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もう一つの旅路:『Celeste Classic 2』プレー感想回想記
みなさんは『Celeste』(のClassicの方)に『2』が出ていたことをご存知でしょうか?
2021年1月末、『Celeste』3周年を記念して『Celeste Classic 2』がリリースされました。リトライの早いちょいムズ2Dプラットフォームという性質はそのままに、プレー感は全く違うこの『Celeste Classic 2』を同年2月にプレーしたので、当時を思い返しながら感想回想記という形で記しておきます。
『Celeste』シリーズの話
◆ 『Celeste』と『Celeste Classic』
まずそもそも『Celeste』とは、訳あってセレステ山に登るマデリン(Madeline)を操作して、その頂上を目指す2Dアクションゲームです。
ゲーム内容はトライ&エラーを繰り返すいわゆる「死にゲー」で、ジャンプやダッシュなどを駆使してトゲや穴を越えていくものですが、理不尽な要素も乱数要素も無くリトライも早いため、シンプルに自分のアクションの腕前と向き合うゲームとなっています。その難易度もステージを進めるにつれじわじわ難しくなるようになっており、初心者でも少しずつ山登りの技術を身につけていけば山頂からの景色を見れるようになっています。
また、綺麗なドット絵や様々なステージを彩る音楽、そしてコアゲーマー向けに上手くデザインされた高難易度ステージなど、様々な面において評価が高く、発売初年で50万本以上も売り上げる人気のゲームとなっています。
この『Celeste』の原型となったゲームが『Celeste Classic』です。
『Celeste Classic』は『Celeste』開発者がPICO-8で作成したゲームで、『Celeste』のゲーム性のまさに原型というゲームです。このゲームは条件をクリアすれば『Celeste』の中でも遊ぶこともできますし、現在はブラウザからでも遊ぶことができるものとなっています。
自分はこのどちらもプレー済で、特に『Celeste』の方は自分の性分とのハマり具合が抜群で、通常クリアだけではなく、全ステージクリアやSteam版の全実績解除を行い、さらにノーデスでのステージクリアを目指してみたり、grabless(=設定から壁掴みをOFFにしてプレーする遊び)に挑戦してみたりするくらいにはプレーしていました。
このどハマりしたゲームシリーズに『2』が出たらしいと聞いて、チャレンジしないわけにはいかないと思いプレーしてみることにしました。
◆ 『Celeste Classic 2』とは
そして登場した『Celeste Classic 2』。このゲームは『Celeste Classic』と同様、『Celeste』の製作者がPICO-8で製作した2Dアクションですが、ストーリーやアクション要素は『Celeste』及び『Celeste Classic』とは別物となっています。
障害物を越えてイチゴを収集しながらゴールを目指すという基本的なゲームの目標は『Celeste Classic』と同じです。一方で、操作するキャラクターのアクションにはエアダッシュの代わりにフックショットが用意されています。真横にのみ打てるフックショットを壁などに刺してそこへ移動したり、フックショットの移動の勢いをつけてジャンプをしたりしてステージを攻略していきます。
その他、操作するキャラクターがLaniと呼ばれる人物になっていたり、山を登るというか横に進む形式になっていたりと色々異なる点があります。
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フックショットで物を運んだりもできる。
『Celeste Classic 2』は上記のリンクで公開されており、ブラウザからでも遊ぶことができます。気軽にチャレンジできるので是非ともチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに自分の体感難易度では、難しいところで『Celeste Classic』より少し難しく、『Celeste』でいう序盤チャプターのB面くらいでした。ご参考までに。
新たな姿でも変わらないもの:プレーしてみての話
これまでと同じようでいろいろと違う『Celeste Classic 2』。その面白さについてはこれまでと同じところも違うところもありました。
◆ フックショットと『Celeste』
まず、2の目玉であるフックショットでのアクションが面白いですね。
フックショットは真横にしか打てない点と、フックショットを壁などに刺して進む点の都合上、どのタイミングでどこにフックショットを打つのかということを決めるのが大切で、このようなルート探しの面白さはこれまでと共通しています。
一方で、フックショットを壁などに刺した後、ワイヤーに引っ張られている途中でジャンプすることで勢いを乗せたジャンプをすることができるのですが、引っ張られの移動速度が速いのに加えどのタイミングでジャンプするかが大事なので、ちょうどいいタイミングを見計らう面白さはこれまでとはちょっと違うポイントです。
