#165 聞き馴染みのないTFCC損傷とは
日常生活動作やスポーツ動作を行っていて、
不意に手首が痛くなってしまった経験は
ございませんか?
特に、手首の小指側に痛みが
出てしまっている場合は
TFCC損傷の可能性が考えられます。
TFCCとは、
正式名称を「三角線維軟骨複合体(Triangular FibroCartilage Complex:TFCC)」
といいます。
①三角繊維軟骨
三角繊維軟骨という関節円板で骨と骨が
こすれないようにクッションの
役割をしています。
②手関節尺側側副靭帯
手関節尺側副靭帯という靭帯で手首の
関節の安定性を保つ役割を持っています。
③橈尺靭帯
橈尺靭帯という靭帯で手首の関節の
安定性を保つ役割を持っています。
上記の①~③を含む、
手首の小指側の安定性を保ってくれる組織を三角繊維軟骨複合体(TFCC)
といいます。
この組織は手首の小指側の衝撃を吸収する
クッションの役割をしたり、
前腕の骨であります橈骨と尺骨という
2本の骨を離れないようにする
働きを持っています。
TFCCを痛めてしまうきっかけは
転倒等で強く手を衝いた際や、
手関節から前腕に強いねじれ外力、
とくに回内力が加わった際に
発生するものと、
手関節の使いすぎ(オーバーユース)や
加齢などによる変性のある場合の
軽微な外力で発生するものとがあります。
他にもテニス、バドミントン、ゴルフなどで痛めてしまう可能性もあります。
TFCC損傷の症状には
主に下記のものがございます。
・手首の小指側の痛み
・手首を小指側に曲げるときの痛み
・パソコン操作、重いものを持つときの痛み
・ドアノブを回すときの痛み
・動作開始時の手が抜けそうになる感覚
・手首の腫れ
・手首の可動域の制限
TFCC損傷はオーバーユースや怪我などに
よって起こるため、放置しても改善は
見られないことが多かったりします。
使いすぎを防止し、
安静にして過ごさなければ症状が
どんどん進行していくことも
あったりします。
ただ、日常生活を送る上で
なかなか手を使わず安静にすることは
難しかったりします。
過剰な動作を制限するために、
包帯やテーピング、サポーターなどでの
固定が痛めた直後や痛みがひどい場合は
必要になってきます。
TFCC損傷は、
手首のケガになりますが、
転倒等の外傷以外で
痛くなってしまった場合は
この部分だけの問題ではなく、
手関節と関係がある肘関節や肩関節の問題や
背骨の柔軟性や身体の使い方のエラーが
ある場合も考えられます。
人間の身体はシンプルと複雑が
混在しておりますので
思ってもみないことや動作、
クセが悪さをしていることもありますので、
目に見えることだけでなく、
見に見えない部分にも
思いを馳せていただければ幸いです。