<MBTI>S型は早熟、N型は大器晩成?
なんとなく薄っすらと思っていたことだが、S型とN型では結構活躍時期に差があるような気がしている。
青春や恋愛といった若い頃に「今を楽しむ」ような活動は大体S型が優位である。S型のほうが器用で適応力があるし、就職も結構スムーズだ。短期的な瞬発力に関しては右に出るものはいないだろう。しかし、S型を観察していると、中高年になるとそこまで輝いているタイプは多くないように思う。S型はライフステージとの親和性が高いので、おじさんになるとおじさんらしくなるし、老人になると老人らしくなるようだ。あまり後半戦に持ちネタを持っているタイプではないように思える。
一方、N型の場合はだいぶ晩成型である。小学校や中学校の段階で頭角を表すN型はほとんど存在しないと思う。どちらかというとN型は子供の頃は地味で、大人になってから次第に自分の間合いを掴んできて、活躍するタイプが多いのではないか。あまり青春を楽しんでいるタイプは見かけない。一方でN型の場合は中高年以降も結構成長するケースが多く、N型のおっさんは職場等で高度な知見を持っていることが多い。
このような違いが生まれる理由はなにか。最大の要因はN型のアクティビティが時間を使うということである。筆者は人間の希少資源は金・時間・エネルギーの3つであると考えているのだが、このうちN型の好む活動は時間がかかるという傾向が強い。極端な例かもしれないが、INTJの友人によると最もコスパの良い趣味は古本屋で数学書を買って読み解くことらしい。確かに費用は数百円かもしれないが、時間という点に注目すると、ものすごくリソースを食う趣味だと思ってる。
N型の人間とS型の人間を比べると、飲み会でN型のほうが話が長いと思う。そもそもnoteや世間一般の出版物はN型によって著されたものが多いことからもわかるように、N型はとにかく時間を掛けて言いたいことを表現することが多いと思う。一方、S型の場合はそうでもなく、飲み会の主眼は顔合わせや一緒に活動することにあると思う。言ってしまえばみんなでサッカーをしている感覚である。S型の飲み会はやろうと思えばいくらでも短縮できると思う。
人間の頭の良さというのは難しいが、N型は知識力や抽象的な思考力に重きを置いているケースが多いと思われる。こうした能力がピークに達するのは50歳ごろである。単純な知識に関しては70歳辺りがピークと思われる。一方、S型の強みとする処理力や瞬発力は遥かにピークが早く、20代辺りがピークであることも多い。この最たるものはスポーツ選手だろう。S型の好む活動は若いうちに優位があるものが多いようである。一方、N型の場合はそこまで若さに依存していることは少なく、
また、現実に意識が向いていないことも重要だ。N型、とくにNJ型に顕著だが、人生に対する意識がかなりロングタームであるようだ。当初から老後のことまで見据えていたりする。未来や可能性といったものをN型が重視するのは、一つは目に見える利益に執着していないからだろう。この点、S型の場合は即座に利益を得たがることが多い。S型とN型ではかなり時間感覚が異なると思う。10代が人生の華というN型はほとんどいないのではないか。
交友関係を見ていると、S型はヤンキー系の場合は中学、高学歴の場合でも高校辺りの関係で大体固まることが多いようだ。そこから先の交友関係は正直あんまり広がらないし、その場限りになりがちである。一方、N型の交友関係は大学辺りが一番盛んなのではないか。社会人になってからの交友関係もおそらくN型のほうが作りやすいと思う。S型の場合は「会社員」とか「母親」といった役割意識の外の関係を築くのは難しく、若い間が勝負のようだ。
