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設備にQRコードを付けて業務効率化

はじめに

設備の取り扱い説明書がPCの中に入っているとか、手順書をいつでも社内のパソコンで参照できるように作成してある。そこから必要なときにその場で探さずに見れるようにするというのは業務効率に影響します。またメンテナンスの記録も容易に入力できることで現場の負担軽減に繋がります。Googleで無料で使える機能だけで、業務改善できる仕組みを作成してみました。

仕様

  1. まず、製造現場でタブレットまたはスマホを使えるようにしておきます。

  2. その上で、Googleドライブにマニュアルや手順書を置き、Googleサイトでそれらのドキュメントを参照するサイトを作成します。またそのドキュメント参照サイトのQRコードを作成しておきます。

  3. メンテナンスは、Google Formsを使ってメンテナンス作業の報告フォーマットを作成します。設備の号機が入力されたメンテナンス作業の報告のQRコードを作成します。

  4. メンテナンス記録は送信するとGoogle Spreadsheetに自動で入力されます。また送信後に追記したり修正したりすることもできます。

作って動かしてみる

では、見ていきましょう。ここではプログラムコードは一切使いません。Googleドライブの中で新規でGoogleサイトを作成します。下のように3Dプリンター用のマニュアルや手順書などのリンクを載せたシンプルなページを作成しました。

Googleサイトでブラウザで見れるページを作成

PDFで作成したファイルはパソコンに置いたままではこのページから開くことができないので、Googleドライブにファイルをアップロードします。このPDFファイルのリンクをページの中に埋め込みます。PDFファイルのリンクは、共有→リンクをコピー でURLとして取得できます。またPDFにはアクセス権を設定することができます。

Googleドライブにマニュアルを置く

このGoogleサイトのページのQRコードを作成して設備や設備の棚に貼っておきます。Google Spreadsheetで作成しています。Image関数を使って作ります。ここではQRコードにはモザイクを入れています。

QRコード
=image("https://api.qrserver.com/v1/create-qr-code/?size=160x160&data="& B2)

ではページを見てみます。スマホとタブレットで見た感じは下図の左と右のようになります。リンクをタップするとGoogleドライブに置いたPDFファイルが開きます。

Googleサイトの表示(左がスマホ、右がタブレット)

動画や入力で表示が変わるということのない、動きがないWebページですが、サーバーを準備しなくてよくて、オンラインサービスを使ったときの広告が出るようなこともない。限定された範囲で使うときは十分な機能です。

次に、設備メンテナンス記録用のアプリをGoogle Formsを使って作ります。作成できたら右上の三点リーダ「︙」で事前入力したURLを取得という機能を使って、予め設備番号に値を入れた状態でURLを取得します。

Formsの作成と事前入力

長いURLを見たことがあると思いますが、クエリーパラメータといってURLに設定値がずらずらとくっついています。URLを解析してみると設備番号は「entry.922193540」の値としてセットされています。URLにクエリーパラメータ「entry.922193540=3DPR-01」が付加されます。
URLからQRコードを作る場合の注意点として、URLの中の”&”は"%3F"に変換(エンコード)しておく必要があります。これをしないと、クエリーパラメータがQRコードのデータに反映されません。こちらもQRコードを作成しました。

https://docs.google.com/forms/d/e/.../viewform%26%3F%26usp=pp_url%26entry.922193540=3DPR-01
メンテナンス報告用QRコード

このQRコードをスマホで読み取って開くと、入力ページが開きます。設備番号(左から2つ目)が開いたときに既に入力されています。メンテナンス報告を入力してボタンをタップして(左から3つ目)報告完了です。送信した後でも、「Edit your response」から再編集ができます。

メンテナンス報告の入力と送信

メンテナンスの記録はスプレッドシートに書き込まれます。

メンテナンス記録入力リスト

技術情報
Webアプリ:Googleサイト、Google Forms
表計算ソフト:Google SpreadSheet ・・・QRコード作成、報告自動入力

まとめ

必要なときにドキュメントが直ぐに手元で見れる仕組みと、作業したらその場で報告ができる仕組みを、QRコードとGoogleのサービスを使って作成しました。リアル世界とデジタルをQRコードでつないだ訳ですが、これがプログラムを書かないノーコードで作れるし、現場の人の工夫の余地がいっぱいあるので使わない手はありません。製造だけでなく、オフィスでもQRコード・Googleのサービス・業務を組み合わせて業務効率化ができます。
もしやってみたいけどサポートがほしいなど、相談があればご連絡ください。

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