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ドイツ 自転車のある暮らし
自動車の好きな方なら、ドイツと聞くといくつかの自動車メーカーを思い浮かべるのではないでしょうか。Volkswagen (VW), Bayerische Motoren Werke (BMW), Porsche, Mercedes-Benz, Audi などなど。
確かにドイツは車社会で、例えばAutobahn(アウトバーン)に見られるように車に関する交通インフラは比較的よく整備されていると僕は思います。
その一方で、ドイツ国内には鉄道やバスの公共交通機関が網の目のように張り巡らされていて、大抵のところには車がなくても電車やバスを使って移動できます。尤も、運休や遅延、あるいは待ち時間の都合で移動時間はかかります。
車、電車とバス以外の移動手段として代表的なのは自転車です。ドイツでは、自転車は車と並んで立派な交通手段であり乗り物(Fahrzeug)です。
自転車は乗り物なので、道路では車と同じように車道を走ります。自転車は車ほどスピードは出ないため、車道の右端(ドイツは右側通行)を走ります。道路によっては道路の右端に自転車専用レーンが設けられている場合もあります。また、自転車が走行しても良い歩道もあります。
ドイツでは、自転車は車と一緒に車道を走るものですから、ドイツの自転車は日本のものと比べてかなりしっかりした作りをしているものが多いように僕は思います。自転車のタイプに依りますが、よく見かける街乗り用の自転車でもフレームがしっかりしていて結構なスピードが出ます。かなり明るいLEDヘッドライトと赤いテールライトが備わっていて暗い夜道でも安心。
また後輪の周りのフレームが充実していて、後輪の左右にバッグを取り付けることができ、自転車にかなり荷物を乗せることができます。ちなみにこのバッグ、日本ではあまり見かけないのですが、これはとても便利ですのでお勧めです。僕も愛用しています。どうやら日本でも購入できるようですね。
自転車に乗る場合には、みなさんヘルメットをかぶります。最近はヘルメットの後ろ側に赤いテールライトがついているものを見かけるようになりました。安全意識の高いことのあらわれで、とても良いと僕は思います。また、黄色やオレンジの蛍光色あるいは反射材が付いたベストや上着を着て自転車に乗る方も多いです。僕も暗い夜道を走る場合には反射材の付いた黄色い蛍光色の上着やベストを着て自転車に乗っています。
ドイツでは、特急列車などの例外を除いて、自転車を電車に乗せることができます。これはドイツ国内の各州で扱いが異なりますが、僕が住んでいる南西ドイツ・Baden-Württemberg 州では、長距離特急列車を除いた列車(S Bahn, Regionalbahnなど)には自転車を乗せることができます。平日朝6時から9時(通勤通学のラッシュアワー)に自転車を乗せる場合には追加で自転車を乗せるチケットを購入する必要がありますが、それ以外の時間帯なら自転車を乗せるのに追加料金はかかりません。
自転車を乗せることができる列車には、自転車を停めるための折りたたみ座席スペースが用意されています。このスペースは、自転車だけでなくベビーカーや車いすなどにも使われるところで、必要に応じて折りたたみ座席を下ろして普通に座ることもできますし、座席を上に上げて折りたたみ自転車やベビーカーの停車スペースとして使うこともできます。
駅には改札がないため、自転車でプラットフォームまで入ってそのまま列車に乗車でき、降車する駅に着いたら列車から自転車を下ろして自転車に乗って移動を続けることができます。僕もよく自転車を電車に乗せてあちこち移動することがあります。駅に着いてからさらに目的地まで自転車で移動できるため便利ですね。
自転車は車道を走ると書きましたが、自転車道もよく整備されていて、大抵の場合には車道を走る必要はなく安全に走ることができます。この場合、歩行者も同じ道を歩いているため、歩行者には要注意。自転車であってもスピード出し過ぎは危険です。
山や丘陵地でなければ平坦な道が多いため、ドイツでサイクリングするのはとても楽しいです。街から離れれば田園風景や森が広がっていますので、春から秋にかけてのシーズンで天気が良ければ、サイクリングで自然の風景を楽しみながらあちこちの街や村を訪れて雰囲気を楽しむのも良いと思います。また荷物を自転車に積んでドイツ国内を自転車ツーリングして旅をするのも楽しいでしょう。
特に環境意識の高い方にとって自転車は良い交通手段ですね。しかも維持費はほとんどかかりません。僕は車を持っています(小型の電気自動車)が、できるだけ車を使わずに自転車と公共交通機関で生活するようにしています。車を使う方が時間はかかりませんが、それほど急ぐ用件もないし。自転車でノンビリしたスローライフを楽しんでいます。