ライトだからこそ:『神巫女』プレー感想回想記
『神巫女』クリアしました。お手軽サクサクな2D探索アクションでありながら、楽しい叫び声が思わず出てしまう面白い作品でした。そんな『神巫女』のプレー当時を思い返しつつ感想を書いていきたいと思います。プレー自体はお正月の頃なのですが、せっかくなので当時を振り返る感想回想記として記しておきます。
(プレーしたのがSwitch版だったので、自分のプレーの感想などはSwitch版に準拠しています。)
『神巫女』との出会い
▶︎ イベントの“見方”
とにもかくにも、まずはこちらをご覧ください(Twitch or Youtube)
これらは2020年末に行われたRTAイベント『RTA in Japan 2020』で行われた『神巫女』のRTA(100% Yamato)の模様です。走者の方も解説の方もめちゃ楽しそうですね。「イエ〜イ開発者さん見てる〜〜???」
これを観たのがきっかけで『神巫女』をやってみることにしました。というのも、この回のRTA in Japanでは個人的にイベントの「新しい見方」を試していました。その結果が『神巫女』をやることにつながったのです。
これまで、RTA in JapanをはじめとするRTAイベントは『本将棋 内藤九段将棋秘伝シングルエリミネーショントーナメント』でハマったのをきっかけに、「イベントがやってたら観る」くらいのいわば「沿道観戦」の気持ちでイベントを見ていました。
実際、RTA走者さんの洗練された技術や練り込まれたチャート、それらを分かりやすく伝えてくれる解説者さんの技術や一風変わったイベント企画など、個別のゲームに詳しくなくても観るだけで楽しい要素はてんこ盛りで、面白いものなのですが、ある時ふと気がついたのです。「これってめちゃくちゃ良いゲームカタログなのでは?」と。
知らないゲームでも、そのゲームがどんなゲームでこのプレーでは何を目的にするのかについては、RTAという特性上説明がなされることが多いですし、どこが大変でどこが面白いのかという生身のプレイヤーの声を実際のプレーを見ながら併せて知ることができます。しかも、イベントでは次々にゲーム披露されるため、知らないゲームについて詳しく知るチャンスがたくさん存在します。「このチャンスを有効活用しない手は無い!」と思い立ち、「新しいゲームを知るきっかけとしてのゲームカタログ」という見方を追加して、この回のRTA in Japanからは観るようにしたのでした。
そんな新しい見方を試してみるために、これまではイベントの中からかいつまんで観ていたのに対し、この回からはリアタイとアーカイブを駆使してほぼ全てのゲームを観るようにしました。そして、自分に合いそうなゲームがあったら詳しく調べてみるようにもした結果、『神巫女』に出会ってこれを自分でもやってみようと思い立ったのです。あと元々お手軽なお値段なところに当時は更にセールもやっていたのでかなり気軽に手を出すことができました。
▶︎ 改めて『神巫女』とは
上にあるRTA動画を見れば『神巫女』ってどんなゲームなのかの説明と実演が(しかも100%なので隠しも全部)見れちゃうのですが、改めてこちらでも説明します。
『神巫女』とは、和風テーマの見下ろし2Dドット絵探索アクションゲームで、移動(ダッシュ含む)プラス1ボタンのシンプルな操作とコンパクトなマップという手軽にサクサクできるタイプのゲームです。
ゲーム開始時に操作感の異なる3キャラから一人を選択しゲームスタート。敵を倒して得られるSPを集めながらそれらを消費して宝箱を開けたりチェックポイントを開放していきボス戦へ。これを4ステージ繰り返してラスボスを倒せばクリアとなります。
ゆっくり探索しても1~2時間あればクリアでき、RTA勢は20分ちょっとで100%クリアするくらいの、探索アクションとしてはライトなボリュームのゲームですが、探索アクションのあるあるを感じるポイントも押さえられていますし、そのライトさのおかげで周回しやすく、キャラによる操作感も全然違うので、何度も周回してタイムを詰めたくなる、そんなゲームです。
『神巫女』のそれぞれの良さ
先にも述べたとおり『神巫女』はとてもライトなゲームですが、その中には良さを感じるポイントがたくさん詰まっています。その中から、個人的に気に入ったところについて順に説明していきます。
▶︎ 同じステージの違う体験
まず、プレーできる3キャラの操作感が全然違うので、同じステージをプレーしていても、異なるキャラだと遊び方が変わっていくのが面白いですね。
ヤマトは近接戦闘キャラなので、敵をバッサバッサ倒していくのが気持ち良いキャラです。このゲーム自体、そこそこゴリ押しをしても問題はないタイプのゲームなので、敵の動きとかを考えずに相手をなぎ払っていけるのが超楽しいです。
