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やさしさに包まれたなら

我が家の15才のワンコ。
今朝にとつぜん痙攣を起こした。ご飯を食べる気力がなく、ぐったりと横になったまま動かない。

これは…かなりマズイ。

すぐにタクシーを呼んで動物病院に向かう。
血液・レントゲン・エコー検査の結果、
急性膵炎と腹膜炎の併発が発覚。
集中治療のためしばらく入院することに。

病院の待合室で、息荒く苦しそうに呼吸するワンコ。

「大丈夫だよ。先生達がそばにいるから、もうなにも心配いらないよ」

ワンコを胸に抱きながら、何度も何度も話しかける。
ワンコは苦しそうな表情で、じっと私の顔を見つめる。
この子を抱ける最後になるかもしれない。
そう思うと、とめどなく涙が落ちてくる。

涙と鼻水でグシャグシャの顔を
ハンカチで拭おうとバッグに手を伸ばす。
すると、スッと横からティッシュが。
差しだされた方に顔を向けると、目にいっぱい涙を溜めた女性が。

「ありがとうございます」

そのときのわたしが伝えられた
精一杯のお礼の言葉。

もし、わたしが逆の立場だったら、
同じようにティッシュを差し出せただろうか。

「もし、断られたら…」
「放っておいてほしかったら…」
「ありがた迷惑だったら…」
先入観が先行して、きっと行動に移せないと思う。

わたしは女性の気遣いが、とても嬉しかった。
女性のやさしさに、心が救われた。

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