韓国伝統茶#06.菊花茶~リラックス効果のある延命長寿のお茶~
今回は、菊花茶(국화차)をご紹介したいと思います。
中国では、延命長寿のお茶としても知られる菊花茶。
韓国では、李氏朝鮮時代を舞台にした宮廷ドラマでもしばしば登場する、昔から人々に親しまれてきた伝統茶です。
菊花茶(국화차)
菊花茶は、乾燥させた甘菊(감국)の花の部分を煮出して作ります。
この甘菊は、日本では食用菊(料理菊)としても知られています。
殺菌効果があるため、お刺身などでよく見かけますよね。
◆風味
菊花茶は豊かな菊の香りと、すっきりとした後味が特徴のお茶です。同じキク科のカモミールティを想像すると、イメージしやすいかもしれません。味は決して強くないため、比較的飲みやすいと思います。
◆効能と副作用
菊花茶の主な効能は、以下の通りです。
1.眼精疲労の改善
中国では昔から、菊花茶は眼精疲労の改善に効果的といわれてきました。これは、お茶に含まれるビタミンB1やビタミンEなどの栄養成分が目の疲れを取り、ビタミンAやクサンテノンが炎症を鎮めてくれるためです。
2.リラックス・安眠効果
菊花茶にはストレスを緩和し、精神を落ち着かせる効果があるといわれています。リラックスすることで安眠を促すため、不眠症の改善にもつながります。
3.心血管疾患の予防と改善
菊花茶を定期的に飲むことで、心血管疾患の予防と改善に効果があることが分かっています。例えば、活性酸素を抑制する抗酸化作用のあるビタミンを多く含んでいることから、血中コレステロールを改善して、血液の循環を良くします。
4.風邪の予防
豊富に含まれるビタミンCは、新陳代謝を促進して免疫機能を強化するため、風邪の予防に役立ちます。
5.頭痛やめまいの改善
頭痛やめまいの症状を緩和し、改善することも知られています。ストレスが原因の頭痛に効果的です。
6.美容効果
菊花茶には抗酸化作用があり、肌に弾力を持たせる美肌効果があるといわれています。また豊富に含まれるビタミンCには、肌の老化を遅らせる効果があります。
7.老化予防
お茶に含まれるビタミンCとカロテンが活性酸素を除去し、細胞の再生を助けることから、老化を防止する効果があります。
上記以外にも、痛風の予防・改善、抗炎症作用、解毒作用、抗がん作用、脳の健康、記憶力と認知力の向上、成人病予防、二日酔いの改善、慢性皮膚炎やアトピー性皮膚炎の改善などに効果があることが報告されています。
注意点
万能で健康にいい菊花茶ですが、注意が必要な場合もあります。
まず、皮膚炎にも効果があるといわれる菊花茶ですが、稀に体質によってはかゆみや発疹などのアレルギーを誘発することがあるといわれています。
また、菊花茶は陰陽五行説に当てはめると、身体を冷やす陰の性質を持っています。そのため、基本的に身体が冷えやすい体質の方が過剰に摂取すると、腹痛や下痢を引き起こす要因となるため注意が必要です。
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このように、菊花茶は美容効果が高く、健康を促進させ、また、その豊かな香りで心と体をリラックスさせてくれる伝統茶です。
カフェインは入っていないため、就寝前など、静かな場所でリラックスした時間を過ごしたい方にはおすすめです。
◆◆参考サイト◆◆