裸足散歩が流行ってるらしい
先月、日本から来た友人とともに大邱(대구)まで行ってきました。
友人と友人の娘は BTS ファン。大邱は BTS テテ(V)の故郷らしく、彼が通った大成小学校にはファンによるパノラマ壁画アートが造られ、観光名所になっているのだとか。
テテが最も愛する画家ゴッホの名画《星月夜》をモチーフにした背景に、様々な言語で書かれたメッセージ、ソロ曲や自作曲のジャケット写真などが描かれていました。
さて、本題はここから。
この小学校は近所の方々に開放されているようで、夕方の時間帯でしたが、校庭をぐるぐると歩いて回るアジュンマ(おばちゃん)やアジョッシ(おじさん)が何人もいました。
しかも、全員、裸足。
とても不思議な光景です。それを見た友人は、なぜ裸足なのかどうしても知りたくて、こらえきれずにアジュンマに訊いていました(彼女は韓国語が話せます)。臆することなく訊きに行ける彼女の強さよ。こういうところ、大好きです。アジュンマ曰く、健康のために裸足で歩いているそうで、最近の研究結果で証明されたのだと言っていました。
そんな話を聞きながら、何だか楽しくなってきた私たちは、テテの小学校で裸足で歩き回る機会なんてないだろうと、早速靴を脱いでジョインすることにしました。
キャハハとはしゃぎながら歩く私たちにアジュンマは、初めてだと足の裏が痛いかもしれないから、小石が少ない砂場を歩くと良いと教えてくれました。朗らかで、優しいアジュンマ。友人の娘も大喜びで、裸足のまま滑り台を何度も上り下りして楽しんでいました。
裸足で歩くなんて、何年ぶりだろう。
小学生のときは、夏になると校庭でも裸足で過ごす決まりがあり、理由は健康に良いからということでしたが、正直、私は疑っておりました。卒業後30年近く経ち、大邱の地で、あれは嘘ではなかったのだと知ることになったのです。
1泊2日の小旅行――。ソウルに戻ると秋はすぐそこまで来ていました。
ここ1,2か月は猛暑のせいで(言い訳かどうかはさて置き)運動不足気味だったため、久しぶりに山へ繰り出します。
すると、びっくり。
そこには、裸足で歩道を歩く人々が!
以前からソウルでも公園や山に行くと、裸足で歩いている人をちらほら見掛けることはありましたが、ここまで大々的な裸足歩き(맨발걷기)を見るのは初めてです。しかも、専用の道までできていました。足洗い場もあります。
ん? 流行ってるの?
土の上を裸足で歩くのは健康的とはいえ、土ならどれでもいいわけではなく、聞いた話によると、費用は高くなってもいいから良い土を使ってほしいとの要望に応えて、パックにも使われる黄土(황토)を採用したそうです。
黄土の効能は、血液循環の促進、新陳代謝の活性化、関節炎や筋肉痛、腰痛などの改善、老廃物の分解、美容効果、精神安定など様々です。
また、黄土の上を靴を履いて歩かない、犬を連れない、足に傷がある場合は使用禁止など決まり事もあったりして、区によってきちんと管理されているようでした。
やってみたい、ゾ・・・。
ということで、私も参加することに。
冷たくて気持ちがいい!
細かい土を使っているので、足裏は痛くありません。つるっつる。
ただし、水を多く含んでいる箇所は滑りやすいので注意が必要です。道の途中では(おそらく消毒も兼ねて)水を撒いている方がいましたが、お一人お一人に丁寧に注意を呼び掛けていました。また、辺りの樹々から落ちた葉を片付ける方もいたりして、色んな方の協力の下で健康が守られているんだと感じ、心が温まりました。
気づけば、心も身体も健康的に。自然に囲まれた、素敵な時間です。
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