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「不滅の画家ヴァン・ゴッホ:THE GREAT PASSION」at Seoul Arts Center

 大晦日にやって来たのは、Seoul Arts Center(예술의전당)の Hangaram Art Museum(한가람미술관)。

 2025年3月16日まで開催している「不滅の画家ヴァン・ゴッホ展:THE GREAT PASSION」を観に行きました。

Seoul Arts Center(예술의전당)の Hangaram Art Museum(한가람미술관)

 ヴァン・ゴッホの人気を反映して、とにかく人だらけ。

 Hangaram Art Museum の開館時間は10時ですが、10時15分頃に到着したときにはすでに長蛇の列ができていました。そこで今後の参考のためにも、いくつか注意点を記載しておきたいと思います。

  • ネット予約でも発券は必須(←ここで長蛇の列)。

  • 発券コーナーの横にあるタブレットで待機登録する。韓国の携帯電話番号を持っている場合は「Korean(내국인)」を選択し、番号を登録。カカオに連絡が来る(待機人数をリアルタイムで確認することも可能)ので、その画面をスタッフに見せて入場する(←ここでも並ぶ)。電話番号がない場合は「International(외국인)」を選び、メールアドレスを登録する。

  • 10時過ぎに来ても、待ち時間は15分以上。11時以降に来る場合は、30分以上は覚悟した方が良さそう。

  • ロッカーは地下よりも2階の方が断然空いているのでおすすめ。

  • 待機する場合も、2階や3階が空いていておすすめ。

 ちなみに、同じく開催中のカラヴァッジョ展とミシェル・アンリ展はすぐには入れるので、このような手順は必要ありません。また、ほかの美術館でよくある時間帯を指定しての予約はできません。ということで、余裕を持って来るしかありませんね。

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特別展「不滅の画家ヴァン・ゴッホ:THE GREAT PASSION」

 展示会では、オランダのヴァン・ゴッホ美術館およびクレラー・ミュラー美術館の協力のもと、クレラー・ミュラー美術館が所蔵するヴァン・ゴッホ作品76点が展示されています。

 オランダ時代(1881年~1885年)、パリ時代(1886年~1888年)、アルル時代(1888年~1889年)、サン=レミ時代(1889年~1890年)、オーヴェル=シュル=オワーズ時代(1890年)の5部構成となっており、個人的にはオランダ時代の素描を多く見られたのが興味深かったです。

 以下では、展示会で観た作品を、個人的に好きだったもの含めて抜粋して掲載したいと思います。写真は不可だったため、画像はすべてクレラー・ミュラー美術館から拝借しました。

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◆オランダ時代(1881年~1885年)

《Loom with weaver》1884年4月~5月
クレラー・ミュラー美術館より)

初期の頃の作品。
68.3 cm × 84.2 cmとゴッホ作品の中では比較的大きめで、個人的に好きだった絵。
実物はこれよりも色が鮮やか・・・というか、強く表現されていた気がする。
《ジャガイモを食べる人々》1885年4月
Lithograph on wove paper

クレラー・ミュラー美術館より)

油絵の《ジャガイモを食べる人々》と比べてみたところ、左右反転していたので何でかなあと思っていたら、リトグラフ(石版画)だった。

◇◇

◆パリ時代(1886年~1888年)

《自画像》1887年4月~6月
クレラー・ミュラー美術館より)

やっぱりゴッホといえば自画像だよなと再確認。
オランダ時代と比べて、色が明らかに鮮やか。
《石膏像のある静物(Still Life with Plaster Statuette)》1877年末
クレラー・ミュラー美術館より)

なんだかポール・セザンヌっぽいなあと思った作品。
ほら、これ《Still Life with Plaster Cupid》に似てない?

◇◇

◆アルル時代(1888年~1889年)

《種をまく人》1888年6月17日~28日頃
(クレラー・ミュラー美術館)

ジャン=フランソワ・ミレーの《種まく人》を参考に制作された作品。
黄色が本当に美しかったな~。マジ、何種類の黄色を操ってんだよ。
そして、めっちゃ分厚かった。どれだけ塗り重ねたのよ。

◇◇

◆サン=レミ時代(1889年~1890年)

《種をまく人》1890年1月
クレラー・ミュラー美術館より)

こちらの方がミレーの《種をまく人》に近い。
でも個人的には、黄色の美しさが際立つ上の作品の方が好き。
《善きサマリア人》1890年
クレラー・ミュラー美術館より)

ドラクロアの《善きサマリア人》を模して制作された作品。
ゴッホらしい表現で結構すきだった。

◇◇

◆オーヴェル=シュル=オワーズ時代(1890年)

《若い女性の肖像画》1890年6月末~7月初
クレラー・ミュラー美術館より)

背景の書き方が独特だこと。

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 作品とともにヴァン・ゴッホの画家としての流れが分かる展示会でした。

 そして今回改めて、韓国の美術展には子どもたちが多いなと感じました。冬休みということもあり、家族連れだけでなく、美術に興味のある子たちの集まりなのか、親御さんに連れられた小学生グループもいて、オーディオガイドを聞きながら、静かに鑑賞していました。

 小さい頃からゴッホ作品に触れられるなんて、貴重な経験だよなあ。

 羨ましいと思いつつ、ただ自分が小さい頃は絵画に興味が無かったので、連れて来られてもつまらなかっただろうなとも思いました。

 ま、人生なんてそんなもん。

 何事にもタイミングってのがありますね。早けりゃいいってもんでもないし、結局、何が最適かなんて分からない。ってか、分からないのが楽しいのよ。

 好きな絵画を楽しめる今をエンジョイしようっと。


■■Seoul Arts center 公式サイトの展示案内(英語)■■


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