久しぶりに昔の模試の冊子を引っ張り出してみた

 実家の倉庫に昔の模試の成績優秀者の冊子があったことを思い出し、超久しぶりに引っ張り出してみた。ホコリを被ってぐしゃぐしゃになっていたが、なんとか判別は可能だった。大半の模試はなくなってしまったが、かろうじて東大実践だけは残っていたようだ。

 そうして久しぶりに見てみたのだが、同級生の懐かしい名前がたくさん載っていた。てか知り合いだらけである。模試の成績優秀者は当時は高校同期くらいしか把握していなかったが、実は大学に入った後に見返したほうが面白かったのかもしれないと思った。

 いくつかの傾向は確認することが出来た。文系の成績優秀者は東京都神奈川、それに加えて兵庫・奈良・鹿児島が非常に多かった。一方、理系の場合はこれらに加え、鳥取県とか富山県などの地方の成績優秀者が文系に比べるとやや多かったような印象を受けた。どうやって成績を引き上げているのかさっぱりわからない。理科三類の場合は首都圏はマイノリティで、関西圏ばかりであった。

 しかし、筆者にとって驚きだったのは、そんなところではない。超久しぶりに模試の成績優秀者を眺めて何より興味深かったこと、それは。。。










 入ってからの優秀さと何一つ相関がなかったことである。



 模試の成績上位者を見て驚いたのは、学生時代に中間層とか下位層と思われるような同級生が上位に掲載されていたことである。東大模試で冊子掲載されているような人間は理論上は学力上位0.1%にランクインしているはずで、いわば同世代のギフテッドといえる。しかし、大学に入ってからの進振りの成績や、その他アカデミックな実績や知見とは全く関係なさそうだった。一方、大学時代に近寄りがたいオーラを放っていた優秀層の同級生はあまり載っていなかったような気がする。もちろん他の模試を受けているだけかもしれないが、東大実戦はいくらなんでも半分以上の東大合格者は受けているだろうから、優秀層の大半は冊子掲載はされていないことになる。

 言うまでもなく、就職活動の実績とも相関はない。いや、むしろマイナスのような気配すらあった。就職活動に失敗して行方不明になった同級生が冊子にガンガン載っていた。「あいつも昔は頭が良かったんだな〜」と隔世の感である。にわかには信じがたいが、会社に入るより東大実戦で一桁を取るほうが簡単という者が東大にはたくさん存在するのである。逆の見方をすると、ギリギリ合格、まぐれ合格、逆転合格であっても入ってしまえば何も問題はなく、挫折なき優秀層としてエリートコースを爆走できる人も多いのである。

 というわけで、大学受験的な偏差値は入ってからの優秀さとは相関が見られないし、ましてや社会に出てからの能力とも関係がなさそうだ。盛者必衰の理を表すと言ったものだろうか。


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