写真に残せなかったから尊いのかも(10月の旅のこと―別記―)

ヒスイ拾いに出かけた旅の中日のこと、
糸魚川の海岸で、下を向く姿勢にようやく疲れてきたので、ビーチの階段に腰かけて、赤く強い夕陽が水平線の向こうに落ちてゆくのを見届けていた。
空の色がじんわりと群青色へと移ろいでいく中で、西の山の肩より低い位置に、海に向かって落ちていくような角度の飛行物を見た。
短く雲をひく飛行機か、人口衛星かなとその時は思って、ただぼんやりと眺めていた。
それが8万年周期で地球に接近している彗星だったと知ったのは、休み明けの朝。
何かいいことがあるといいな。

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