『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』雑感とプレーログ
『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』クリアしました。ゼルダでの旅をする中で、なるほどなと唸るような面白さが色々ありましたので、備忘録としてつらつらと並べたいと思います。また、プレーのログもいろんな人のを見るのが好きなので、合わせて残しておきます。
なるほどなと思ったところいろいろ
ゼルダシリーズの知識はそこまで詳しくないので、もしかしたら過去作の踏襲だったりするかもしれませんが、そのあたりはご愛嬌ということでお願いします。
▶︎ 「つかみ」が上手い話
・フルパワーリンクの操作から開始
この作品、開幕いきなりフルパワー状態のリンクの操作から始まります。すぐに操作ができるようになるのはシンプルに嬉しいですし、そこで操作できるのが最強状態というのも嬉しく、いきなり楽しいポイントになっています。ティアキンの開幕も同じような形になっていたので、そこを彷彿とさせるような開幕でした。
・いきなりクライマックのボス戦
そして、リンクで進んでいくといきなりガノン戦が始まります。正直これには驚きました。事前PVなどを見ていたので、ここはムービーなのかなとリンク操作が始まった段階で予想していましたが、ガノン戦をリンクでやらせてくれるという嬉しい演出がありました。
最初のボスとはいえど、ガノンなので1ボスとしてはしっかりと強い動きをしてきます。が、リンクもしっかり強い状態なのでゴリ押しで十分対応できるようになっているというのも、上手い仕組みになっているなと思わされました。
・リンクからゼルダへ
開幕でフルパワー状態のキャラクターを操作できる作品は、フルパワー状態ではなくなることにどう理由をつけるかが、個人的に大事なポイントだと思っています。その点については、この作品では操作キャラクターがリンクからゼルダに変わるということで解決をしています。これはシンプルかつ理由としても明確で、綺麗な解決だと思います。
また、ゼルダに操作が切り替わる際に、「特に何も言わず、ゼルダにカメラが向けられ、レバガチャをして結晶から脱出する」という手順を踏んで進行するというのが、「これからあなたがゼルダを操作する」という意識づけをするいいアクセントになっていると思わされました。
・カリモノのつかみ
その後、この作品の目玉であるカリモノの力が解禁される場面では、カリモノの使い方の最初の例示として「壁を越える」ということが示されます。カリモノの使い道としてこういう使い方は面白いのですが、それ以上にこれを最初に持ってきているということが、「見下ろしマップでは、壁になる障害物は絶対的な仕切りだ、という感覚を壊そう」という意思があるように感じられて、工夫されてるポイントだと思いました。続くスニーキングパートでも、道なりではなく棚や障害物の上に登って進む誘導が用意されており、「障害物はカリモノで越えてもいい」というメッセージ性が強く打ち出されているように感じました。
▶︎ マップの話
・「マップを壊す」感覚の体験
ハイラル城から抜け出してミナミノ村あたりに着くと、周囲の木々が壁となって道が作られている景色が広がります。この木の高さが、初期状態のトリィの力でも簡単に用意できるカリモノベッド3つの階段で、ちょうど上に乗れる高さになっているため、やろうと思えば木々の上を駆け抜けて、道なりに進むのと比べるとダイナミックなショートカットをすることが出来るようになっています。この体験を気軽にできるようになっているのは、面白いポイントだと思います。
個人的に、「本来のゲームの順路あるいはゲーム世界の中の常識的な道を外れて、強引に別の場所へ行く」ようなことを「マップを壊すプレー」と表現しています。ですが、当然マップを壊すには裏技やバグ技のような技術や知識が必要なことが往々にして多く、なかなか気軽にマップを壊すことはできませんが、それが上手くできた時には無茶が通ったという独特の面白さが感じられます。この体験を、比較的難しいことなく体験できるようになっているという点で個人的には感心させられました。実際、カリモノの初期数を減らすか木の高さを1段高くするかすれば、最序盤のミナミノ村周辺で木の上を走るということ簡単には出来ないようにすることもできますがそうはしていません。加えて、最初の神殿を踏破するまでは木々の向こうは高い崖や裂け目で塞がれているので、真にマップを破壊するのは簡単にはできないようになっていますし、木々の上を走るルートもまるで想定のショートカットのように小さな裂け目が配置されているところもあるため、管理下の元でこのような体験を提供しているように見受けられました。
・マップの造形
