解憂所~トイレです~
仏様の誕生日である「灌仏会」を翌々日に控えたこの日。久しぶりに訪れた奉元寺(봉원사)で見掛けました。
タイトルにある通り、要は「トイレ」です。
韓国語でトイレはファジャンシル(화장실)
韓国語ではトイレを「ファジャンシル(화장실)」と言います。ハングルで書かれた文字がそれに当たります。
このファジャンシルを漢字で書くと、「化粧室」になります。ファジャン(화장)が「化粧」で、シル(실)が「室」です。
つまり標識にある解憂所はファジャンシルではなく、ヘウソ(해우소)という異なる単語を表しています。
この字を見た瞬間、思いました。
解憂所(해우소)の意味
解憂所は、読んで字の如く「憂いや心配ごとを解消する場所」という意味の仏教用語です。韓国の寺院では、トイレを指す用語としてしばしば用いられています。
なるほど、とは思いました。
確かにトイレに行った後はすっきりします。体が軽くなり、世界が明るく見えて、清々しい。
でもこの字で表現されると、いきなりグサッと核心を突かれたような気がして、無性に恥ずかしさが込み上げてくるのです。
昔とは異なり、最近は便所と言うことはほとんどなくなりました。代わりにお手洗いや化粧室、パウダールームを使う機会が増えたのは、直接的表現を避けるためだと思うのです。特にトイレの主要目的ではないが、同じようにトイレで行う他の行動(手を洗う、化粧をするなど)を強調することで、オブラートに包みたかったのだと思います。
それなのに解憂所は、他人には見られまいと避けていた部分、特に精神的な面を露骨に描写している気がしてなりません。
漢字の意味を考えれば考えるほど、じわりじわりと沸き出る恥ずかしさ。
仏教用語から来ていたとしても、できれば普通に「化粧室」と書いてほしいなあ・・・。
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ということで、韓国で「解憂所」と書かれた標識を見掛けたら、トイレなんだなと思ってください。
ではでは。