韓国語#11. 「辛い」という表現が多すぎる問題
ご存じの通り韓国料理は辛いものが多いです。
辛くない食べ物もたくさんありますし、見た目が赤くてもそれほど辛くない料理もあるのですが、それでもやはり、和食に比べれば「辛さ」というのは韓国料理では重要なポジションを占めています。
また、食文化というものはやはりその国の言葉にも影響を与えているようで、ある日ふと思いました。
ということで、今回は「辛い」と表現する単語を集めて、ご紹介したいと思います。
調べてびっくり、17個もありました。覚えて使い分けるというレベルではありません。気になって調べてはみたものの、多すぎて途中から飽きてしまいまいました。しかも、どんな違いがあるのか分からない単語がたくさんあります。
そんなこともあり、読むのは最後の「よく使う単語」という項目だけでも良いかもしれません。
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※今回は以下のサイトを参考にしました。また、同サイトに記載されていな意味は、標準国語大辞典を参考にしています。
17の「辛い」という表現
1.맵다(メプタ)
「辛い」ということを表現する際に一番よく使われる単語です。とりあえずは、まずこの単語を覚えておけば大丈夫でしょう。
맵다 は料理名にも使われます。
2.매콤하다 (メコマダ)
매콤하다 もよく使う表現のひとつです。「この料理はちょっと辛いね」「ピリ辛だね」と言いたいときに使います。
3.매큼하다(メクマダ)
この辺りから、違いが分からなくなります・・・。
4.매움하다(メウマダ)
5.매옴하다(メオマダ)
6.맵싸하다(メプサハダ)
個人的には聞きなれない単語です。
7.아리다(アリダ)
こちらの単語もあまり聞かない気がします。
8.칼칼하다(カルカラダ)
あくまでも個人的なイメージですが、トッポキなどのような甘辛い味には使わない気がします。それよりも透明だけど刺激のある辛さを持つスープ、つまり、刺激はあるけれど後味がすっきりしている料理によく使います。
9.얼큰하다(オルクナダ)
10.알큰하다(アルクナダ)
標準国語辞典によると 11.알근하다 よりも強い感じを与えそうです。
11.알근하다(アルグナダ)
12.얼근하다(オルグナダ)
13.아릿하다(アリッタダ)
この単語は今回初めて知りました。
14.어릿하다(オリッタダ)
こちらも同じく初めて目にする単語です。
15.알알하다(アルアラダ)
この単語は辛いというよりは刺激を表現する「ひりひり」に近い言葉です。
16.얼얼하다(オルオラダ)
こちらも同じように、刺激を表現する言葉です。알알하다 を「ひりひり」とすると、こちらは「ぴりぴり」でしょうか。ただし、韓日辞書には「ひりひりする」と「 ぴりぴりする」の両方の意味が出てきます。
17.알싸하다(アルサハダ)
こちらも聞きなれない単語のような気がします。
舌だけでなく「鼻の中がひりひりする」という説明を見ると、どの単語よりも強烈に辛いのだろうと思ってしまいますね。
◆似ている単語は仲間の単語
以上の単語を見ると、似たような単語があることに気が付くと思います。これらの単語は仲間と思っても良さそうです。
韓国の人にも、こんなに似たような単語ばかりあって実際にどう使い分けているのかを訊いたのですが、説明するのは難しいようでした。特に、味を感じながらでないと説明のしようがないようです。そりゃそうですよね。
詰まるところ、感覚でしか違いの分からない単語です。
◆よく使う単語
さてさて、さすがにこれだけの単語を覚えて使うのは難しいと思います。最後に、独断と偏見と経験で選んだ、それでも覚えておいた方が良い単語を4つお伝えいたします。
まず、何があっても必ず覚えた方が良い単語は「맵다(メプタ)」です。とてもよく使います。
その次が「매콤하다(メコマダ)」です。こちらも 맵다 に負けず劣らずよく耳にします。
「얼큰하다(オルクナダ)」も比較的よく使われる単語で、特に、辛い鍋料理に対して使う気がします。鍋のスープを飲んで「얼큰하다」というと、とても美味しそうに聞こえますね。
最後は「칼칼하다(カルカラダ)」です。これは特に覚えてほしい単語です。なぜかというと「後味がすっきりする刺激のある辛さ」を「칼칼하다」と表現できるようになると、自分の韓国語力がネイティブに近づいたと感じられるからです。初めて正しく使えたときは本当に嬉しかったです。
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ということで、興味のある人は覚えて使ってみてください。
ではでは😊