この作品のオブジェクトやマップの地形は、グリッド感のある見た目になっています。ただ、実際操作してみるとグリッドに縛られることなく移動でき、空中上下方向も結構動けてしまうので、旧来の見下ろし2Dもののイメージとのギャップが面白い驚きとなっていました。操作のフィーリングとしてはブレワイやティアキンをやっている感覚のほうが近い気もしました。
一方で、無の世界に入ると、地上と同じオブジェクトで地形を再構成した今度はグリッド感の薄いマップが用意されているのが、対比が際立って綺麗だと思わされました。さらにそこから神殿などのダンジョンに入ると、今度は古のゼルダらしいグリッド感のある小部屋が用意されているというのも、無の世界の中で印象がまた一段と際立つものになっているという面白い構成だと感じました。
▶︎ ダンジョンの話
・最初にミナミノ遺跡に戻ってくる
ゼルダで最初に入る大きな神殿型のダンジョン「ミナミノ遺跡」は、進んでいくと最序盤のリンクで操作した場所に合流します。この順番の演出は、半ば不意打ちのような驚きもあり、面白いポイントだと思いました。最初にいた場所に戻ってくる系の演出は、ストーリーも盛り上がる終盤で戻ってくる作品の印象が強いので、このような最初に戻ってくるタイプというのは頭から抜け落ちがちでなるほどと思いました。
またこの遺跡を進めていく中で、ゼルダで戦う最初の中ボスがリンクというのもびっくりさせられましたが、それを倒すことでリンクの装備を回収できるという流れが用意されているということと合わせて綺麗にまとめているなと思わされました。
・ゾーラとゲルドの違い
ストーリー前編では、ゾーラ族とゲルド族のいる地方にそれぞれ順不同で向かうこととなります。この2つの地方でのストーリー進行で得られるものがちょっと違うというのは個人的に意外なところでした。オープンワールドのように好きなところへと行けるようになっているので、おおよそそれぞれの場所の進行で得られるものは、ブレワイの四神獣のような近しいカテゴリーのものだと勝手に思ってしまっていたということを、今回の作品によって認識させてくれました。
実際、今回のゾーラとゲルドで比較すると、ストーリー上での探す人物が救出できたのはゾーラ側だけで、ゲルド側は不発という結果の差があります。それに対して、ゲルド側ではリンクの装備を回収できるというアイテムの進展がありますが、ゾーラ側ではリンクの影も形もない(水ブロックなど強力なカリモノは得られる)という風にストーリー上の役割が分かれています。
その他、それぞれの地方ごとのストーリーの流れや行うこと、中ボスのタイミングなど異なる点が多く、飽きさせないような作りになっているというのも感心させられるポイントでした。
・ダンジョンの構造のバリエーション
神殿やダンジョンが複数ある中で、それらの作りのバリエーションにもなるほどと思うところがありました。ダンジョンの入り口という点だけ見ても、無の世界の建物の入り口に入って始まるものと裂け目に入るといきなりダンジョンの入り口から始まるものがありますし、ダンジョンと無の世界を行き来するタイプのものもあります。ダンジョン序盤でボスと出会ったり追いかけたりするなど演出も多種多様ですし、言わずもがなギミックもそれぞれ違っていて、色々な面白さの体験が提供されていて楽しい作品だと感じさせられました。
・ハイラル城でのもう一度
ストーリー前編の総まとめとして向かう裂け目の中のハイラル城には、なるほどとなる面白さが様々用意されていました。
まずそもそも、「もう行くの!?」となるタイミングでハイラル城に向かうというストーリー構成に驚かされました。これはストーリー全体の構成の面白さとも繋がるのですが、「今ハイラル城に行くということは、この後一体ストーリーはどうなるんだろう」というワクワク感があり、このダンジョンの話が終わってみれば、ストーリー前編の区切りとして綺麗な収まりをしていることがわかるという納得感も強い構成になっていて、とても感心させられました。
また、ゼルダでの最序盤で脱出したハイラル城を、今度は逆走して戻っていくというのが、ミナミノ遺跡と同じようなもう一度同じところに来るという面白さもありつつ、今度はカリモノが増えているので違った進み方ができるというところも気持ちいいポイントでした。
そして、ボスとして待ち構えるのが、最初のボスとして戦ったガノンというのも嬉しいところでした。今回はゼルダで戦うので、リンクの力を使わなければ、また違った戦い方ができるというのも面白いですし、一つのクライマックスのボスとしてガノンが役としてぴったりハマっているという面からも、良いボス配置だなと思いました。
▶︎ ストーリー演出の話
・リンクがしゃべらない理由
ルーベリの日記を読むと、今作のリンクが無口であるということと、その理由が裂け目にのまれて失ったものが言葉だったということが判明するようになっています。そういった人物の特徴の理由づけについて、世界観の中で分かるというのはシンプルに嬉しいところです。さらに、ストーリーを進めていくと、ゼルダが消して回っている最近できた裂け目にのまれて戻ってきた人は、特に何ともないという話が登場します。これとリンクなど何かを失った人たちとの話を合わせると、その差は何だろうかと世界観に深く入り込む良い疑問の種になりますし、これらの話がエンディングに効いてくるのは、情報の置き方として一歩踏み込んだ上手い演出だなと思いました。
