見出し画像

#147 知られていない関節弛緩性とは

日常生活を楽に送るためやスポーツなどで
ケガをしないためには
身体が柔らかいほうがいいと
いわれていたりします。

柔軟性はあるに越したことはないですが、
柔軟性はあればいいというわけ
でもございません。

柔軟性があるということは、
関節の可動域が大きいとも言えます。

一般の人よりも関節の可動域が
大きすぎてしまう場合、
場合によってはケガのリスクが
高まってしまうことがございます。

また、関節の固定力が弱まり、
軸がぶれることによって、力が入りにくい、
もしくは疲労しやすい、関節の摩耗が大きいなどの症状にも繋がってしまう
恐れもございます。

関節弛緩性(不安定性)には、
先天性のものと後天性のものがあります。

先天性のものは、
持って生まれた体質のことをいいます。

特に女性は不安定性が高い傾向にあると
言われています。

後天性のものは、捻挫・脱臼・靱帯損傷などにより関節への外傷よって関節の不安定性を生じたものとされています。

関節弛緩性をチェックするテスト法に
関節弛緩性テスト(東大式)
がございまして、
多く採用されております。

【関節弛緩性テスト(東大式)】

①手関節:掌を上にして手関節を
母指とともに掌屈し、
母指が前腕にくっつく場合を
陽性とします。

➁肘関節:肘を真っ直ぐ伸ばした際、
肘関節の過伸展が15度以上ある場合を
陽性とします。

③肩関節:一方の手が上から、
他方の手が下からで背中で指が
握れたら陽性とします。

④膝関節:膝を真っ直ぐにして立ち
膝関節の過伸展が10度以上ある場合を
陽性とします。

⑤足関節:膝を曲げた状態で足関節が
45度以上背屈した場合を
陽性とします。

⑥脊柱:立位体前屈で手のひらが
全てつく場合を陽性とします。

⑦股関節:立位で踵をつけた状態で
股関節を外旋し、つま先が180度以上
開く場合を陽性とします。

⑥脊柱以外の関節は両方あるので、
0.5点ずつでカウントしていきます。

すべての項目をテストしていき、
合計で3点以上になりますと
関節弛緩性があると評価することが
できます。

合計で6~7点になる場合は、
全身的な関節弛緩性が強いと考えられます。

確実な因果関係があるとは言えませんが、
以前女子中学生のバスケットしていた子が
ジャンプの着地で
膝が内側に入ってしまい
前十字靭帯断裂の大ケガを負いましたが
この女の子には、関節弛緩性がありました。

関節弛緩性によるケガの場合、
ケガの回復はもちろんのこと
筋力バランスの強化、
獲得や身体の使い方などを見直さなければ
ならない場合が多かったりしますので、
根気強くやっていく必要がございます。

弱いところの筋肉をやみくもにつければ
いいわけではございません。

もし、皆さんの周りにスポーツや
運動を行っていて
上記のテスト項目のように
身体が柔らかすぎる方が
いらっしゃいましたら、
大ケガをしてしまう前に
テスト法を行っていただき、
しかるべき場所で
チェックしてもらうことをオススメします。

前十字靭帯に関しまして気になる方は
こちらの投稿も参照していただけると
幸いです。