これまでのエアダッシュでのアクション(想定としては『Celeste』のチャプター7のA面を通常のやり方でクリアする程度)では、割とタイミングがズレても許容範囲内であったりするので、各々アクションのタイミングというよりかは「それらをどういった手順で行うか」という組み立て方が大事で、いかにこれを考え実現・リカバリするかが面白いところの一つでしたが、『Celeste Classic 2』の方ではその許容範囲が狭いのとリカバリがしにくいという特徴があるので、コンボ技術のような「テクニックをいかに正確なタイミングで入力できるか」という技術磨き的な面白さがあります。
『Celeste』でのwave dashを身につけるような面白さに近い気もしますが、ジャンプ入力タイミングのわずかな違いで挙動が変わるところが、ディレイで派生するコンボぽくて一味違った趣があります。
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右のタイミングまで引き付けてジャンプすると壁まで飛ぶことができる。
さらにフックショットアクションではフックショットを打つ高さを正確に合わせるという面白さもあって、これが決まるとなかなか楽しいです。
フックショットを床につながる壁の上端ギリギリに打ち込むことができると、引っ張られた後に壁に掴まることなくその床に勢いそのままに乗ることができます。そしてそこで床からジャンプすると勢いのついた大ジャンプをすることができます。割とお手軽にできるので、上手く移動に組み込めるとハイスピードに進行できるので爽快です。
![](https://assets.st-note.com/img/1643137700231-vChSLf7axj.png?width=1200)
『Celeste』でも、スーパープレーや詰めたスピードランくらいまで極めようとすると精密な高さ合わせが必要な場面(demo dashでの隙間抜けなど)が出てくるなど、概念自体は存在していたのですが、通常プレーでクリアする分にはそこまでの精密さ必要ありませんでした。『Celeste Classic 2』でのこのようなテクニックは、一般プレーヤーでも実現しやすく様々な場面で使えるので、その面白さを体験しやすくなったとも考えることができます。こちらがwave dashのような立ち位置ですね。
◆ 『Celeste』のコア
これまでとはアクション性が違う『Celeste Classic 2』ですが、その名を冠するだけあって『Celeste』シリーズに通底する面白さの要素も存在しています。
『Celeste』シリーズお馴染みの収集要素であるイチゴは『Celeste Classic 2』でも健在で、やはり少し難しいところに設置されていたり、隠し部屋に配置されていたりします。イチゴがある場所を探す要素もあるという点では、『Celeste Classic』よりも『Celeste』的だと言えます。
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イチゴが配置されているだけの部屋も健在
不自然な天井のスキマの先には……?
『Celeste』の重要な顔の一つである音楽についても『Celeste Classic 2』でその良さはしっかりと組み込まれています。曲数こそ少ないものの、プレーヤーの挑戦を盛り上げるような曲が用意されていて、楽しくプレーすることができました。
そして、『Celeste Classic 2』でも自分自身と向き合う要素があります。といっても、『Celeste』のストーリーのようなものではなく、自身のアクションの腕前との向き合いとなります。まずは、クリアを目指して各ステージでトライ&エラーを繰り返し、そしてクリア後はタイムやデス数を減らすための挑戦を繰り返す。シリーズを通じてこれらを面白く快適に行うための環境の整備(リトライが早い・ゲーム内でのタイム計測など)がされているので、何度も挑戦しその度に過去の自分の失敗や記録と向き合うということを行いやすくなっています。
特に『Celeste Classic 2』は慣れると1周が早いので何周もしたくなっちゃいます。早い人だと2分を切るとか・・・。
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(中央) その後イチゴ全回収でも頑張れば20分台に
(右) 最終的なAny%の自己ベストは3分40秒。初見時の10倍速くなった
おわりに
『Celeste』3周年を記念して登場した『Celeste Classic 2』。姿やアクションこそ変われどそこに流れる『Celeste』の血筋は確かなもので、お手軽なボリュームでありながらも、自分自身の腕試しとして、そしてその腕をさらに磨くものとして、とても良いものでした。『Celeste』自体多くの人から愛されるコンテンツであり、2021年もアップデートがあるなど、今後どうなっていくのか楽しみでもあります。そんな『Celeste』シリーズをみなさんもやってみてはいかがでしょうか。