・オープンワールドでの前後編
プレー済みの人なら分かると思いますが、この作品のストーリーは大きく分けると、ハイラル城奪還までの前編、その後の後編の2つに分けることができます。これはプレー中に一番驚いたポイントでもありました。
ミナミノ遺跡終了後は、ブレワイ・ティアキンと同じようにハイラル全土に行けてしまうオープンワールドのような作りなっています。全土に行けてしまうため、ストーリーの目的地に向かわずに興味の赴くまま様々な場所へと向かっても、何だかんだその地域でイベントがあって全体の話の一部として進んでいくというのが、順不同のオープンワールドもののイメージとしてありました。ただ、実際のところこれは単なる固定概念で、オープンワールドなら必ずしも順不同というわけではない、ということにこの作品で気付かされました。
ストーリーの作りとしては、昔ながらの流れが決まっているタイプのものの中でも、中盤に大きな転換のあるメリハリの効いたものを、オープンワールドマップでやるということで演出のサプライズ感も増した面白いものになっています。また、ハイラル城奪還前後で、これまでの総まとめマップとガノン戦というクライマックス、真のボスのお披露目、ゼルダの衣装チェンジなど、ここで一つの区切りということを示す要素がたくさん用意されていることも、メリハリの良さを際立たせていてなるほどと唸っていました。
・リンク救出の盛り上げ方
ストーリー後編の最終盤で、囚われたリンクを救出するシーンがあります。この場面、立場としては最序盤のリンク操作パートの最後のムービーの逆になっているので、どう救出するかはそこを踏襲すればいいというヒントになっており、立場を入れ替えた反復の演出というものが、よくある話ながらやっぱりいいものだなと思わされました。
またリンク救出後に、これまで得てきたリンクの武器を「かえす」というのが、この作品の様々なものを「かりている」という感覚を深くする綺麗な演出になっていて、個人的にはお気に入りのポイントになっています。
その後、リンクと協力してラスダンの攻略をする中で、武器を返したために戦力ダウンしたゼルダを補うかのようにリンクが強くて賢いことで、これまでとは違う盛り上がりを見せていきます。このリンク救出からの一連の盛り上がりの演出は流石だなと思わされました。
プレーログ色々
実際自分がどうプレーしたかについて、簡単に並べていきます。
▶︎ クリアまでのルート
全体として、ティアキンで誘導に乗らなかったことで大変な思いをした影響があり、ちゃんと誘導に乗ろうという気持ちで動いていました。
・前編:ハイラル城奪還まで
ミナミノ遺跡後は、フィローネ地方との境にある高台を伝って、ゾーラの方へ。ゾーラの裂け目を解決後、ハイラル城前まで道なりに進み、道中ハイリア湖に寄り道。その後素直に道なりに砂漠に入ってゲルドの裂け目を解決。一旦全地方巡ってマップを開けるかどうか考えて、今回は素直に誘導に乗ろうとゲルド終了後はハイラル城へ直行。
・後編:ハイラル城奪還後
ミナミノ村から時計回りに全土を巡回しつつ、メインのストーリの進行は途中で止める方針で移動。ゲルド・牧場・カカリコ・ゴロン(シティの裂け目まで終了)・いにしえの森・北の教会の順でミニチャレンジをこなしつつ進んで、ヘブラ山は素直に登山道から山頂の無への突入前まで進行、その後ゾーラ・東の神殿・フィローネ(会員証ゲットまで)をこなし、カカリコの道場をクリアして、メインストーリーをゴロン・ヘブラ・フィローネの順で解決。フィローネクリア後は、寄り道せずに一気にラスボスまで直行。
▶︎ プレー中のあれやこれや
・メインマモノ戦力の変遷
地上では数に物言わせていて、水中やボス戦では力に物言わせていました。
・メイン上昇移動方法の変遷
魔物での移動はあまりしていませんでした。
・好きなキャラ周りの話
▶︎ クリア時のリザルト
・1周目クリア後
最初にクリアした後のメニュー画面のアイテム取得状況は、このようになっていました。
・クリア後の話
クリア後に、取りそびれたものを回収する旅を行いました。
この旅で主に集まったものと、それぞれ取りそびれていたものたちを1周目で回収していなかった理由、もとい言い訳は次の通りです。
そして残りが以下のようになって、答え合わせをすることにしました。
色々と盲点に入ってしまって取り逃がしていたものがあったので、探索好きとしてはどういう取り逃がし方をするのか自覚するいい学びの機会となりました。
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