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ドラえもん小話「タイムふろしき」
のび太「ドラえもーん」
ドラえもん「どうしたの?のび太くん」
のび太「間違えてママのスマホの画面を割っちゃった!ママが昼寝から起きたら怒られちゃうよ!」
ドラえもん「そそっかしいなあ。いつものようにタイムふろしきで直そう」
のび太「そういえば、僕が昔無人島で1人っきりになった時、タイムふろしきで子供に戻った回があるだろ?」
ドラえもん「あーあの有名な回ね」
のび太「体は子供に戻ってるのに、なんで記憶は残ってるんだろう?」
ドラえもん「のび太くんは変なところに鋭いなあ」
のび太「タイムふろしきって記憶は除外されてるってこと?」
ドラえもん「まあ、そういうことになるね」
のび太「なんか不思議だなあ。僕たちの記憶は脳という物質的存在ではなく、別の次元の魂のようなものに保存されてるってこと?」
ドラえもん「それは考えすぎだよのび太くん。単にタイムふろしきを使う時に脳には効力を及ぼさないように除外設定しているだけだよ」
のび太「なあんだ」
ドラえもん「だから未来では記憶喪失と引き換えにアルツハイマー病の巻き戻しにも使われているんだ」
のび太「ところでさ」
ドラえもん「なんだい?」
のび太「昔、パパの子供の頃に会った回があったじゃん。疎開中の」
ドラえもん「あーあの回ね。白い美少女がのび太くんだったやつ」
のび太「パパが戦時中に小学生だったってことはさ、パパは1930年代生まれだってことだろ」
ドラえもん「ふむふむ」
のび太「でもボクらはスマホを使っている。パパは90歳近いはずだ。でもそう見えない」
ドラえもん「そ、そうかもね」
のび太「僕たちは長寿アニメなのにどうして何年も歳を取らずに小学生を繰り返しているのか?って言われるじゃん。サザエさんみたいな」
ドラえもん「長寿アニメ?なんのとこかな」
のび太「僕たちサザエさん方式の作品は1年おきにタイムふろしきで戻されて、永遠に異なった日常を繰り返しているのかもしれない。本当の年齢は60代なのに、肉体も脳もタイムふろしきで戻されてるだけなんじゃないか?そういえばドラえもんの声はもっとガラガラだったような?もしかして……」
ドラえもん「のび太くん、毎度の大長編で活躍してくれるだけあって、君は本当はものすごく賢いんだ。出来杉とだって会話はちゃんと噛み合ってるだろ?賢すぎるんだ。だから定期的にタイムふろしきでリセットしないとこの漫画終わっちゃうんだ。セワシ君との未来改変の都合もあるんだ……」バサッ
のび太「はっ!ドラえもん、道具出してよぉ〜」
ドラえもん「フフフフ」