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#15. 直観は神様からの贈り物。両手を広げて受け取りましょう。

 高校を卒業して1浪した後、イギリスの大学に留学しました。当時は国際政治に興味があり、将来は国際機関やNGOなどで働きたいという夢を描いていました。


段々と消え去っていく夢

 しかし、少しずつ、そんな夢も消えていきます。特に理由はありません。ただ、時間とともに夢に対するこだわりがなくなり、叶えたいとも思わなくなりました。

 そんな状態で大学3年生の最後の試験が終了します。

 夢というのは変わっていくものなので、夢がなくなることに関しては特段気にすることはありませんでしたが、それよりも、代わりにやりたいことがないということが、当時の私にとっては困りものでした。

 1年後には卒業です。それなのに、大学を卒業した後に進む道がはっきりしないのです。

 当時は「今やるべきことをやっていれば、次に進む道は必ず与えられる」と信じていました。つまり、自分で探そうとしなくても時期が来れば自然に見えてくるものだと思っていたのです。

 ーーしかし、見えません。考えても、分かりません。

困ったなあ・・・。

 来年には新しい一歩を踏み出さなければならないという現実を目の前にして、私は途方に暮れていました。


「したいこと」と「したくないこと」

 必要な道は与えられるとはいえ、何もせずに待っているのはできません。余裕もなく、焦りだけが募ります。

 そこで、「したいこと」と「したくないこと」をはっきりさせて優先順位を付けることにしました。その結果、以下のようになります。

1.日本には帰らない(絶対。マスト。これだけは譲れない)
2.アジアに住みたい(タイやベトナム辺りを希望。他の国でも可)
3.就職はまだ早い(というか、したくない。海外で就職できるなら可)
4.現地の言葉を学ぶ
5.英語を引き続き学べる環境にいる

 結果、特に何も起きませんでした(笑)このときは。


神様からの贈り物は空を見上げながら受け取った

 6月~9月下旬は夏休みです。3年生が終わり4年生が始まる前の夏休みでした。私は韓国を旅行していました。

 その日は韓国人の友人とふたりで弘大ホンデを歩いていました。

 8月の終わりーー。日が当たる場所では真夏の香りが残っているものの、風は確かに秋が到来したことを伝えています。

 学生が溢れる弘大の街を歩きながら見えたのは、不揃いに建てられた建物と、その合間に細長く映る秋空です。決して大きくはないその空には、雲がひとつ、半分だけ顔を出していました。

 そんな光景を見ながら、私は感じます。

あ、来年の今日、同じ場所で、これと同じ景色を見ることになるーー。

 来年の今日というと大学を卒業して次に進む道が決まっている時期です。それどころか、次のステージが始まっていてもおかしくありません。そんな時期に同じ光景を見るということは、次に行く場所は韓国なのだと確信しました。


再び「したいこと」と「したくないこと」を考える

 それは留学を決めたときに感じた確信と同じ確信でした。「直観」という神様からの贈り物を受け取った時点で、韓国に行くという私の未来は決まったのです。

 しかし、韓国で何をするのかは分かりません。そこで「したいこと」と「したくないこと」を改めて明確にすることにしました。

 その結果、こうなります。

1.日本には帰らない(絶対。マスト。これは譲れない)
2.韓国に行く
3.就職はまだ早い(というか、したくない。海外で就職できるなら可)
4.大学院に行く(学歴社会の韓国でも就職に困らないため)
5.韓国語を学ぶ

6.英語を引き続き学べる環境にいる
7.大学院に行く場合は奨学金をもらう

 どれだけ叶うかは考えません。とにかく自分が望むことを明らかにするためだけに書き出しました。

 これで「韓国に行くという未来」と「自分の望み」ははっきりしました。方法は分かりませんが、それでも、方法は探せば必ずあるのだということは知っていました。


ふと頭に浮かぶことも神様からの贈り物

 とはいえ、どこを探せばいいのか分かりません。まずは韓国語を学ぶために語学学校に通うべきか、それとも別の道があるのかーー。自分なりに色々と検索しますが、どれもしっくりきません。

 すると、韓国人の彼女(私の友人でもある)を持つ日本人の友人のことがふと頭に浮かんだので、彼に訊いてみることにしました。彼なら答えを知っている気がしたのです。

 メールの返信には「韓国には国際大学院というのがあって、そこでは授業を英語で行っているため、韓国語ができなくても入学できる」と、書かれていました。

 私はすぐに気がつきます。

国際大学院に通いながら韓国語の勉強をしたらさ、
1~6までの望み、全部叶っちゃうじゃん。

 もう自分のためだけに用意されたような道です。確信しかありません。「自分が行かずに誰が行くのさ?」と、本気で思いました。

 ちなみに、7.奨学金に関しては、大学院に行けば必然的に奨学金も貰えるはず(神様がそういう手配をしてくれている)と思い、ここでは気にしませんでした。そして、実際に奨学金も貰えることになったので、やはりあのときは気にする時期ではなかったのです。


贈り物を受け取ったら空に向かって走り出そう

 留学を決めた時と同じように、韓国に行くと決めた後はすべてがスムーズに進みます。国際大学院を持つ大学を調べ、その中から申し込む大学を3校選び、準備した書類を国際郵便で送りました。

 今もそうなのかは分かりませんが、当時イギリスの郵便物は紛失しやすいという話をよく聞きました。それが国際郵便となれば尚更です。特に申請書を送った時期がイースターだったこともあり「3分の1の確率で紛失するかもね」なんて、半分冗談・半分本気で思っていました。

 その結果、見事に一校、申請書が届かなかった学校ありました。怒りとかはなく、それよりも予想した通りのことが起きたことに感心してしまいました。「おーマジで1個紛失したぜ😲❕」みたいな。

 海外ではこういうハプニングは付き物です。
 皆様も、お気を付けくださいませ。


 閑話休題。

 無事書類が届いた2校は書類審査を通過し、電話面接に臨むことになりました。Skypeでもなく電話です。しかも、時差があるので掛かって来たのは深夜1時と朝4時近くでした。レッドブルにはお世話になりました。

 それから数週間後、合格メールを受け取ります。


それから再びあの場所へーー

 大学を卒業して迎えた8月中旬、私は韓国へ渡ります。

 そして1週間ほど経ったある日、私は再び弘大ホンデに向かいました。1年前と同じ友人と、同じ道を歩きます。

私)「そういえば覚えてる? 去年の同じ頃、ふたりでここを歩いたのを」

友人)「うん、もちろん!」


◆◆◆


 直観、ふと浮かんだ考え、思いつきーー。

 これらはすべて神様からの贈り物です。

 両手を広げて受け取りましょう。


 「でも」「しかし」「そうは言っても」ーー

 なんて言葉はもう終わりにしませんか。

 そういう生き方は、もう十分に経験してきたはずです。

 そろそろ飽きてきた頃じゃないですか。


 実は、かなり頻繁に

 神様はあなたに、贈り物を送っています。

 これからは、それらの贈り物はすべて

 両手を広げてありがたく受け取りましょう。


 受け取った先には

 自分ひとりではたどり着けない

 驚きと感動の世界が

 あなたを待っているはずです。

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