詩 エゾシカ
立派に生え揃った角や
雄々しい立ち姿とは
正反対の
小さな声で鳴いた
それは遠くに聞こえる
救急車のサイレンのよう
ここは動物園だから
猛々しくいななく必要は
無い
立派な角も
使われないまま
冬を過ぎれば
落ちるだろう
か細い声と
つぶらな瞳が
こちら側の人間へ
語りかける
立派に生え揃った角や
雄々しい立ち姿とは
正反対の
小さな声で鳴いた
それは遠くに聞こえる
救急車のサイレンのよう
ここは動物園だから
猛々しくいななく必要は
無い
立派な角も
使われないまま
冬を過ぎれば
落ちるだろう
か細い声と
つぶらな瞳が
こちら側の人間へ
語りかける