パリのメトロ---サン・ジェルマン・デ・プレ駅
パリのセーヌ左岸の6区に、パリで最も古い 教会がある。l’Église Saint-Germain des Présサン・ジェルマン・デ・プレ教会だ。6世紀から始まるサン・ジェルマン・デ・プレ修道院は紆余曲折を経て、現在の教会だけの姿となってしまった。それでも、教会の外観は往時を忍ばせ、内陣に至るやその美しさは中世の美意識を現代伝えてくれる。
かつての修道院跡地は、長い時を経て、セーヌ左岸という地の利(ローマ時代からの歴史、パリ大学)を得て、発展し現代の文化的な街になった。教会の前庭に当たる、真正面にはCafé les Deux Magots (レ・ドゥー・マゴ)、その隣にCafé de Flore (カフェ・ド・フロール)がある。19世紀末は詩人のヴェルレーヌやマラルメ、1920年代はアンドレ・ブルトンを親分にしたシュールレアリスト達、30年代から戦後にかけて、ジャック・プレヴェール、アーネスト・ヘミングウェイ、サルトル=ボーヴォワールなど多くの作家・文人のたまり場となった(そのためにメトロ駅のすぐ上は「サルトル=ボーヴォワール広場」と名付けられた)。
パリでは、特色ある街のメトロの駅は地上の街を反映するような装飾が施されている場合がある。サン・ジェルマン・デ・プレ駅の場合は、サン・ジェルマン界隈で 青春を送った作家や芸術家に オマージュが捧げられていて、見て歩くだけで楽しくなる。
両側のホーム壁に写真はまだまだたくさんあった。今度パリに行けたらゆっくりと写真に収めたいものだ。
この4号線のメトロは、このたび気付いたが自動運転になっていた(今年からのようだ)。14番線は25年前から、1番線は13年前から自動運転になっている。この自動化は順に進んでいくだろう。地下鉄の運転手の人たちは悔しい思いをしているだろう。というより、運転手がいらなくなってしまうではないか。
ひと言 : もしパリで自動運転のメトロに乗ることがあったら、一番前の席を取ってください。運転席がなく、運転手がいないので車両はライトを点けることなく暗闇を走るのでスリルを味わえます。