ウズメは画面端まで届く弓矢で攻撃できますが、射出できる方向が固定で斜め45度方向には攻撃できないなどの制約も持つキャラとなっています。そのため、自分と相手のポジションを考えて立ち回りを考える、まさに遠距離キャラといった遊び方になっていきます。囲まれた時は辛いですが、良いポジションに移動してそこから一方的に攻撃することができると気持ちい良いタイプのゲームになるので、ヤマトと比べると遊び方は大きく変わります。
ヒノメは投げた後に移動していたとしても自身の位置に戻ってくるブーメランを武器に闘うちょっとトリッキーな中距離キャラです。ブーメランを投げている間は手元の短剣での攻撃もできます。この2種類の攻撃方法により「ブーメランを投げた後振り返って後ろの敵を攻撃する」ということもできたり、「ブーメランを投げた後移動してブーメランを誘導することで敵をなぎ払う」ということもできたりと、思いついたアイディアがうまくハマるのが気持ちいいという、ヤマトともウズメとも違う面白さがあります。
ステージのギミックやゲームの流れは全く同じですが、このように操作感が違う3キャラが居るということでゲームの楽しみ方が変わっていき、同じゲームでも3倍美味しいゲームになっています。
▶︎ 思いがけず出るもの
コンパクトなマップですが、隠し通路があったり同じところに戻ってきてもギミックを操作していることで新たな道が開けていたりと、コンパクトな中にも飽きさせないようなデザインがなされています。また、同じ場所でも毎回違うような体験になる仕掛けが施されています。それが、敵のランダムポップです。
およそどんな敵が出るかは場所により決まっているのですが、操作キャラが敵のポップするエリアに入ると、そのエリア内に敵がランダムな位置にポップする仕組みになっています(多分)。そのポップ位置がたまに目の前になることがあるのが怖いところ。ゲーム中、珠などのアイテムを運搬している際には一切の攻撃ができず、ダメージを受けたらアイテムが元の場所に戻ってやり直しになってしまうので、特にこの運搬中は敵のポップ場所をお祈りすることになります。
アイテム運搬時は全ての敵を避けるしかないので、それまでとは違う緊張感があり、急に現れた敵に思わず変な声が出てしまうのが楽しいところでもあります。
▶︎ ライトさを生かすシステム
お手軽なゲームですが、ゲーム内タイマーが用意されているので、1回遊んでおしまいではなく何度も遊びたくなるようになっています。
このゲームにはスコアなどは用意されていない代わりに、クリアタイムが記録されていきます。各ステージクリアごとに、そこまでの累積タイムとそのステージでの所要タイムが表示されるようになっているので、タイム狙いの場合はそこがモチベーションになりますし、キャラ別にクリアタイムTOP5も残されるので、別に世界を狙うわけではなくともタイムを詰めたくなる気になるようなシステムになっています。
そもそもライトな探索アクションだからこそ、慣れてくると30分もあれば1周できてしまうので、タイムを詰めるために1周するハードルがかなり低いというのも、周回プレーをするモチベーションにもつながっているんだと思います。
▶︎ ゲームを彩るものたち
ゲームのアート面でも好きなところ多いのが『神巫女』の良いところですね。
ドット絵の世界も、ドットの味と見やすさを両立したものとなっていますし、チップチューンの音楽も探索アクションらしいステージの雰囲気に合ったまさに王道という感じのものになっています。全体的な雰囲気がいいとプレーするモチベにもつながるので嬉しいですね。
ステージ曲の個人的なお気に入りは1面と3面です。1面は1面らしいこれから始まる感が気持ち良いですし、3面はメロとオケのステージに合う力強さが好きです。
おわりに
いろんなゲームを眺めた中で選んだゲームなのでそりゃそうなのですが、『神巫女』めっちゃ面白いゲームでした。シンプルでコンパクトなゲームながら何度も何度も遊びやすくて遊びたくなる仕掛けはとても自然で、ちょっとやるかなという気分でサクッと遊べるのはとても良かったです。
実際、同時期にやっていた『The Witness』はまあまあ重たいゲームなので、その息抜きに『神巫女』をやるみたいな形でプレーしていました。
気軽に手を出せるお手軽ゲームなので是非ともプレーしてみてください。そして急に現れる敵に阿鼻叫喚してみてください。
おまけ
▼ 横スク神巫女じゃんと思ったら同作者の新作だった『Transiruby』
▼ RTA in JAPAN Winter 2021は2021年12/26~12/31で開催!
▼ 『神巫女』と同時並行でプレーしていた『The Witness』の感想回想記
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