N型にとって大変なのは日本社会のレールが基本的にS型前提で作られていることである。かなり息苦しいが、仕方がない。特にそれが際立つのはキャリアだ。趣味や学びなど金銭の絡まないところならN型が好き勝手やれる余地が多いのだが、キャリアに関しては金銭が絡むため、大量のS型が競争相手として参入してきてしまう。したがってN型にとってはどうにも会社員的な生き方は疑問符が付きがちである。S型の影響が強い環境はとにかく若さが重視されるため、N型にとっては時期尚早に進路を確定することを求められ、その先の展開もあまり広がらないと感じるのではないか。ただし、N型が強みを発揮するのは俯瞰的な視野に立ったときなので、ある程度出世できるなら、会社員も悪くないと思う。やはり後半戦が強い。
N型にとって厄介なのは、日中の時間の大半が仕事に取られるため、仕事以外の場での自己実現が結構難しくなるということである。N型の社会人の生きづらさはこの点にも由来しているのではないか。筆者はやっぱりN型の居場所は仕事に求めるに越したことはないと思う。
N型の大器晩成という性質は日本社会の現状を考えると長所とはあまり言えず、短所として働くことが多いように思える。会社員のような普通の日本社会のレールに乗る限り、早い間に優位性を獲得して利確した方が強いからだ。ビジネス社会においてもスピード感が求められるので、早熟タイプのほうが優位性を発揮するだろう。医学部などN(J)型と親和性の高いキャリアもあるが、勉強のできるN型は東大等に進んでしまうので、うまく行かないものだ。また、大器晩成というのは適切に積み上げない限り効果がないものであり、一発逆転は不可能である。むしろ早熟の同年代を見ながら不安と劣等感を感じる機会が多いかもしれない。
S型にも弱みはある。レールから外れてもなんとか生きていくタイプはN型が多い。S型はレールから外れた人生はあまり得意では無さそうだ。その最たるものが独身や退職である。S型は良くも悪くも所属している環境によって形成されている側面が大きく、そこから大きく外れ無い方が良さそうだ。
N型のほうがS型よりも寿命に執着する傾向が強いように思えるのだが、その理由も人生でやりたいことがライフステージに依存していないということが大きいのかもしれない。筆者が忘れられないのが漫画家のやなせたかしである。死ぬ少し前に「人生こんなに良いところでなんで終わっちゃうんだ」と心から悔しそうな顔をしていた。当時御年94歳である。極端な例かもしれないが、N型はこういった感性と無縁ではないのではないか。作家のような仕事に就いている場合は、寿命の限り書き続けたいに違いない。S型の老人に生存本能が無いわけではないが、やりたいことが途中で終わってしまう悔しさを感じているようには見えない。N型にとっては自己実現の前に寿命が来るというリスクが排除できないのが痛いところである。
このS型N型の違いは芸能人を見ていても薄っすらと感じることである。S型の芸能人は当たると大きいが、不安定で、一度のヒットをキープする形になりがちである。N型の芸能人はマニアックだが、結構活躍の幅が広かったり、細く長かったりする。筆者の仮説によれば、最近の売れっ子のうち、広瀬すずは下がっていく可能性が高く、伊藤沙莉や松岡茉優辺りはこれからが本番ということになる。女子アナはS型の素養が求められるので、基本的に20代が華である。男性芸能人の場合はそもそも20代男性は需要がないのだが、以前に増してN型の素養が求められている印象だ。斎藤工とか中村倫也はどう考えても20代より30代のほうがかっこいいだろう。ミュージシャンは比較的S型が多いように見えるが、やはり若い頃に一曲当てて、それをキープする形になりがちである。流行歌はS型の特性が強く、年代ごとに好みがはっきりしていることが多い。
思いつきでダラダラと書いてしまったが、とにかくS型は早熟、N型は晩熟ということである。もともとはモー娘。と乃木坂の違いを考察していて思いついたものだ。加護亜依と白石麻衣が4歳しか離れていないと聞いて驚く人もいるだろう。両者の活躍した年齢は10歳近くも異なるのだ。卒業後も乃木坂は活躍の幅を広げていく人間が多い。モー娘。ほどの瞬間最大風速はなかったが、大器晩成型のアイドルグループだったと言えるだろう。その中でも生田絵梨花や松村沙友理といったN型のメンバーに顕著である。