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大自然に抱かれた(10月の旅のこと①)

一度は訪れてみたい場所の一つに行ってきました。
快晴の三連休でした。
計画や予定がしっかりあると、それどおりに動けないと束縛に耐えられなくなって、支度している段階など直前に憂鬱になるタイプ。
行きたいところだけピックアップしてぼんやりと予定を立てて、
どこも予約することもなく車中泊で、ひとりで、
バイトを終えて銭湯に入って、すがすがしく 快晴の星空の中、車を走らせた。

ひとりの遠出も久しぶりだった。この旅で 感情のパレットからこぼれ落ちていた色たちを取り戻してみようと思った。


高速を下りたSAの駐車場で目が覚め、まだ寝ぼけている自覚を持ちながら 薄くもやのかかる川沿いの道を北上した。
すぐ脇には、憧れの北アルプスの峰々。細く開けている車の窓から入ってくる風が朝一番で新鮮で、ヒンヤリする。朝日が高くなってきたようで、並び立つ高い山々の 雲海の上に出ている肩や頭の部分が、薄い黄金色に照らされていた。

国道を囲む緑の山々が、夏の盛りを越してほっとしているようにも見える。
もくもくと走り、今回の旅の一つ目の目的地 ヒスイ峡に到着した。


圧倒的スケールの明星山。クライミングをしている4人グループが、カラフルな色をした小さな虫のように岸壁に張り付いていた。こんな樹も生えないような場所を、、人間は本当にすごいねぇ と、カメラを構えてすれ違ったおじさんと会話した。

渓流に降りた。水が、知っている水の色をしていない。透き通っているだけの色ではない。
水量は少なくないのに、心地よい音が流れ続ける。

ここは別世界。 大自然の圧倒的な包容力。空も、空気も、視界も音も、安心感さえ覚える。
携帯の電波も全く入らない。いまどきこんなところなかなか無いのでは。常に電磁波にさらされている環境からの解放感。色彩豊かな石たちの転がる河原に、しばらく座り込み、この大自然に溶け込んでしまいたかった。

(紀行文は、まだまだ続く・・・)


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