何のために歌うの?
今でこそ週1ペースでライブやセッションに出かけていますが、3年前まではクリスマスシーズンにお座敷がかかるくらいで、長年ライブから遠ざかっていました。
特にコロナ禍の2020年〜2021年は、ライブはほとんど中止か配信になり、ライブハウスは休業を余儀なくされ、人が集まって歌うことは許されず、歌おうとする気持ちもことごとく削がれていました。
そんな2021年の11月のこと。
久しぶりに一人きりの休日、ということで、朝からカラオケに行って3時間ほど歌ってきました。以前ならば採点機能で良い点が出れば嬉しかったのに、「で?だから何?」という感じで、なんだか虚しくてたまらない。一人カラオケ大好きなはずなのに、全然楽しくない。私は何のために歌っているの?人に褒められるため?聞いてくれる人はいるの?ただの自己満足?
悶々とした気持ちで家に帰り、暇潰しにでもと、録画してあった映画「サマー・オブ・ソウル」を何となく観始めたら…
衝撃が走りました!ゴスペルの女王、マヘリヤ・ジャクソンが歌う映像を観て、思わず涙が溢れました。これぞ魂の歌、ソウル!心の叫び!心と歌が直結している!歌うってこういうことよ!と。あのブルース・ブラザーズが「バンドだ!」と啓示を受けた映画のシーンのように、「これだ!」と目から鱗のようなものが落ちました。
何のために歌うの?という問い自体が無意味に思えるほど、
私は歌いたいから歌う!
伝えたいことがあるから歌う!
…そんな気迫に圧倒されました。
その時に思い出したのが、この歌詞。
歌うのに理由も理屈もいらない。ただただ心から歌いたいから歌うんだ。
この熱い思いに突き動かされ、一人こもって悶々としていても何も変わらない、何か行動に移さなければ!と、その週のうちにゴスペルクワイヤに入会し、5ヶ月後にはオープンマイクセッションに弾き語りで初参加したのでした。