり、保守的な傾向が強いためN型とはそこまで相性が良くないし、イノベーティブな部門は理系採用が行うため、文系採用でN型を取る理由がないのだろう。

まとめ

 N型の人間は組織社会や市場経済との相性はあまり良くなく、そういった性質はある程度反映されているものと考えられる。N型の人間は安定した職に就く場合は何らかの側面で公的要素を持つ業界に進んでいるケースが多い。少なくとも資本主義色はあまり強くないのではないかと思われる。一方で起業家のN型(やたらENTPが多い)も存在するため、一概に商売に向かないとは言えないだろう。EN型はビジネス志向が強く、IN型はビジネスに疎い印象である。

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